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鳳来寺に関する本

鳳来寺について知りたい人にお勧めなのが、江戸時代の大ベストセラー
・秋里籬島『東海道名所図会』(1797年)
です。約3500文字で、上手くまとめられています。似た本に、
・夏目可敬『参河国名所図絵』(1862年)
があり、こちらもお勧めですが、約1万文字と、長いです。『参河国名所図絵』に何度も引用されているのが、
・太田白雪『反古探し』(1708年)
です。愛知県新城市在住の太田白雪は、松尾芭蕉の門人で、松尾芭蕉を鳳来寺に連れて行った人として知られていますが、郷土史家でもあり、
・太田白雪『鳳来寺聞書』(1706年)
という本もあります。

 鳳来寺の古文書は焼失した(残存資料としては、成立不明、1574年写本の『三河国一宮砥鹿大菩薩御縁起』など)とされていますが、慶安4年(1651年)の鳳来寺山東照宮の創建に伴う調査に伴い、鳳来寺山の縁起を長乳が3日2晩でまとめたのが、
・鳳来寺岩本坊長乳『鳳来寺興記』(1648年)
です。以後の縁起は、この『鳳来寺興記』をネタ本とし、尾ひれを付けて書かれました。この意味で『鳳来寺興記』は研究者の必読書となっています。
 太田白雪『鳳来寺聞書』は、『鳳来寺興記』に自分が聞いた話を書き加えた本で、太田白雪『反古探し』は、『鳳来寺聞書』の改訂版になります。
 複数ある縁起書の中で、ベストセラーは、
・鳳来寺松高院善慧尋得『三河国鳳来寺略縁起』(1763年)
で、「鳳来寺の縁起に曰く」とあったら、この本を指す事が多いようです。

 鳳来寺には見るべき場所が100ヶ所くらいあり、全部回るにはガイドさんが必要です。最近、若い女性を狙う偽ガイドが出没しているそうです。彼らの目的は、若い女性と手をつないで歩くことや、一緒に写真を撮ることであり、逮捕されても県条例違反で、初犯なら罰金刑でしょう。
 普通の登山客は、観光マップに載っている場所へ行くだけなので、ガイドさんは不要です。無料の観光マップで十分ですが、
・鳳来寺山開山千三百年祭実行委員会『鳳来寺山案内』(2003年)
を500円(鳳来町教育委員会『鳳来町誌』「鳳来寺山編」(2005年)¥3000の1/6の価格)で購入すれば、鳳来寺山についての理解が深まります。
(鳳来寺山に行ったら、まずは「鳳来寺山歴史文化考証館 観来館(みにこんかん)」へ行って鳳来寺山についての理解を深めるのが宜しいかと。←余計なお世話)
https://www.city.shinshiro.lg.jp/mokuteki/shisetu/shiryokan/minikonkan/minikonkan.html
詳細な地図には、
・清田治『煙巌山勝岳寺鳳来寺名所図会』(1960年)
の地図がありますが、田口線が載っている古い本なので、修正して、
・『はるなつあきふゆ叢書6 神秘主義的鳳来寺山』(2003年)
に掲載され、現状と比較して、
・新城市教育委員会『鳳来寺の今昔(鳳来寺山名所図絵)』(2017年)
に取り上げられています。

以上、私のお勧めでした!

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・鳳来寺岩本坊長乳『鳳来寺興記』(1648年)
・太田白雪『鳳来寺聞書』(1706年)
・太田白雪『反古探し』(1708年)
・鳳来寺松高院善慧尋得『三河国鳳来寺略縁起』(1763年)
・秋里籬島『東海道名所図会』(1797年)
・夏目可敬『参河国名所図絵』(1862年)
★丸山彭『鳳来寺山の歴史 寺と戦国武将』(1983年)¥1240
☆鳳来寺山開山千三百年祭実行委員会『鳳来寺山案内』(2003年)¥500
☆鳳来町教育委員会『鳳来町誌』「鳳来寺山編」(2005年)¥3000
★新城市教育委員会『鳳来寺の今昔』(2017年)¥1800

★は長篠城址史跡保存館、☆は鳳来寺山自然科学博物館で販売中!

■リンク集

・砥鹿神社の縁起書
https://note.com/sz2020/n/n3baa0a14c010
・現代語訳『三河国一宮砥鹿大菩薩御縁起』 (成立不明。1574年写本)
https://note.com/sz2020/n/n3e9306923966
・鳳来寺岩本坊長乳『鳳来寺興記』(1648年)
https://note.com/sz2020/n/nc61dfa266dbf
・束鮒巷轍士『誹諧白眼』(1692年)
https://note.com/sz2020/n/nd1dda0488bcf
・太田白雪『鳳来寺聞書』(1706年)
https://note.com/sz2020/n/n0d9fcd8a2436
・太田白雪『反古探し』(1708年)
https://note.com/sz2020/n/n841bec9ac148
・鳳来寺松高院善慧尋得『三河国鳳来寺略縁起』(1763年)
https://note.com/sz2020/n/n9d1bb8394ac9
・超海『瑞応塵露集』(1733年) と善慧『掃塵夜話』 (1763年)
https://note.com/sz2020/n/na64b01de6419
・『勅養寺縁起』(1777年)
https://note.com/sz2020/n/n881b51e716cd
・秋里籬島『東海道名所図会』(1797年)
https://note.com/sz2020/n/n9577d262c185
・夏目可敬『参河国名所図絵』(1862年)
https://note.com/sz2020/n/n8aca221f093c
・豊田珍彦『東三河道中記』 (1935年)
https://note.com/sz2020/n/nc2771ae45f4f

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