藤倉

公立中学校教諭

藤倉

公立中学校教諭

最近の記事

教師の3年間の在り方という、子供たちからの課題

初めての学年主任を、2学年からここまで2年間務めた。 その学年の卒業式が、来週に迫っている。 この卒業期で強く感じていることは、「何を言おうが伝えようが、1週間程度で子どもをコントロールすることなどできない」ということだ。3年間の関わりが、この1週間を決めている。逆に、1週間でうまく言葉にできない思いがあっても、3年間の関わりがそれを補ってくれることもあるのだろう。 2年間(実質3年間)、幾度となく子どもたちに成長や変化を求めてきた自分の関わりが、子どものこの1週間の態

    • 学級開きに要するエネルギーとは

      3月に入り、早くも「学級開きをどうしよう」という若手教諭の声がちらつき始める。 藤倉先生はどうするんですか?と聞かれても、これがなかなか役に立たない。 そもそも、僕のスタンスが「学級開きってそんなに気合い入れるものなんですか?」という程度のもので、お世辞にも気合いは入っているとは言えない(笑) 大体にして、教育というものは日々の積み重ねがものをいうのだ。学級開きでこれをやらなかったから、1年間、取り返しのつかない刑に処されるというものではない。むしろ、逆なのだ。学級開き

      • 理屈に当てはめようとするから言い訳になってしまう

        世を賑わせ続ける「主体的に学習に取り組む態度」の評価について意見を見ると、そのほとんどが概念自体への文句か、「こうすればクレームもこない、説明責任も果たせる」という言い訳的な類のものである。 まぁSNSを見ているだけだから、そんなものかと言えばそうなのだが、これがなかなかどうして、校内研修会レベルでも同じ現象が起こることがある。 しかし、こんな仕事の仕方は正しい姿なのか。正しい正しくない以前に、楽しいものなのか。 もっとシンプルに「どうやったら子どもの学力向上につながる

        • 【道徳】歌詞を道徳の教材とすることの難しさと歪さ

          歌詞道徳は、なかなかできない。少なくとも、今の自分にはできないと思っている。 理由はいくつかある。 まず、指導事項が決まる。その次に、その候補となる歌詞を打ち込んで広げてみる。しかし、手が止まる。「あ、ここのこのフレーズが「キモ」だな」と一瞬は思うものの、他のフレーズとの観念的な整合性が合わないことにすぐ気づいてしまう。「なんか、薄っぺらい思考階層で終わるな…」と、そこで思考が止まってしまうのだ。 また、上記の問題を解決するための教材研究の時間が取れ(取ろうと思わ)ない

        教師の3年間の在り方という、子供たちからの課題

          学級通信

          キセキ (忘れた) 未見の我を発見せよ おかげさまで ポップコーン(学級目標タイトル) DIVE DIVE Reset&Start DIVE 澪標 学級通信も様々なタイトルを変遷します。 学級通信のタイトルを自分で決めていると、昔のタイトルを振り返る際、その時の自分の思いやスタンスが現れていることがわかるものです。 現在は「澪標」(みおつくし)。掛詞。決して身を滅ぼすまで立ち向かうという原義ではないと説明しつつ(笑)、全力を尽くそうという願いを中3にこめている。 直感

          学級通信

          抽象度の高さを捉え直す

          “「犬」や「猫」、「馬」…その共通点は「動物」であることだ。“ この思考過程を「抽象化」という。中学生が国語科で学習する知識である。 この位置関係から考えると「動物」が上位語であり抽象概念である。逆に「犬」は動物の具体と捉えていることがわかる。 しかし、「犬」は本当に具体と言えるのだろうか。当たり前のことだが、犬にもたくさんの種類がある。柴犬もいれば、シェルティドッグもいる。これらの細かい犬種から見ると、「犬」が抽象概念であることがわかる。 つまり、「具体と抽象」は、相

          抽象度の高さを捉え直す

          【道徳】「ねらい」を常に相対化して捉える

          道徳授業を作る際に、他教師に事前にインタビューした内容を教材として扱う人がままいる。「生命の尊さ」をねらいとする授業なら、「先生たちにとって「我が子が生まれた瞬間」ってどんな感じでしたか?今度の道徳の授業で生徒に示そうと思うんですよね、差し支えなければ教えてください」といったことである。 生徒が「お、自分たちの知らない、学校の外での先生たちの話だ」となり、生徒を「のせる」ための仕掛けとして機能させたいのだろう。 その意図はわかるが、これがなかなかどうして、授業として最後ま

          【道徳】「ねらい」を常に相対化して捉える

          札幌市公立学校教諭です

          教育関係のブログを、ジャンル別に分けて記録していきます。 見ていただいた皆さんに何か届くものがあれば幸いです。

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