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Curve 壮大な世界感を表現する光を放つバンド

Curveの存在を初めて知ったのは、自分が数々のバンドのドラマーであり、ungulatesレーベルオーナーのコウさんに出会ったのがきっかけ。ある日のコウさんのツイートで「今日はCurveで叩きます」というのを見かけて、Curveってどんなバンドなんだろうと興味を持ったのが始まり。

SpotifyでCurveを検索したら、till the endというアルバムが入っていたので聴いてみた。その時はざっと流して聴いただけなので、感想としては壮大な音楽をやっているポストロックという印象だった。勿論良い音楽だなと思ったけど聴き込む程ではなかった。

それから数ヶ月経った今年8月にungulatesからtill the end 10th anniversaryのリマスター音源がリリースされるというアナウンスが発表された。最初コウさんのungulatesからCurveがリリースされるの⁈と思い驚いた。その時ああ、コウさんがドラムでCurveに加入してドラム叩いてる流れからそうなったのかなって気づいた。

その情報が解禁されてからTwitter上では昔からのCurveファンやレコード店からは「あの大名盤のtill the endのリマスターが出る!」とTLはそのリリースを喜び期待する言葉が次々に溢れ出した。その時に以前サブスクで聴いたtill the endってそんな歴史的大名盤だったのかと気づいた。そのあと少し調べてみてオリジナルのtill the endフィジカル音源は廃盤になっていて中古市場でも高騰している事実にも気づいた。

そんな歴史的大名盤と知り、これは真剣にじっくりと聴かなきゃいけない作品なんだなと我に帰ったけど、サブスクで聴けるオリジナルはその時は、聴かずリマスターがリリースされてからじっくり真剣に聴こうって思った。

そして8/26にungulatesのリマスターtill the endが先に配信リリースされてすぐに聴き始めた。一曲目dawn promisedのアルペジオの静の世界からYuseiさんの透き通った綺麗な歌声が入ったとたんにまるで讃美歌の様でなんて美しいんだって思った。そこから轟音が鳴り響き荘厳な音の塊が耳と脳内に飛び込んできて圧倒された。そこから自然な流れでwindow chilrenへと続く。轟音ではあるけどその音楽の壮大さと美しい世界感とYuseiさんの澄んだ美しい歌声が重なったCurveという音楽を聴きながら、これは今自分はとんでもない作品を聴いているぞと興奮が収まらなかった。この2曲を聴き終えた時点で既にミニアルバムを聴いたかの様な充足感を得た。

もちろんそれで終わる事なくCurveの壮大で美しい素晴らしい楽曲が続き、今回新曲として新たに追加録音されたceller doorを聴き終えた時は、ひとつの物語の映画を見終わったような感覚になった。このリリース翌日がつくばパークダイナーでのリリース後初のライヴだったから何度も聴きこんだ。そうしてようやく理解した。これは皆んなが口を揃えて言うように歴史的大名盤だと。

そして翌日につくばエクスプレスに乗ってつくばパークダイナーまで行った。Curveを観にいくために。つくばパークダイナーの存在は知ってたけど移転前の店舗は行った事がなくて、新店舗はなんとショッピングセンターの地下にあるという変わった立地条件のライヴハウスだった。でもライヴハウスの中に入れば綺麗な音の良いライヴハウスだった。

つくばパークダイナー

この日つくばのライヴには絶対行こうと前からチケット予約していたんだけど、ライヴ前に10月に正式にリリースされるフィジカル音源に先行して数量限定でungulatesからtour editionをつくばと翌日のONAFESで販売されると前日に発表があり、これは絶対に買いたい!と思ってたからライヴとカセット入手のダブルの楽しみが増えた。

パークダイナーでのCurveの物販。限定カセットは通常版と色違いで3色選べた。過去音源もあった。
till the end 10th anniversary editionカセットテープ

自分は迷ったけどブルーを選択した。ちなみにこの限定カセットは翌日のONAFESで完売した。手に入れられた人は凄くラッキー。本数少なくて貴重だから。自分も大切にしてる。併せて聴いたことがないhundred miles,Satelites,Song of a sonのCDも購入した。

つくばの物販で購入した音源

つくばパークダイナーでのライヴは勿論till the endの楽曲からのセットリストだった。アルバム通りDawn promised〜windows childrenで始まって、これをライヴで生で聴けてCurveの音源の世界を完璧に表現し、かつライヴならではのダイナミックさも加わって、Curveの世界に完全に引き込まれてもうただただ凄いと感動しきりだった。この音の迫力と音圧をスリーピースで鳴らしてるのが信じられない程だった。

その時のライヴ映像がこちら。リマスター盤に追加された新曲のcellar door.

このライヴの時にコウさんにtill the endの正式リリース時にバンドル出しますか?って聞いたら出したいねって言ってくれたのでその際に出来れば前にジャケ画、後ろにungulatesのロゴ入れて欲しいって頼んだらそれいいね!って言ってくれてバンドル正式リリース時には本当にその通りのデザインで創ってくれて感激。今もお気に入りの一枚。

CurveバンドルTee

till the end 10th anniversary editionは限定カセット、通常カセット、そしてCDと全部コンプリートした。カセットとCDのジャケットデザイン、歌詞カードのデザインは異なっていて、そこもフィジカルの良さ。CDとカセットでの音の質感の違いを楽しめるのも良い。アライヨウコさんのデザインはCurveの世界感を表していてとても素敵だ。Curveは音楽自体ももう芸術作品と言っていい程だからもし気に入ったら是非フィジカルを入手して欲しいって思う。

till the endのCDとカセット

つくばで買ったhundreds miles ep,satelites,Song of a sonも勿論素晴らしい。Curveの世界観は一貫してるなってとてもよく分かる。Song of a sonは20分もある大曲で大曲は得手して名曲が多いけどCurveも例外にもれずドラマティックな名曲である。一度ライヴで聴けたらいいなって思う。

自分はあるバンドを好きになると過去曲も聴きたくなる人で、Curveは2003年に始まったバンドだけど初期はGu&VoとDrのなんと2人編成で活動してたらしい、この頃の音源聴きたいなって色々探してたらBandcampでダウンロード購入できるのを知って即購入した。

初期作品

この2枚聴いて凄く驚いた。もう初期から楽曲の質がもの凄く高くて良曲ばかり。Curveの美しく儚い世界観はもうこの時点で確立されていた事実に驚いた。そしてYuseiさんはこの頃から今も変わらず美しい歌声の持ち主なんだなって分かった。今ではこの2枚も凄く好きなアルバムになった。これをツーピースでやってたなんてとても信じられない完成度だ。Barricadeの中にBroken beautiful productというとても好きな曲があるんだけど、今月のナインスパイスで旧い曲も久々やりますって言ってて、ライヴ行ったらなんとこの曲やってくれて凄く嬉しかったよ。

最近Curveのライヴ行くと天と地がつながる様な、そしてそのまま宇宙まで繋がってまるで宇宙に包まれてる様な不思議な心地よさと優しさを感じて心が揺さぶられて涙腺がゆるむようにもなってきた。

Curveの歌詞は内省的で痛みや苦しみや葛藤を綴っていて勿論そういう部分も感じるけど、その中でもがいた末に放たれた光を自分はいつも感じる。だから聴くととても心が沈静するし浄化される。自分にはセラピー的な音楽なのかもしれない。

ドラムのコウさんは10代の頃からCurveが大好きだったらしくて、今やそのCurveのドラマーになって、自身のungulatesレーベルからCurveの音源をリリースできたなんて本当夢物語みたいだけどとても素敵なエピソードだよね。コウさんはどのバンドでも全霊でドラム叩いて素晴らしいけど、Curveはそれに自身がCurveが好きな思い入れが重なって時に口ずさみながら、笑顔を浮かべながら曲を慈しみながら叩く姿にも凄くグッとくるんだよね。

コウさん

いのけんさんはCurveでベースだけどドラムも叩けてサウンドエンジニアだから、音楽職人ってイメージ。でもただのバンドマンじゃなくて人としてとてもバランスの取れた人だなってツイートとか見てて良く感じる。

いのけんさん

Yuseiさんはいつも沈着冷静な温和な方で、ライヴ行くと2人編成時代の話とか、自分はギター好きだからギターの事話してくれてとても穏やかで良い方だなって毎回思う。TwitterでCurveのこと呟くと毎回リツイやイイねしてくれて有難いなって思ってる。

ナインスパイスでのライヴの時にover the hillのエピソードをMCで話してくれて、オリジナルのtill the endは2012年リリースされて、その前年の3.11を得て色々内省して歌詞も変化したものもあるらしい。このover the hillは生きていればまた会える。丘の上で会いましょうということがテーマになっているらしい。自分も東日本大震災は実際に色々な被災地に行って観て、話して、感じたこと沢山あるからこの曲は自分にとっても特別な曲になった。

Yuseiさん

Curveのバイオ見ると影響を受けたアーティストにNIRVANA , Jeff Buckley ,MOGWAI , Idlewild , Queen , Seven years in Tibetの名前が上がってたけど、個人的にはこれらの音楽の影響は直接的にCurveの楽曲には感じられない。音楽そのものではなく内包するものなのかなとも思う。今エモリバイバルとも言われてるけど、エモともオルタナとも違う独自の音楽性だと思う。

Curveの音楽性や世界感はこれからも大きく変わらないと思うから、いつになるかは分からないけど、これから先に出てくる新曲も楽しみである。

CurveのDawn promised〜window childrenの動画を貼っておくので、これ観て昔Curveライヴ行ってたけど、久々に観てみようかな、till the endリマスター凄く良かったからライヴ観てみようかなって思うひとがいてくれたら嬉しい。



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