見出し画像

夜尿症の原因、所見、症状、現代医学の治療、東洋医学の治療(漢方など)をまとめてみました。



夜尿症とは?

夜尿症は、夜間に何度も尿意を感じ、寝ている間に尿意を伴う症状です。夜尿症は子どもや成人の両方で発生する可能性があり、原因はさまざまです。子どもの場合、夜尿症は通常、成熟するにつれて自然に改善されることが一般的ですが、一部の子供や成人では継続的な症状が問題となることがあります。

夜尿症が起こる原因は?

夜尿症の原因には以下のようなものが挙げられます。

遺伝的要因:夜尿症は家族に遺伝的に関連することがあります。親や兄弟姉妹が同様の問題を経験している場合、子供も夜尿症になる可能性が高まります。

成熟の遅れ:一部の子供は尿道や膀胱の成熟が遅れ、十分なコントロールが得られないことがあります。時間の経過とともにこの問題が解消されることが期待されます。

夜間の尿の生成量が多い:一部の子供は夜間に尿を作り出す速度が速いため、膀胱が容量を超えてしまい夜尿症が発生することがあります。

睡眠中の深い眠り:睡眠中の深い眠りのため、膀胱の満足度を感じずに寝てしまうことが夜尿症の原因になることがあります。

尿路感染症:尿道や膀胱の感染が夜尿症を引き起こすことがあります。

精神的なストレスや心理的な要因:子供がストレスや不安を感じている場合、自律神経が乱れやすくなり夜尿症の発生が増加することがあります。

夜尿症の所見、症状は?

夜尿症の症状は読んで字の如く、夜間に尿が気づかない間に出ていることが症状になります。また大人の夜尿症では、自分がおねしょをしたことによる精神的苦痛を伴うこともあり、それが更に自律神経の乱れにつながることも考えられます。

夜尿症の診断方法は?

病歴の収集、身体検査、尿検査、血液検査、膀胱エコー、睡眠検査、心理的な評価などを行い診断を行います。

医師は患者や患者の親からの詳しい病歴を収集します。症状の始まり、頻度、ベッド濡れの頻度、その他、尿路感染症が無いかや膀胱の容量、ストレスが無いかなどの評価を行います。

夜尿症の一般的な治療法は?

治療法としては夜間の水分摂取を制限する、就寝前にトイレに行く習慣をつける、規則正しい排尿スケジュールを設定、薬物療法を行う場合は抗利尿ホルモン薬であるミニリンメルトが夜尿症の改善に使われることがあります。またストレスや不安が夜尿症の原因である場合、心理的なサポートや心理療法も積極的に取り入れます。

夜尿症の予後は?

子供の場合
夜尿症は特に子供の間で一般的であり、多くの場合、成長とともに自然に改善されることが期待されます。しかし家庭環境やストレスなどの状況でなかなか改善が見られない場合は、適切な支援や治療を受けたり、生活習慣の改善を行うことで、多くの子供が夜尿症を改善できます。

成人の場合
成人の夜尿症の予後は、原因に依存します。一部の場合は、基本的な生活習慣の変更や薬物療法によって改善することができます。しかし、深刻な潜在的な健康問題が原因である場合は、それに対する適切な治療が必要となります。


夜尿症の東洋医学的な考えは?

東洋医学では、体の健康は体内のエネルギー(気、気血、陰陽など)のバランスに依存していると考えられています。夜尿症の東洋医学におけるアプローチは、西洋医学のアプローチと異なりますが、一部の患者にとっては補完的な治療法として利用されることがあります。東洋医学は、体のエネルギーの流れやバランスを調整し、体の自然な治癒力を活性化することに焦点を当てています。

東洋医学を取り入れるメリットは?

東洋医学、特に伝統的な中国医学や日本の漢方医学などは、現代医学とは異なる視点から疾患を理解し、治療法が考えられます。夜尿症に関しても、東洋医学の観点では以下のような要素が考えられることがあります

腎の役割: 伝統的な東洋医学では、腎は水の代謝と調整に関与しています。夜尿症が腎の機能に関連していると考えられることがあります。腎の陰陽のバランスが崩れると、水の代謝が乱れ、尿の制御が難しくなるとされています。いわゆる腎虚であることが多いとされています。

気血の循環: 東洋医学では、気(エネルギー)と血は体内を巡り、調和が取れていることが健康につながると考えられています。夜尿症が気や血の不足や循環の乱れに関連しているとされ、それらの調和を取り戻す提案されることがあります。

臓腑の関連: 伝統的な東洋医学では、臓腑(五臓六腑)と呼ばれる臓器が体の機能やエネルギーの流れに影響を与えるとされています。夜尿症が特定の臓腑の不調と関連している可能性が考えられ、それに対する調整が治療の一環となります。


以上のような点から、東洋医学を取りれるメリットがあります。

東洋医学で考える夜尿症にアプローチできるポイント


夜尿症に対する東洋医学のアプローチ方法は、患者の症状や体質に合わせて個別に調整されることが一般的です。以下は、一般的な東洋医学のアプローチポイントになります。

体質診断: 東洋医学では、体質が個人の健康に大きな影響を与えると考えられています。まず、東洋医学の専門家は患者の体質を評価し、病状を理解するために個別の診断を行います。これは脈診、舌診、症状の詳細な質問などを含むことがあります。

食事療法: 夜尿症患者に対する食事療法は、個別の体質と症状に合わせてカスタマイズされます。特定の食材や調理法、漢方などが推奨され、栄養摂取とエネルギーのバランスを最適化するために使用されることがあります。

ストレス管理と精神的なサポート: 東洋医学は、精神的な健康を重視し、ストレス管理技術、瞑想、呼吸法、および運動などの方法を提供することがあります。これにより、患者の心身のバランスをサポートし、治療へのモチベーションのアップや忍耐力を高めます。

予防と健康の維持: 東洋医学は健康の維持と疾患の予防に焦点を当てます。患者には健康な生活習慣の促進、バランスのとれた食事、適切な運動、ストレス管理などがアドバイスされることがあります。

その他の夜尿症の治療法

鍼灸療法

気や血液の流れを調整: 鍼灸治療では、体内のエネルギーである「気」や血液の流れを調整することが目的とされます。夜尿症の場合、気や血液の滞りが問題となり、これを改善することで心臓機能や全身の調和を取り戻す助けになると考えられます。

陰陽のバランスを整える: 中医学では、陰陽のバランスが重要視されますが夜尿症は陰や陽の不均衡によるものと考えられる場合、鍼灸を通じて陰陽のバランスを調整し、体内の調和を促進することが試みられます。

ストレス軽減と心身のリラックス: 鍼灸治療は、患者に心地よい感覚をもたらすことがあり、これがストレス軽減や心身のリラックスに寄与すると考えられています。夜尿症患者が抱える精神的なストレスや不安に対処するためにも、鍼灸が一定の効果を発揮する可能性があります。

漢方


漢方医学は、中国の伝統的な医学であり、植物、動物、ミネラルなどの自然界の物質を組み合わせて製剤したものを用いてバランスを取る治療法です。夜尿症に対する漢方治療も、患者の体質や症状に基づいて行われます。

補腎: 腎の機能を補強することを目的とする漢方薬が使用されることがあります。これには、排尿の働きを腎が担っていることから、まず腎を強化していくことを考えます。

体液バランスの調整: 腎の機能低下に伴って生じる浮腫や体液の滞留を緩和し、体内の水分バランスを調整するための漢方薬が用いられることがあります。

気血の循環の促進: 漢方医学では気や血の循環が重要視されます。夜尿症が気や血の不足によって引き起こされると考えられ、漢方薬がそれらの不足を補うことで尿のコントロールが改善されると期待されます。

漢方治療では夜尿症の治療関連の文献も出ているようです。

漢方治療が奏功した夜尿症の2症例

夜尿症の発症機序からみた漢方治療

夜尿症に関連する漢方の値段・価格の相場は?

夜尿症に関連する漢方の価格は、およそ1万~5万円/月程度と、値段に幅があります。

なぜ漢方の値段に開きがあるのか?

漢方は、患者さんの体質や病歴、置かれている状況等を考慮して組み合わせるもので、状態によっては漢方の種類が増えるため、どうしても皆同じというわけにはいかず価格に差があります。

予算に合せることもある程度は可能ですが、最初から予算を聞いてきたり、とくに問診もせずに上記のような体質や状況を考えず、一般的な古来の漢方薬を選んで出してくる漢方薬局もあるので、その点は注意した方がよいでしょう。

値段が気になっても、夜尿症に関する漢方を相談する際は、まずはベストな提案をしてもらい、後から予算の調整をしたほうが賢明です。

東洋医学的に夜尿症の治療を始める場合は?


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?