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ポップコーンコーンは買わない派です。vol.19

お百姓さんになりたい

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あらすじ

武蔵野地域の農園の営みを丁寧に追ったドキュメンタリー。2.8ヘクタールの畑で60種類もの野菜を育てる明石農園の明石誠一さんは28歳の時に東京から埼玉県三芳町に移り住み、新規就農した。有機農法からスタートし、現在では肥料さえも使わない自然栽培に取り組んでいる。研修生として明石農園にやってくるパティシエやカメラマンといったさまざまな経歴の人たち、農業福祉連携で働く障がいを持つ人たち、農業体験イベントに参加する子どもたちと、農作業で土に触れることから心豊かに暮らすためのヒントが提示される。

職業選択としての農業を捉えた映画

農大生の就職先として第一次産業の農業につく人は少ない。
劇中で出てくる明石農園には様々な境遇を持つ人たちが集まる。パティシエやカメラマン、バンドマンだった人もいる。農福連携にも取り組み、障がいを持つ人たちも得意分野を生かして活躍している。

農園の主は明石誠一さん。明石誠一さんは28歳の時に東京から移り住み、新規就農した。

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有機農法からスタートし、10年前からは農薬や除草剤、さらに肥料さえも使わない「自然栽培」に取り組んでいる。ここでは、野菜同士が互いを育てる肥やしになり、雑草は3年を経て有機物に富んだ堆肥になる。収穫後は、種を自家採種していのちをつなぐ。春夏秋冬、地道な農の営みは、お百姓さんになりたい人への実践的ガイドとなり、”自分の口に入るもの”に関心を持つ人に、心豊かに暮らすためのヒントを提示する。

私は目標となるステークホルダーを見つけた感覚だった。そこには自分の展開する農業で人と人とがつながり、小さく穏やかではあるが持続的な社会に向けた革命が起こり始めていると映画をみていて感じた。

明石農園で学んでいる生徒さんは有機農法や自然農法のことだけではなく、確実に明石さんの哲学に共感している感じがした。農業を実践で捉えた時に方法論が先行してしまうことが多いと感じる時がある。

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そうではなく、広い視点で見た時の今ある自分の職業の捉え方。これはすべての職業にも共通していることかもしれないが、自分の果たす役割がわかっていること。これが明確になっている上での方法論は説得力のあるものであると感じた。

なんで働くのかと問われれば、何かを買って生活するというモノを消費するために働くのではなく、生きるために働く、食べるために働くということをダイレクトに感じることのできる農業だからこそ口に入るもののことを第一に考えるし、それは消費者に向けても同じこと。

考え方だけではなくしっかりと論理に基づいた考察から農業生産に落とし込んでいる点にも注目。文的な要素も持ちながら、論理的に落とし込んで解決していく。まさに理想的な農家像である。憧れるわあ。

すべては自然、植物が教えてくれる

不揃いが当たり前。
人間も一緒で、いろんな人がいてしかるべきで、それを普通という言葉で多数であることが正しい世の中で、人として認めてもらえない人も世界には多く存在する。障がい者もそのカテゴリーの中の一つとして数えられる。明石農園では障がい者の雇用にも取り組んでいる。

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考え方としてはその人にしかできない仕事を見出し、当てはめること。重度の身体障がい者にも農業に触れる体験、調理する体験が当事者の心の豊かさを向上させる。

タネ(遺伝資源)をテーマにした「SEED」という映画もそうだが、複雑性、多様性を認め合わないと、人類生存の未来はない。


農家になる身として、これからなにができるのか

自分もこれから農家になるわけだけども、どんなことを伝えていけるのかなと常々考える。自分としては自分が生まれたふるさとについてもっと知らないといけないと思うし、これまで継承してきた実家の農業、家系をもっと深堀しないといけないと思う。継承することはこれまで培ってきたノウハウ、歴史、文化を請け負うことであり、またそれを継承していくために自分自身を磨き上げていかなくてはいけないと思っている。

付加価値は無理につけることはない。その歴史、文化にフォーカスすると案外にもその土地独自のものが存在する。
それをどう表現し、評価につなげるかで地域のアイデンティティの醸成に繋がってくると思う。

それをやるのは間違いなく自分。よそ者も巻き込んで。人任せにしがちやもんな。地域の人間は。そんでうまくいかんかったら村八分にしよったりよ。
そんな村八分の怖い部分を扱った映画もあります。

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→「楽園」という映画。これはちょっと地域に入り込むのが怖くなる映画です。

職業選択として農業を選ぶ必要はないと思うけど、地域で一緒になってレストランしたり、映画上映したり、本屋さんしたり、服作って売ったりして仲間と楽しく過ごしたいものですな。すべて結局は農業に行き着くからな。
やろうぜやろうぜー!フゥーー!

予告編

https://youtu.be/ivHX2MujtP4

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