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刺繍少女図鑑①『迷子の黒猫』

コンプレックスを創作の力に

刺繍少女を作り始めたのは2013年ごろです。
当時は大学卒業後で就職で失敗し、周りから取り残されたような、自分が欠陥人間のような気持ちで生活していました。

創作を始めたのは、【マイナスなエネルギー】からでした。
何も持っていない自分。
コンプレックスの塊。
怒り、悲しみ、恥ずかしさ、虚しさ……。

はじめは絵を描きました。クレヨンで画用紙をぐっちゃぐちゃに塗りつぶしました。青黒い色だったと思います。

つぎに、丸を描きました。三角で耳を描きました。ぽっかり空いた二つの目を描きました。
笑っているのか、泣いているのか、よくわからない口を描きました。


できたのは、黒い猫のような少女でした。
私には、とても心細い寂しい表情に見えました。
仕事も学校もないので、時間がたくさんありました。
家にあった布に適当な糸でこの少女を刺繍することにしました。

3㎝×3㎝ほどのブローチにしました。

『迷子の黒猫』


と名前をつけました。

どこか欠けている私を絞り出して作っていました。
きっと自分なりの表現方法だったのだと思います。

今はその痛みから少しずつ回復して、
同じ気持ちで作ることはもうできません。

あの頃の苦しみからしか生まれなかったものなのだと今になって知りました。

あの頃の痛みに少しだけ、触れてみようと思います。

刺繍少女図鑑シリーズとして、何回かアップします。よろしくお願いします。

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