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山形。やはり今年も熱かった。そして旨かった。

去年は関東の梅雨入り当日に出発したのを覚えている。
今年も山形への「ジャムの旅」もやはり雨だった。
しかも大雨だ。

まあ、梅雨の時期ですからね…。

首都高から常磐道に入るとすぐに通行止めで高速を降ろされた。
「あ〜もう何だよ…」
やっぱり東北道に乗れば良かった。

一般道に降りて、気を取り直して東北道へ向かう。
それにしてもすごい雨だな。
ラジオから冠水被害のニュースが流れる。

東北は大丈夫なのかな。
さくらんぼは無事かな…。

そんな心配をしていたが宇都宮を過ぎたあたりから雨が止み、福島を走る頃には青空も見えてきた。

「おっ、いい感じじゃないか!」
いいドライブになってきた。

14時前には無事に今回の目的地「黒田果樹園」さんに到着。
1年ぶりの訪問。
帰ってきたよ。

っていうかもう1年が経ってしまったのか。
時間の流れの速さに驚く。

園主の黒田潤さんはじめ、スタッフの皆さんは最盛期の「紅さやか」の収穫と、収穫間近の「佐藤錦」の葉摘の作業で忙しそうだ。

皆さんとの再会にとても嬉しい気持ちになる。

綺麗なさくらんぼがたくさん実っている。
冷害の被害もなさそうだ。

長野や岩手などのさくらんぼ農家さんからは、甚大な冷害の被害が出ていると聞く。

なぜここは冷害が少ないのか?

傾斜に面した特殊な農地は冷気が溜まりにくい。
冷気は低いところに集まるからね。
盆地でも低い場所はやはり冷害が出やすい。

あとは黒田さんの努力以外にない。

「しばらく寝れない日々が続きましたね」と黒田さん。
夜中に気温が下がらないように火を焚く。
上から散水をする。
(これは特殊な用法らしく説明を受けても理解が難しかった…)

こうすることで果樹に霜が降りるのを防いでいるのだ。
自然が相手のお仕事に頭が下がる。

消費者の我々はその恵をいただいていて、その美味しさで幸せを感じることができている。

ありがとう。


作業場には黒田果樹園さんの歴史が分かる写真がいくつも飾ってある。
代々続けてきた景色が今も変わらずそこにある。
これってすごいことだ。

その場に立ち合わせていただくことに感謝。

旬の「紅さやか」
葉の緑と果実の赤が美しい…。
園主の黒田潤さん。真剣な眼差し。
「佐藤錦」の葉摘作業中。
高所での作業が続く。


いつも通りさっさとテントを設営して今夜の寝床を確保。
天気もいいし今夜はいい夜空が期待できるな。

気持ち良い陽気になった。


さて、今年はどこの銭湯にしようかな?

ちょっとした食事もできるこぢんまりとした銭湯を発見。
明日4時起きだし、風呂入って簡単に夜ご飯済ませて寝たいしな。
ここにしよう。

小さな湯船だったが素敵な風呂場だった。
ラッキーなことにお客は僕だけ。
貸し切りだ!

昨年の公衆浴場でもそうだったが、やっぱり熱い‼︎
一度足を入れたがたまらず湯船から出る。
膝から下が真っ赤ではないか…。

気合いを入れ直してもう一度入る。
熱さは変わらない…。

「あ〜〜〜!熱いっ!!!」(一人だから大声で…)

5分も浸かってるとやはり茹でダコ状態だ。

しかしなぜだろう?
次第に気持ちよくなってくるのだ。
身体がじんじんして疲れやストレスが抜けていく感じだ。

気持ちいい…。
日本の銭湯文化最高。

「名人のゆ」
一軒家っぽい佇まい。


のぼせた茹でダコは腹も減っている。

銭湯の受付の横には小さなキッチンがあって、そこでは食事もできるみたいだ。
スーパー銭湯ではなくて、普通の一軒家が銭湯になった感じ。
夕方5時くらいだったが、早くも地元のおじさん、おばさんたちが一杯やっている。

こういう雰囲気に触れられるのが旅のいいところ。

120%アウェーだが…。
よし!ここで晩飯としよう。

とりあえずノンアルコールビールを乾いた喉に流し込み、ビーフカレーを注文。
大盛りのサラダとスープも付いてきた。いいね…。

「いや〜、お湯熱かったですね。」番頭のおじさんに話しかけると、

「そう?普通だよ。」とニヤリ。(地元の銭湯やりとりあるある)
何だか嬉しそうじゃん。

「これ、サービスね。」
地元の山菜でこしらえた惣菜が出てきた。(ラッキー‼︎)

サービスの山菜。(なぜ食後…)
食器が実家っぽい。
この家庭感が…、いい。


嬉しくて美味しくいただいていると、
おじさんが上山市の気候や食文化についていろいろ話をしてくれた。
こういう地元の人たちのお話ってネットでは見つからないことが多い。

だから僕は一次情報を大切にしているのだ。

昨今のネット社会、匿名社会では誰かの二次、三次情報を鵜呑みにして生きている人が多いのでは?

本物の情報に触れるのには、それなりの時間と労力がかかるものだろう。

なんて湯上がりにシリアスな考えに落ちていきそうだったが、

「はい、これも食べてみて!」と今度は奥さんらしき人が。
「納豆餅ね。」

「…⁈」
「納豆餅って何ですか?」

「え〜‼︎知らないの〜‼︎‼︎」
食堂でいい感じに酔っ払っていたおじさん、おばさんたちが一斉に僕に目を向けた!

どうやら山形県の郷土料理らしい。
こだわりはつき立ての餅を使うこと。

大の納豆好きだがこの食べ方は知らなかったな。

「あっ!美味しいですね〜‼︎」

つき立てのフワッとした柔らか〜いお餅に、ねば〜とした納豆が絡んで旨い‼︎

こういう発見嬉しいな。

ノンアルコールビールなのに、この楽しい雰囲気に飲まれて僕もほろ酔い気分になってきた。

「ありがとうございました!また来ますね‼︎」

銭湯を後にすると、何だかとても幸せな気分になっていた。

こんな幸せな気持ちなら、明日作るジャムも間違いなく美味しくできそうだ。

(ジャム作りのお話はまた後日…)

納豆餅(ピンぼけ)

昨年の山形旅もどうぞ。

生産者さんの努力についても。

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