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ポップコーンは買わない派です。vol.84

湯を沸かすほどの熱い愛

予告編

あらすじ

持ち前の明るさと強さで娘を育てている双葉が、突然の余命宣告を受けてしまう。双葉は残酷な現実を受け入れ、1年前に突然家出した夫を連れ帰り休業中の銭湯を再開させることや、気が優しすぎる娘を独り立ちさせることなど、4つの「絶対にやっておくべきこと」を実行していく。会う人すべてを包みこむ優しさと強さを持つ双葉役を宮沢が、娘の安澄役を杉咲花が演じる。

Netflixで観ましたー!

この作品は2016年に公開された映画で、話題になっていたものの上映当時は映画にあまり興味がなかったのでスルーしてたのよ。笑

んで、中野量太監督の作品は話題になることが多くて、様々なメディアで目にすることが多かったもんで気になっておりました。

Netflixに入ってからこれまで見逃した作品を観れたりとか、知らない作品の新たな魅力に気づいたりとか、Netflixオリジナル作品のクオリティの高さは近年のアカデミー賞を席巻するほどですから。

楽しませてもろてます。

宮沢りえさん演じる幸野双葉の死生観を垣間見れる

これは観た人がみんな感じると思う。

お母ちゃん強し!

でも反対に芽生える感情としては、

ここまで人のために尽くせるなんてすごすぎる。俺には無理かもしれないと負の感情が生まれてしまった。

そして、世のお母さんのハードルが上がるから、やめてあげて。。

とも思った。

たとえ自分が余命宣告されて、過ごしていくとしたらあそこまで人のために生きられるかと自問自答を繰り返していた。

でもどうせ死ぬなら他人に尽くして、自分が生きていた証を残していろんな人に想っててもらいたいって徐々に思い始めた。

人は物理的に死亡した時は本当の死ではなくて、人から忘れ去られてしまった時に初めて死んだことになるんだってどっかで聞いたことがあって。

日本では仏壇に亡くなった家族の写真を飾っておくけど、そういうことなのかなって思った。

だけど、時が経てば経つほどその人自身のことを覚えている人は少なくなるわけで、その時に初めてその人は死というものに該当するんだと思う。

そんなことで、双葉という女性は自分が死というものに直面した時に、いや、それよりも前から、自分がいつ死んでもいいように人に尽くしていたのではないかと感じさせる場面が随所に見られる。

例えば、手話のシーン。

これに関しては双葉が再婚の身であることも大いに関係あるかもしれない。とにもかくにも、双葉の死生観がよくわかるし我々にも教訓となるところはたくさん盛り込まれていると思う。

でも疑問点がいくつか

しかし随所に、ん〜〜わからんでもないけど流石にやり過ぎちゃう?w

みたいな場面はいくつかあった。


例をあげるとするならば、

杉咲花さん演じる幸野安澄がいじめられていて制服を盗まれてしまい、精神的にもかなり参ってしまっている状況にもかかわらず、朝に無理矢理布団を引っ剥がし、逃げちゃダメだ!と説得して学校に行かせるというシーン。

これはどうなんだろう。安澄にスポットが当たっているフェーズであるがために、安澄の気持ちが痛いほど伝わる我々からすると

双葉さん、それはやりすぎなんじゃ。。って思った。

でも安澄はついに自分で行動を起こしていじめを克服する。

それが衝撃的で、

みんながいる教室でいきなり下着姿になり、「制服を返してください!」と強くはない口調で抗議をする場面。

これには驚きが隠せなかった。思わず、「え、、」となってしまった。笑

これをきっかけに制服は返してもらい、いじめを克服?したようだった。

でもこれ以降、学園シーンは出てこない、、、逆にいじめられないのかと疑問を抱いてしまいそうなのだが。。


あとは途中で出てくる松坂桃李さんが演じているヒッチハイカーかな。

なんか役的にはそこまで重要じゃないようにも感じていて、だからこそ松坂桃李の無駄遣いなんじゃないかと思った。笑

これはきっと時間の経過のせいもあるわ。
今や松坂桃李は日本の若手俳優の中ではトップ5に入るほどの超一流ですよね。そのフィルターもあるせいか、松坂桃李という体重重めな俳優を起用している割に役が追いついてないようにも感じて、ちょっと違和感だった。

でも結局は好きだからなんだかんだで松坂桃李は最高でした。

最後に

気になる点をあげたりしたが、とはいってもとてもいい作品と思ったのは正直なところ。

伏線の回収も綺麗だし、キャストも豪華。ストーリーも感動せざるを得ない構造で、さすが中野監督という感じ。

別の作品で「長いお別れ」という作品。

これも家族と死が絡む作品であると思われるが、別の作品と見比べてみるとその監督が大切にしているテーマ性みたいなものが見えてきて、より楽しむことができる。

みんなやってるとは思うけど、監督やスタッフから作品をたどってみるのは非常におすすめ。


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