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重粒子線治療について相談にいきました

主治医経由で紹介状を書いてもらい、

2022年1月、重粒子線治療ができる病院に

母と行ってきました。

元々、電話での相談はしていたのですが、

重粒子線ができないパターンの中に、

「腸管へ接している場合」とあり、

母の再発箇所が腸間膜のため、

実際にCD-ROMで詳しく状態を

みてもらうためです。


1時間ほど、

詳しくとても丁寧に色々なことを

教えていただきました。


メモをしたので、

もし膵臓癌での重粒子線を考えている方の参考になればと思います。

重粒子線がん治療は、

がん病巣に狙いを絞って照射する放射線治療法なのですが、


まず、重粒子線治療ができるかできないかは、

腸に傷がつくことを避けるため、

腸をよけて治療できるかが大切とのこと。


母の再発箇所は、

腸との距離が約1.5cmあり、

また、脂肪が3か月前から増えていて、

腸との距離を保ってくれるのは内臓脂肪とのことで、この距離があれば、母の場合、重粒子線治療はできるとのこと。

重粒子線治療についてですが、

2022年1月の段階では、保険が効かず、約300万ほどの費用がかかること。

また先進医療、最先端の治療だからいいというわけではなく、

裏を返すと、新しいということは過去の実績がないということ。

過去の実績、データが少なければ、十分なエビデンスがない。

となると、重粒子をした後どうなるのか、その想像ができない。


実績があれば、今後治療をして

母がどうなるかのある程度の想像はできるけれど、

果たして、今回重粒子線をすることは、

母にとって意味があるものなのか、

この治療の副作用が許容できるかどうか、

しっかりと知って、やっていく必要があるとのことでした。



また、腸へのダメージへの限界があるので、

安全にこの治療を行うには、

治療の効果を少し下げる必要があり、

本当はドカン!と放射線を当てたいけれど、

大きなリスクを伴うことは避けなければならず、大体50%くらいの効果と考えて良いとのことでした。

それが今の医療の限界で、手術とは違うところのようです。


手術は腫瘍をとったらなくなりますが、

重粒子線はそういうわけではありません。

(手術でも、他に目に見えない再発箇所があった場合は別ですが)


一般的には、膵臓癌は、かなり厄介なもの。

抗がん剤も効く人には効く。

効きやすい人もいるし、効きにくい人もいる。

それと同様、重粒子線も同じであるとのこと。



重粒子線の副作用としては、

放射線が当たったところには、

それなりのパンチがあるので、腸へのトラブルがでてくる可能性があるとのこと。

20%くらいの人が胃潰瘍になり、

5%未満の人は傷が深く胃などから出血する。

そうなると、何かしら治療しないと命に関わるかもしれない。

少なからずそういう副作用はあるかもしれないことを理解する必要があるとのこと。


重粒子をすればやればみんな治る治療ではない。

でも、放射線の中では、とりあえず重粒子がいいだろうとのことでした。


放射線は週4回。

全部で12回、3週間ほど当てます。

事前に正確に体を固定して、専用のコルセットのようなものを作るため、

2週間の準備が必要なので、

全部で5週間くらい期間はかかります。

副作用は大体3週間後くらいに、出てくる人が多い。



目に見えない癌が潜んでいる可能性があるため、

治りましたね!と言えるのは5年後。

重粒子線は、治る!という確信があるものではない。


ここの病院では、膵臓癌の術後再発への重粒子線治療は、当時は年に10例くらいあるかないか。

また膵臓癌全体でも、年50例くらいのようです。

その少なさはやはり、術後再発に対しての局所治療の意義。という点にあるようです。


膵臓癌は難しく、転移をしやすい癌。

放射線を当てたところは治せるかもしれない。

ただ目に見えていない癌が潜んでいる可能性が極めて高く、その再発箇所だけをピンポイントで治療して意味があるのか。

でも、それはやってみないとわからない。


今見える再発箇所だけなのか。

その判断を適切なタイミングで行わなければ、なりません。


まず、膵臓癌にとって、

目標は根治。長生きであり、

やはり膵臓癌の患者さんは転移で亡くなることが多く、肝臓、肺に転移が広がる。

そうすると命を落とす。


重粒子は命に直結しない。

まわりの転移の箇所をを治すものではないからです。


8割以上の人に実際に目に見えない転移があり、

母の場合も見えていないだけかもしれない可能性が高い。


しかも母の再発箇所を見ると、

再発箇所が少し元々の腫瘍の部分から遠く、

癌が他にある可能性が高いとのこと。


だから果たして今見えている再発箇所をやっつけても意味があるのか。


術後の再発のパターンで、局所だけに限局して、

局所治療の意味がある状態で再発してくれるパターンは多くはないため、

やはり多くの人は、後から出てきてしまうから、局所治療の意味があるかをしっかり考える必要があるとのことでした。



そして、まずは全体への治療である、

抗がん剤が一番大切。

長くうまく付き合っていける人が勝ちのようです。


そのため、今回の先生も母の主治医と同じ意見ではありましたが、

抗がん剤をやってみて、その意味があったら、

重粒子をやっていくのが良いとのこと。

抗がん剤で再発箇所を消すのは難しい。

しかし、縮めることはできるため、

1日も早く縮めることが今は第一条件。


抗がん剤を1.2年やっても他に何も出てこなければ、それは1箇所だけの可能性が高い。

本当は、そこまで確認してから重粒子線治療に突入したいが、

今の母の抗がん剤は、半分くらいの人が、

半年後くらいに効果がなくなってくる。

観察期間を長くして、

何もないことを確認するのが本当はいいけれど、

長引くことで、重粒子をするべき良いタイミングを逃す可能性が高いので、

思い切って3か月後くらいに判断をして、

治療をした方がいいそうです。


局所治療をやっても意味がないという先生も多いです。

でもごく一部の人は、

再発箇所がそこだけに留まっている人がいる。

そこに賭けるとかどうかいうこと。

意味があるかはやってみないとわからない。

目に見えないからです。

長期生存に導けるかが大切だとのことでした。



重粒子線中の抗がん剤は、

アブラキサンは外し、その期間のみは、ゲムシダビンだけになるようです。



仮にいまから2.3か月後のCTにもう一個再発箇所がでてきたら、局所治療の意味はやはり落ちてくるので、重粒子線をする意味があるかどうか。それは相談していく必要があるとのことでした。







以上が、話を聞いての

私なりのまとめになります。



膵臓癌の再発はやはり厳しいですね。

でも、家族で話し、

とりあえず3ヶ月後のCT結果をみて、

また考えようとなりましたが、

前向きに重粒子線が当てられる状況であれば、当てる方向ではいます。



1日も長く、楽しく元気に生きてほしいためです。また後悔がないようにという意味もあります。


ただ、娘としては、辛い治療は避けては欲しいとは思っています!



また、当時、アブラキサンの副作用で、母の脱毛が少し始まっていました。

初回の抗がん剤から、17日後ですね。

最初に主治医が言っていた、

3.4週間後にはすべての毛が抜ける。という言葉は本当なんですね!



難しい状況ではありますが、

母と共に、前向きに生きていきます!!!

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