GWに行きたい美術展3選【東京都内】
いよいよ街が人で溢れかえるでおなじみGWがやってきます。
観光スポットは混むしやだな~なんてお考えのあなたにお勧めの美術展示を3つセレクトしてまいりました。
どれも期待度が高いものになっていますので、参考にしてくれるとハピ。
【わからないに浸る】デ・キリコ展 ー 東京都美術館
10年ぶりの大回顧展。
形而上絵画というジャンルを確立し、ダダイズムやシュルレアリスムなどのちの大きな潮流に影響を与えた人物です。
美術に疎い私からすると、ただひたすら「わからん」を摂取するための場だと思っています。
ただこういったジャンルの絵画は「わかろうとアレコレ思慮すること」と「それを作者に嘲笑されている感覚」の狭間におちいることが大切なのかなと考えているので。
ましてや形而上学という「存在とはなにか」「宇宙の根源的な原理とはなにか」を絵画に落とし込んでいると評されているのですから。
地に足ついた私のような民には理解できないし、理解したところでSAN値が削られるのでしょう。
たのしみです。
【例の絵】MUCA展 ICONS of Urban Art ~バンクシーからカウズまで~ ー 森アーツセンターギャラリー
一言で表すなら「バンクシーのシュレッダー事件の絵が観られる」。
これだけで行く価値があると思いませんか?私はそう思う。
ドイツ・ミュンヘンにあるMUKAという美術館から作品が来日し、日本全国を巡回する展示です。
社会問題に対して批判や嘲笑をこめた作品たちが並ぶ、非常にメッセージ性の高い作品が見られます。
コンテクストを理解しないとうまく咀嚼できないものもありそうですが、間違いなく大きなエネルギーに満ちていると。
個人的には資本主義を批判したりバカにした作品が、資本主義的な構造の中に取り込まれて、こうしてみんなお金払って見に行くようになるというシニカルな関係性を味わうつもり。
【凄まじいエネルギー】遠距離現在 Universal / Remote ー 国立新美術館
これは”行ってほしい”展示。
私個人としては、ここ最近で一番得たものが多いもので、もっとも疲れた展示でもありました。
パンデミックにより産業構造や消費行動、行動様式に大きな変化があった昨今。
社会そのものが世界規模で変化していく中で生じたゆがみ、格差、資本や情報の本当の姿について問うのが本展示。
中国で、国内のいたるところに設置された監視カメラの映像を繋ぎ合わせ、男女の物語に編集してしまった徐冰の《とんぼの眼》。
BALENCIAGAとBELANCIEGEの対比による、資本構造や消費活動、格差に対するメッセージを訴えるヒト・シュタイエルの《ミッション完了:ベランシージ》。
社会保障が充実した社会で起こる孤独死、社会に依存したがために誰も頼ることなく部屋で死んでいった人々の痕跡を追うティナ・エングホフの〈心当たりあるご親族へ〉。
特にエングホフの作品は、ある程度写真展示を観てきた私の中で一・二を争うほどインパクトがありました。
写真のジャーナリズム性、切り取るという情報のそぎ落としから生まれる余白、史実を作品に昇華してしまう残酷さ。
写真だからこそできること、そこに込められたメッセージは、私の中に大きな爪痕を残しました。
同じ館内でマティス展もやっているので、ご興味ある方は一緒に観るのもおすすめ。
おわりに
前回記事がだいぶネガティブに振り切っちゃって、書いた私自身におおきくダメージを与えちゃったもので。
公開したものの後悔。
反動として楽しさをシェアできる軽めの記事に。
ゴールデンウイークはどこも混雑しますが、美術館なら時間を選べば比較的空いてるところもあります。
天候に左右されず楽しめますので、ぜひ足を運んでみては?
私の記事見て行ったよ~なんて記事が出てきたら最高に喜びます👍
それでは!
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