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ポップコーンは買わない派です。vol.53

映画で旅する自然派ワイン

2週に渡って自然派ワインをテーマにした映画を紹介します。

今週は

ワインコーリング

予告編

あらすじ

フランス自然派ワインの生産者たちのライフスタイルを追ったドキュメンタリー。南フランス、ルーション地方。フランス自然派ワインのパイオニアといわれるジャン・フランソワ・ニックのもとには、同じくワイン造りに携わる人々が集まってくる。彼らは常に情報交換を行い、収穫に人手が足りなければ助け合いながらワインを造る。早朝から汗を流して働き、家族と一緒に食事を摂り、夜は仲間たちとワインを飲む毎日。自然と向き合う苦労をものともせず、ワイン造りと人生をナチュラルに楽しみながら生きている。生産性を追い求めることなく、体にも地球にも優しいワインを造り続ける彼らの姿から、人生で本当に大切なものが見えてくる。

パンクなライフスタイル

ワイン、、コーリング。。? え、ロンドン。。え。まじ、、?!

タイトルでビビッときた方ももしかしたらいるかもしれません。

こちらの画像を見ればわかるぞ!って人もいるかもしれません。

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そうです。ザ・クラッシュというバンドのロンドンコーリングというアルバムのオマージュなんですねえ。

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ロック好きの身にとってはとてもワクワクするラベル。

劇中にも曲が散りばめられているので知っている方はそういうところでもお楽しみいただけます。

タイトルやラベルからも想像できることかもしれませんが、クラッシュというバンドはパンクバンドで、このワイン、映画もある意味何かへのパンクの精神を反映させているように感じる事ができそうですよね。

工業化する農業の中で

本作ではブドウの有機栽培と、ブドウと自然の力だけで醸した自然派ワインを作っていく若者たちのドキュメンタリーです。

そこに映っていたのは現代の農業とは思えない映像でした。もちろん現代に撮られているものではあるのだけれど、収穫したブドウは馬で運搬していたり犬が農園を走り回って子供たちと遊んでいたりひと昔ふた昔、はたまたそれより前の日本でもあったかのような農村の風景でした。

動物と植物、それから人間がうまいこと共生している形がそこにありました。

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一方では農業というのは徐々に工業化しつつあると思います。多少の機械化は利便性を高めるしいいこともたくさんあります。

しかしながら、農業をやる人が減っていく原因のひとつは農業をやらなくてもいい環境になりつつあるからではないかと思うのです。

人々との共同作業、そして夜は家々で隔てることなくみんなで醸したワインを飲んで楽しむという。。

最高じゃないですか。そんな最高なことできてたら農業やりたいと思う若者って増えていくと思うんだよなあ。

現代の農業は農作物を作って出荷するまでがゴール。作ってからの楽しみ、家庭菜園等もあるでしょうが、あくまで家庭内。それが集落単位だったら誰もが食べてくれて、おいしいって言ってくれて、笑顔になって、こんなに嬉しいことないでしょ。

田舎でもなかなか集まる機会がなくなってるんだから危機的状況ですよね。

家庭内の楽しみを共有することから始めていくのも、あのフランスの彼らに近づくためには必要な要素だなって思います。

共有の先に生まれるイノベーション

そう言った共有がどんどん対外的にむいてくれば、多くの人がそのワインに注目するし、地域が評価される。他から評価されると自分たちは自信になる。ポジティブかつクリエイティブになっていくに違いない。

この映画がまさにそれを体現しているように思う。だからこそあのフランスの地域と若者たちは進化していくんだろうなって思います。


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