ポップコーンは買わない派です。vol.27
広めるべきはヘイトじゃない寛容と愛だ。
ジョジョ・ラビット
(アカデミー脚色賞 受賞)
予告編
あらすじ
「マイティ・ソー バトルロイヤル」のタイカ・ワイティティ監督が第2次世界大戦時のドイツに生きる人びとの姿を、ユーモアを交えて描き、第44回トロント国際映画祭で最高賞の観客賞を受賞した人間ドラマ。第2次世界大戦下のドイツに暮らす10歳のジョジョは、空想上の友だちであるアドルフの助けを借りながら、青少年集団「ヒトラーユーゲント」で、立派な兵士になるために奮闘する毎日を送っていた。しかし、訓練でウサギを殺すことができなかったジョジョは、教官から「ジョジョ・ラビット」という不名誉なあだ名をつけられ、仲間たちからもからかいの対象となってしまう。母親とふたりで暮らすジョジョは、ある日家の片隅に隠された小さな部屋に誰かがいることに気づいてしまう。それは母親がこっそりと匿っていたユダヤ人の少女だった。
お母さん像
この作品で欠かすことのできない存在はなんといってもジョジョのお母さん役であるスカーレットヨハンソンだろう。
彼女は戦争中で夫が出兵しているつらい状況の中でもカラフルなファッションと化粧を身にまとい、表ではとてもユーモラスに明るく生きている。
この作品の中でもテーマを象徴する存在だ。
ユダヤ人といえども同じ人間
植え付けられた偏見によってドイツの人々はひどい差別をすることになる。そんな中でも、ジョジョのお母さん(以下ジョジョマミーとする)はユダヤ人少女を匿い、同じ人間として過ごした。
どうしてそういうことができたのか、ジョジョマミーは寛容であり、人間愛に満ち溢れているからだ。ジョジョもはじめはヒトラーに心酔し、立派な兵士を目指してヒトラーユーゲントで奮闘していたが、訓練中の大怪我で挫折。
少女との出会いからジョジョは徐々(ジョジョ)に変わっていく。
教育の本質は親からの教えが大きいことは間違いないと思う。学校の先生やボーイスカウトの先生が教えてくれるのは技術。一方が親からの教わることは人生における理念。ジョジョマミーは生きていくに必要な寛容と愛を伝授してくれたのだ。
そんなお母さんにアタシもなりたいものだわ。🤷♀️←
ジョジョの空想の友達アドルフ
監督のタイカ・ワイティティはマオリとロシア系ユダヤ人のハーフである。
ユダヤの血が入る彼が自らヒトラーを演じるという状況が表しているのは、きっと分断しないということだ。
かつての先祖がヒトラー対してひどい虐殺を受けたことは事実だけども、その事実を受け入れているのは彼の言葉にある寛容を広めるということに詰まっているだろう。
音楽
Komm, Gib Mir Deine Hand
"抱きしめたい(邦題)"(The Beatles)
ドイツ版の「抱きしめたい」だ。
本作ではハリウッド映画の関係上ドイツを舞台としながら全編英語なのだが、劇中で使われているビートルズの「抱きしめたい」はドイツ語バージョンなのだ!
Heroes(David Bowie)
ベルリン三部作と言われている作品の中の2作目かな。この曲は若者に向けられたエールが詰まってる内容となっている。
そのエールがジョジョの像と重なっていく。
将来を担うジョジョとユダヤ人少女のラストダンスは強く胸を打つ。
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