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酒井順子連載「あっち、こっち、どっち?」

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築地本願寺新報に掲載中のエッセイストの酒井順子さんの連載です。気になるふたつの言葉を取り上げて、紹介していきます。
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#僧侶

「かっこいい」「格好いい」「カッコイイ」、どれが好き?

 日本語は、漢字とひらがな、そしてカタカナという三種類の文字を使用して表記する言葉です。…

「満」や「密」な状況がもたらす、濃厚な時間もある

 このゴールデンウィークに、浅草に行く機会がありました。久しぶりに行動制限の無い大型連休…

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「自分は中身が薄い人間だ」と感じても、落ち込まなくていい

 かつて、会社員の友人と悩みを話し合ったことがあります。 「何だか自分が、ペラッペラな人…

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ショートケーキを食べるたびに感じる、深い孤独感

 実は、ショートケーキが苦手です。  絶対に食べられないわけでもないし、アレルギーという…

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人生は努力次第。でも、そう言われる苦しさもある

 京都でタクシーに乗ったところ、降車の時に運転手さんから、 「四つ葉のクローバー号、ご乗…

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世の中には「軽薄な人」がいてもいい

 若い頃の話。毎朝、彼に手作り弁当を届け、誕生日には手編みのセーターをプレゼントするよう…

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トンカツを食べるとき、端っこと真ん中はどっちが好き?

 向田邦子さんの名エッセイ集『父の詫び状』の中に、「海苔巻きの端っこ」という一編があります。子どもの頃から、海苔巻きの端っこが好き。海苔巻きだけでなく、伊達巻やソーセージなども端っこが好きだし、パンならば耳のところがいい。……という記述に、「わかるわかる」と思う方は多いことでしょう。  食べ物の端っこには、健気な味わいがあるものです。たくわんを切りつつ、その尻尾をポイと口に放り込んでしゃぶっていると、堂々と丸い、一番太い部分をパリッと噛む時とは異なる滋味が感じられるのです。

なぜ、私たちは物事を「分類」したがるのか。

異なる二種類以上のものが混在していると、つい分けたくなってしまう性分を持っています。何…

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丸い世界で生きるのは、実は大変なのかもしれない

 四人で食事をする時、丸いテーブルと四角いテーブル、どちらがあなたはしっくり来るでしょう…