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いい写真って、物語。|noteで好きな写真を語ろう

私も自分の顔が嫌いで
自分を少しでも変えたいという気持ちがあって
あさぎさんにお願いしました

この一葉を語るには、たぶん十数年もさかのぼって話す必要があります。
いうなれば人生そのものであり
同時に1/1000秒という一瞬でもあるのです。


すごく好きな写真が撮れたけど、普段の役者ポートレートとして掲載できないなと思ってた矢先。
こんな企画を見つけたので滑り込みで参加です。


私とYumiさんの共通点

自分の顔が嫌い、自分の姿かたちが嫌い、自分が嫌い。
私が写真という武器を身に着ける源流です。
カメラを持っていれば写ることはないから。
策を講じているようで、反面逃げでもあるのです。

この記事に共感を示してくださる方がいました。
Yumiさん
とあるSNSで知り合った写真仲間です。

前回記事『「可愛いだけで終わらせない」ポートレートの撮り方で、大切な友達を撮ってきた』で撮影へのコンセプトを語りました。
同じことを話しても仕方ないので、ここでは撮影に至るまでの私とYumiさんの共通点「自分の顔が嫌い」について。
ここからは写真を交えながらいきましょう。

いっしょに”自分の顔が嫌い”へ立ち向かうこと

フレアをまとったときの柔らかさ

自分自身のことを自分でどう評価するかは、遺伝的性質のほか、環境によっても変化します。
親からの教育、同級生や上級生下級生との関り、教師との相性。
「顔が嫌い」という鎖が出来上がるからには、何かしら要因となる出来事や人物が存在しているものです。

彼女から詳しい話は聞いていませんが、周囲となじめなかった経験があるそう。
かくいう私も同じ、容姿であったり言動でぞんざいに扱われた人間のひとりです。

この悩みを抱えている人には程度があり、醜形障害と診断されるほどになると鏡すら見られなくなるとか。
私はまだ軽度で鏡は見られるのですが、写真写りがその場でありとあらゆる自分の写真データを破壊しつくしたくなる程度の状態です。
そう、自分の写真が免許証くらいしかない。

Yumiさんから撮ってほしいとご依頼があったとき、逆に私からも「撮ってもらいたい」とお願いをしていました。
技術や人柄を信頼してのことですし、なにより一人だけ挑戦の舞台に立つのではなく、せっかくなら一緒にバンジージャンプしようじゃないかと。

なにごともビジョンファーストな私の挑戦。
いざ撮影です。

その写真は、新たな一歩への後押し

フェルメールの窓明かり
真剣さがすごく好き

私の思い描いた、私の好きな写真が撮れました。
私の技術に信頼を置いてくれて、任せてくれているからこその写真です。

私から見たその姿は、自信をもって「たくさんの人に見てほしい」と思えるもので、容姿にコンプレックスを抱える人のそれとは微塵も見えませんでした。
これは想像ですが、彼女の覚悟が、努力が、そうさせたのです。

じつはこの撮影には、もう一つ目的がありました。
Yumiさんの中でこの半年色々起きており、なかでも写真について払しょくしたい気持ちがある、と。
それを上書きするために、新たな一歩の背中を押すために、私が撮った写真で心機一転する。
SNSのアイコンを私の写真で塗り替える、それほどの写真を撮る、という目的です。

めでたく、こちらの写真をInstagramのアイコンにしてもらいました。
万事解決とはいかないけど、思いを断ち切る助けになれたらいいなの願い。

アイコンってその人を端的に表すもの
選んでもらえるってすごくうれしいんです

私の好きな一葉

この日の写真はどれも好きなので選ぶのも心苦しいのですが。
一葉選ぶならこれ。

楽しんでいる時の自然な笑顔。
普段のポートレートでは撮れないですし、何よりこのやわらかい笑顔が私個人として好き。
人当たりが柔らかくて、多くの人を引き付ける魅力を持つYumiさんの人柄が表れてると思っています。

オーダーにあったポートレートとはちょっと違ってるかもしれない。
でも人を撮る一番の楽しさであり、生成AIで代替できない部分は「偶然性」にあると思うのです。
すべてが完璧でない、でもその揺らぎに面白さがあるから撮っている。
そういった意味でもっともポートレートらしい一葉。

ここは語る記事なのでもっと語らせてもらうと。
好きなことをしているとき、写真を撮っている瞬間って自分がどうこうって考えていないんです。
すごく純粋で、無防備だけど、そこに出る魅力がいい。
それがこの一葉の理由であり、物語。

私も普段はグイグイいくタイプではないものの、すごい体勢で撮影してたり、相手にたくさん話しかけたり、そういった別の自分になれるし。
ちなみにYumiさんに撮ってもらった私の写真も「カメラもっている時のあさぎさん、すごきいきいきとした顔されてました」。
ここでは見せられないけど…ちょっと自分のこと認められました。

写真って、物語。

もう一葉、もう一葉だけ語らせてほしい。

私の写真を昔から見てくださってる方なら見覚えのある場所「青い交差点」
ここでどうしても撮りたくて連行しました。
歩いて行ける場所なので問題ないですよ。

ここは私のコンセプトであり、テーゼであり、イデオロギーを作り上げた場所。
不思議なことに、どなたを撮っても「誰に向けたわけでもない視線、誰の視点でもない構図」にしてくれます。
鑑賞者不在の写真、究極的に「被写体本人のためのポートレート」にしてくれる舞台。

人生で初めてのポートレート撮影を私に託してくれた。
嫌なことに区切りをつけるため、覚悟をもって来てくれた。
私のアンサーはこの物語をぶつけること。

信じたくはないけど、もう会うことができないだろう人との思い出の場所。
ある意味で呪いであり、ある意味で宝物。
私の始まりの場所だからこそ、私にとっても、Yumiさんにとってもスタートを切るための舞台として、ここ以外を選ぶことはできませんでした。

観る人が観たらなんてことない写真かもしれない。
伝えようにも長々としすぎて伝わらない。
でもこの思いというのは、何かしら写真に反映されていると信じてる。
写真って、物語ですから。

もっと見てほしい

好きな一葉で最後までこれと迷ってました
横顔が好き
ロケ地の明るさも相まって優しさがあふれてる
これもアイコン候補
私の好きな色をのせて

YumiさんのInstagramにも、私のInstagramにも写真を掲載していますのでご覧ください。

語れる写真はいい写真

2年前から考えがブレないのは私の良いところであり、バリエーションのなさを露呈しているとも言える。
とにかく裏側に伝えたいことがたくさんある写真を目指しているので、いまの方向性はいいもんだと思ってます。

もしかしたらYumiさんからもアンサーの記事が出るかも。
写った側としてどう思ったのか聞いてみたいですね。
ワクワク。

遅ればせながら、主催のKenさんに感謝申し上げます。
おかげ様で熱量を発散できました。
読んでくれた方に響いたらいいな。

それでは。

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私のnoteまとめ

こちらでも写真で語っています


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