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トレッキー度合い:ワープ6で加速
先日、『スター・トレック』のコミュニケーターのオモチャを見つけたことを書いたが、なんとポスターとネクタイも購入した。
ポスターから先に話そう。デザインは周期表となっており、作中の場面写真と簡単な解説も載っている。元素について直接的に学ぶ要素は乏しいものの、僕にとっては科学と空想の融合の一品として大切に飾ることにした。まさにSFを体現するモノとして。
僕は昔から元素に興味があった。
ただし、僕は言うなれば文系の人間。理科の成績は平均程度。科学者の伝記やSFは好んでいた上に、今でも最大の目標はホームズであるなど、科学や論理への憧れは常に抱き続けている。
だからこそ、僕が元素という学生の間は主に暗記の分野である単元に惹かれたのも無理はない。
世界は必ずこのどれかによって構成されている。
なるほど、化学の前身が錬金術であったのもうなづける。
ある日を境に小学生の僕は、理科室に貼ってあった周期表をメモ帳に1ページずつ書き写し、自分だけの元素図鑑をつくりだした。もちろん、休み時間とは言え、理科室にふらふらと入り浸るのは良しとされない。
その時分は校庭でサッカーをしたりすることもままあったので、進捗はそう早くはない。時折タイミングがあえば、誰も誘わずに理科室へ趣き、せっせと情報を書き写すという孤独な作業。
今では元素図鑑など多くの書店に様々なバリエーションで発売されている。もしかすると図書館にもあったかもしれない。
だが、その時から僕には所有欲やコレクション欲というものがあったのではないだろうか。借り物ではなく、自分だけのモノを欲したに違いない。あるいは苦学を強いられた科学者の幼少のエピソードに影響を受けたのだろうか。
実を言うと、僕は合計二冊ほど作った。でも、いずれも今は残っていない。何なら知識すらも怪しい。だからといって、幼き日の行為を決して無駄であったとは感じていない。あれは必要なことだったのだ。強がりでも慈悲でもなく確信。
さて、ネクタイの方だが、比較的フォーマルな色彩なので、普段から使用することにした。
これを付けていれば、スター・トレック好きであることは公言しているも同然。痛シャツなどと効能は同じ。
ちなみに、昨今では世界的に「ギーク・シック」というワードがファッション業界でも着目されているらしい。
ギークとは日本でいうところのオタクという意味。シックは洗練されたという意であるのはご存知だろう。
ポロシャツなどといったシックな装いをしつつ、外しとしてダサさをひとつ取り入れる(眼鏡やシャツ等の柄・色など)のが、ギーク・シックとか。まさしく“ただしイケメンに限る”の世界だ。
僕はギークという概念には比較的好意的だ。それは僕がオタクだからではない。むしろ、今のオタク像に僕自身の自認の上では、乖離すらある。推し活系オタクと距離をとっているからだ。
僕は消費だけに身を委ねたくはない。僕の場合は文筆によって他者への還元や昇華を重視している。
これは奇しくも『冴えない彼女の育てかた』において消費オタクと創作オタクとの二分化が描かれていたりと近年、にわかに浮き彫りとなっている。その意味で、自作(PC)や改造などを好むギークには尊敬すら抱く。
さて、オタクがファッション化して久しい今日、そのギークすらも文字通り、海外社会のヒエラルキー底辺から、ひとつのスタイルとして需要が生じているらしい。
スター・トレックのファンをトレッキーと呼ぶのは、当初は揶揄の意味が強く、当人は好んでいなかったとされているが、オタクがひとつのアイデンティティとして有用な現在では、その風潮も廃れたのではないだろうか。
そんな大量消費のご時世に、創作やエッセイ執筆を通して抗おうとしてはいるものの、結局は僕はステレオタイプな在り方をTVなどを通して見て育ってきたわけで、ポスターやグッズに囲まれ、オタクファッションに身を包み、社会のいずこかに名も無きオタクとして埋没していく。
発信しているにも関わらずオタク仲間が居ないというのもある。とどのつまり、幼き頃から、好きなことについては孤独の道を強いられているようだ。ワープ8を続ければ爆発することを思えば、まだまだこれからではあるけれど。
追記メモ:論考中の内容。
僕が推し活が好きじゃないのは、誰でも出来るからだろうか。コンテンツに対して、消費者がいるのは当然だが、他の誰であっても良いのであれば、その行為は刹那的。そうではなく同人を含め、何か外に発信・昇華しなければ、自分がオタクである必要性が無い(オリジナリティがない)。
アニメグッズを身につけるのは、オタクであることを周囲に知ってほしいからではない。その作品について語りたい・広めたいという欲求なくして、外界に見せびらかすのはいかがなものか、という感性。
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