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vol.079「誰にでも特技はある:飲み会の支払いは『投資対効果』。多めに払わないなら行くな。割り勘の話・後編。」

誰にでも、特技、取り柄はあるもの。

「マイルールを勝手につくって宣言する。あくまで結果的に、メンバーから一定の評価を受けたり、チームの雰囲気が向上する」
はそのひとつです。

取り柄というと大げさで、「大多数の人が、取り組みテーマと考えないことに焦点をあて、言語化してみる習慣」が正確な表現かもしれません。

先日の続きで、割り勘の話・後編です。

◆飲み会の支払いは「投資対効果」。想像力を駆使しよう。

『管理職の心得〇〇』『できる課長の△△』といった本を読むと、同じようなことを指摘しています。

「管理職が自分で思っているほど、部下には伝わっていない」
「面談では、2:8で相手が話しているくらいでちょうどいい」
「自分は管理職として平均より上だと、7割の管理職が考えてる」

いろいろ書かれているなかで、共通している1つに
『飲み会は、ワリカンにするな』
があします。

(1) お会計が上司が必ず多めに支払いなさい
もしくは
(2) 部下には払わせずあなたがおごりなさい
というものです。 

後者(2)はなかなか大変です。
オーナー経営者だと実践できそうだけど、普通の会社の中間管理職、特にお小遣い制だと難しいでしょう。
私自身は基本的には(1)、「かならず多めに出す」派で、シチュエーションによってたまに(2)にするぐらいです。(※1対1でのお祝い等)

この「多めに出す」支払いは、何パターンか考えられます。

① 1人あたりお会計から百円の位を切り上げ、千円単位で払う。【お釣りを受け取らない】
② 会計役の場合、自分以外(部下・後輩)がきりのいい〇千円ずつ、になるよう計算して、残り=端数の積み上げ分を持つ。
③ お酒を飲めないメンバー、遅れたメンバーを少なめにし、残りから自分が多めに出す。計算は②に準じる。【③はワリカンでもやる】
④ 全額の半分を出す。【わかりやすい】
⑤ 5千円札、1万円札、などお札単位できりよく出す。残りをメンバーで割ってもらう。
⑥ 幹事の方針に素直に従う。「管理職は〇円」「ゲストは◆円」「完全ワリカンで」等など。【幹事が年上の先輩の場合など】

ここで重要なのは「投資対効果」=相場感です。

(例)ふつうの居酒屋→「千円でいいよ」。少人数なら奢る。
(例)喫茶店など軽い場→「ここは払うよ」
(例)奮発して高級焼き肉→「1人いくら。残りは持つ」

等など、多めに出すお金(絶対値)が、効果を発揮すようにします。
あえて露骨にいうと、「喜ばれる使い方」をする。

そのためには、想像力を駆使することです。

(例)まだお金をあまり持たない新入社員や学生さんが、おごってもらったら嫌な気分にはならないだろう
(例)自分では行けないお店で、ふだんの相場の会費で美味しく食べるのはプラスに感じるのではないか
(例)世代・年齢によって、上司に意味のわからない(高額すぎる)おごられ方をすると、「はぁ?」と違和感が残るかもしれない

どうしたら相手も気持ちよく、「感謝してもらえそうか」を考えて、損益分岐点(利益が最大化するゾーン)を探す感覚です。

※ちなみに、当時行きつけの美容師さんとこの話をしたら、「先輩が誘っておいてオゴらないとか逆にあるんですか?」と言われました。そういう感覚があたりまえなんだと思います。サラリーマン巨大組織の中にいると、わからなくなるものです。

◆ワリカンするぐらいなら行くな。誘うな。

「ワリカン」はやめておきましょう。メリットがない。

上司(管理職)側にとって、飲みの場とは、酒や食事を味わう場ではありません。栄養を取る場でもない。もちろん、自分が説教をぶって、いい気分になる場でもない。
もし行くことになったとして、それは、部下なり後輩なりとの「人間関係をなんらかのプラス作用にさせるための時間」です。

程度の差はあれ、基本的に上司との飲みは「面倒くさいもの」です。

「いや、そうは思わない。うちのチームはそんなことない」と思ってるなら、部下の皆さんが気を遣って、気づかせないように振る舞ってくれてるからです。貴方の部下は、ものすごく聡く賢く、高度に空気を読み、無言の連携で上司を立ててくれる、優秀な人たちです。
そして、自分も若いころはそうだったはずなのに、すっかり忘れているからです。

逆にいうと、もし上司が「毎回完全ワリカン」したら、それは、
わざわざお金を使って、「器の小さい上司」という評判を買う行為
です。「時間を取られて、面白くない話を聴かされて、ワリカンかよ」と思われています。

A. 3,300円(完全ワリカン)を10回払って「せこい上司」という評価を10回獲得する。
B. 1万円(奢るまたは多く出す)を3回払って、「とりあえずケチではないな」という評価を3回獲得する。

どちらも「3万円の自腹」という点ではまったく変わりません。しかし投資対効果の観点から、「どちらがベターか」は明らかですよね。

◆貴方が「魅力ある上司」なら、向こうから誘ってくるものだ。

お小遣い制などの事情で多めに出すのが困難なら、行く回数を減らしましょう。減ったところで、あるいは 無くなったところで、相手は何とも思ってないことが多い。「魅力ある上司」には、何もせずとも向こうからお誘いがかかります
「自分が誘わないと職場のコミュニケーションの活性化が」と心配しなくても大丈夫。メンバーどうしでは上司のいないところで行っているものです。

私自身は他人に厳しく、アルコールが入ると気が大きくなり、「過去の自慢話」や「ドラクエ例え話」をしたがる。『面倒な先輩』だと自分でわかっています。だから、必ず多め負担を提案するようにしています。いわば迷惑料をあらかじめ申し出るわけです。

その前衛として「自分からは誘わない。誘ってもらったら喜んで参加する」マイルール を制定しています。

なお、経験上、「多めに気前よく出す」で投資対効果が一番高いのは「焼き肉」です。「身近な非日常」の象徴で、お会計が定額コースでなく、高くなりやすいからだと思います。
逆にたとえば、日常の買い物を上司や先輩がとつぜん「奢ってあげるよ」と支払ったら、微妙な感じ(一種の気味わるさ)がすると想像しています。


前回・今回の記事は、師のひとりと「得るもののない飲み会に行くか断るか(つるむかつるまないか)」という会話になったところから、過去のストックメモをもとに再整理してみたものです。

最後までお読みくださりありがとうございます。



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