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保険会社は教えない必要最低額の計算式|厚い保証と安さは両立できる

生命保険、医療保険、がん保険などたくさんある保険ですが、本当に難しいですよね。

とりあえず「このくらいがおすすめです」と言われた金額に設定してはいませんか?

ケチればいいとは言いません。
私の親は希少なガンで長期入院をしています。

保険は一生払う大きな買い物です。
とりあえずで考えずしっかり自分で決めましょう。

しっかり具体的な数字を出せるような、記事になっています。

保険っていったい何?合理的に考えてみる

保険は安心のためとか抽象的な話をされて、何を基準に金額を決めていいのかよくわからないものです。

ですので保険の起源を知ると、設定するべき金額も分かりやすいので紹介します。

保険の仕組みが出来たのは大航海時代。
まだ未熟な航海技術を使って、輸出入を始めた業者のためのものでした。

海外から輸入をすれば珍しいハーブやスパイスが手に入りるので、輸入業は大儲け出来ました。
しかし船の性能は低かったので、船が故障するリスクや遭難の危険があり、その時の損害は大きすぎました。

そこで生まれたのが保険の仕組みです。
輸入業者全体から利益を集め、損害があった業者に補填する。

保険はプラスのパターンの時の利益を少し減らして、低確率で起きるマイナスのパターンの時のマイナスを減らす仕組みです。

その人の命の価値とか、どのくらい気持ち的なダメージがあるとかは関係ありません。
あくまでお金を無くさないための保険ということを忘れてはいけません。

安心のためという宗教的な感覚より、投資でポートフォリオを組むのと似ています。
だから保険でお金を儲けようというのも違います。
儲けたいなら投資を始めたほうが、儲かる確率が高いですからね。

試しに保険の効果を計算してみましょう。
ざっくりですが、考え方としてみてください。
1%の確率でマイナス50万、99%の確率でプラス20万の場合
(-50×0.01)+(20×0.99)=19.3
保険なしで期待値は19.3万のプラスとなりました。

そこにマイナスの時に保険で50万が出る保険に10000円で入ると
((-50+50)×0.01 )+( 20×0.99 )+(-1×1)=18.8
保険に入ることで18.8万まで期待値がさがりました。

マイナスの時には助かりますが、長い目で見ると損をしています。
こういったことから保険に頼りすぎると貧乏になるのです。

その保険ちょっと待った!保険のウソを紹介

今入っている保険で本当に大丈夫ですか?
保険のセールスマンには、詐欺まがいの話をしてくる人も少なくありません。
そこでよくあるウソを紹介します。

・大きい保険会社、人気の保険会社なら大丈夫
お金を預ける保険会社では、その考えは危険です。
大きい会社なのは儲けるのが得意ということ。
個人に還元していたら、そんなに儲けるはずがありません。
人気の有名人をCMに使っているような会社は、入ってる人にとって無駄使いをしてくれてるだけなのでやめましょう。

・保険に入ると節税によって得をする
保険はたしかに節税できます。
しかし計算すると節税できた金額以上に支払いで失います。
運用して増えるようなタイプでも、自分で投資した方が増えます。
保険で得はしません。

・保険に入っていれば病気になっても安心
病気になるかは保険とは関係ありません。
病気になりたくないならば、健康に気をつけ、正しい知識を身につける方が効果的です。
医者に任せれば大丈夫という考え方も危険です。
死人に口なしですし、悪化に気がつかなかったと言われればそれまでです。

・保障は高くした方が安心
ある特定のパターンにしか効かない切り札は、そんなにたくさん要りません。
保障を高くするということは貯金や投資に使える金額が減るということです。
貯金なら対応できる範囲が広いですし、投資なら不労所得もつくれます。
不労所得があれば、そもそも保険なんて要らないわけです。

・女性特有の病気は保障を厚くするといい
どんな病気でも大丈夫な保障内容なら関係ありません。
他の病気の長期入院に対応できない保障なんて無意味。
神経質な女性が、有料の個室を希望してお金がかさむ場合はあります。
でも贅沢費なので、それを保険でまかなうのは違います。

・満期に大金が帰ってくる保険は得
保険の起源で話したとおり、保険はダメージを確率と人数で計算して、みんなで備えようという仕組みです。
大金が帰ってくる保険は本来の保険ではありません。
大金が帰ってくる保険は、保険会社がお金を集めてお金を運用して儲けたいから作った商品です。

・お金がないから保障は高めに
お金がないのに保険の支払いでお金を失っては無意味。
保険より広く使える貯蓄を重視するべきです。
おそらくお金がない原因はそういった無駄づかいです。

・自分が死んだ時にすぐに使えるお金は保険だけ
死亡するとたしかに銀行口座は凍結されます。
でも毎月保険会社に置いておく設定にするくらいなら、毎月家族の口座に移すようにしたらいいだけです。
さらに家族名義の証券口座で積立投資すれば、元本より増やせます。

・保険は人で選ぶ
どんなにいい人でも、自分の会社の最高の商品しか提案しません。
他の会社にしかない商品をすすめていたら、そのうちクビになりますからね。
しかし、保険は会社によってできないことがあります。
保険は他人に任せず、自分で考えましょう。

・保険会社は1社にまとめるとお得
保険では1社にまとめても割引ができないように法律で決められています。
特に死亡保障は関わることがほとんどないため、一緒にする必要はありません。
確定申告と請求時に分かれていると手間はありますが、ぼったくり保険にはいるよりはマシです。

死亡保証はいくらあればいい?意外と少ない必要額

保証金額は人の命の額ではなく、そのパターンの時にお金を減らさないための設定という話をしましたが、いったいどのくらいが適切なのでしょうか。
いくつかのパターンに分けて考えてみましょう。

・独身の場合
基本的に独身の場合は必要ありません。
独身の方が亡くなった場合、葬式代はかかります。
しかし葬式代は公民館を活用するなどすれば、かなり安く抑えられます。
すると普通に生きてて貯金してた額でなんとかなる額ですし、そこまで考える必要はないでしょう。

その後死亡した後の世界では、独身の方が使っていた生活費は消費されなくなり、扶養している家族も居ないということになるので、収入がなくなって困る人もいません。

つまり死亡しても金銭的に困らないので保険は無意味。
生きてる時に他の人にお金をあげているだけなのです。

・結婚しているが子供が居ない場合
遺族厚生年金が支払われる対象になります。
国の保障もあるので子供が居ない場合は、独身の時と同様に死亡保証は必要ありません。

もしパートナーが死亡した場合は、もちろん気持ち的なダメージは大きいでしょう。
しかし再婚することだってできますし、独身になれば生活費も減ります。
住宅ローンを組んでいる場合も、普通はローンを組むときに保険に入ることになるので、ローンの支払いが免除になり、むしろ住宅費は減ります。

心的ダメージは大きいですが、金銭的なダメージは実はそこまで多くはありません。
重要なのは子供の存在となります。

・子供が居る場合
子供が居る場合は死亡する年齢が重要になってきます。
子供が小さい時に死亡するほど、成人して収入を得てくれるまで時間がかかりますし、教育費もかさんできます。

逆に成人して自立したあとまで生きられたなら、資産もそれなりに増えているはずですし、葬式代もまかなえ、保険による死亡保証は必要なくなります。

国も同じ想定をしており、子の年齢が18歳以下に限られますが遺族年金が支払われます。
「支給年額=779,300円+第一子224,300+第二子224,300+第三子74,800+第四子74,800…」
となります。
さらに死亡とは関係ありませんが、児童手当も出ます。
これらにより、最低限18歳まで生きていけるようになっています。

住宅ローンを組んでいる場合は、普通はローンを組むときに保険に入ることになるので、ローンの支払いが免除になり、むしろ住宅費は減ります。
実家で暮らすようなことも考えられますし、その他生きていればかかる生活費も減ります。

残るのは大学費用など理想的な教育をしたい、結婚費用を出したい、せめてお金に余裕のある暮らしをしたいと考えたら足りなくはなります。
つまり必要死亡保証額は残された家族の贅沢費によります。
贅沢費と表現しましたが、親も失い貧乏なんて状況は辛いですよね。
死亡保証で生活レベルはキープできるようにしてあげたいところです。


では死亡保証額を計算していきましょう。

死亡保証には一括で支払われるものと、月々支払われるものがあります。
毎月型の方がわかりやすく計算できるので、今回は月々の料金で計算していきます。

まず保証期間を決めます。
せめて子供が18歳になるまでと考えるのか、25歳になるまでと考えるのか、それは人それぞれだと思いますがそこを決めます。

あとは自分の給料の中から、自分のために使っていない金額を計算します。
この金額が生活レベルが下がらないための金額です。

つまり
十分な死亡保証=(毎月の給料-自分の消費金額)×子供が自立までの期間」です。
ここから月々の金額は減らしても生きてはいけますので、どちらかというと期間を伸ばしてあげたいですね。

高齢時には死亡保証を付けないというのが、毎月の金額を安くおさえられるポイントになっています。

歳をとってから死亡する確率はいずれ100%。
よって仕組み上、高齢になった時の死亡保証はあげるほど保険料金は高くなり、ほとんど貯金と同じぐらいの額を取られてしまいます。

しかし若いうちに死亡する確率は高くありません。
なので若いうちの死亡保証は、あまり保険料金を取られないという特徴があります。

低確率で起きるリスクにみんなで備えるのが保険ですからね。
これこそ正しい保険の使いかたなのです。

病気やケガでお金がかかるパターンって何がある?

「大きな病気をしたら50万くらいかかって大変だった」というような話を聞いたりして、怯えて保証額を多めに設定してはいませんでしょうか?
合計で聞くと難しくなりますので、もっと分解して考えていきます。

・入院した場合
入院するような病気やケガをした場合、かかるお金は入院時の食事代、医療費がかかる上に収入が減少します。

収入に関しては年金や不労所得がある人は変わらないですね。
有給休暇、傷病手当金もあります。

食事代は自炊にくらべて割高にはなりがちなものの、入院してなくてもかかる部分でもあるので、全額を問題ととらえる必要はありません。

医療費についても、国の制度で高額医療費制度がありますので、1ヶ月の負担の上限が決まっています。
収入によりますが、だいたい10万円ぐらいが上限になっています。

・手術をした場合
手術をした場合、入院を伴う手術ならば入院費用もかかりますが、問題は医療費が高いこと。
近年は入院日数が減少傾向で、日帰りの手術も増えて来ていますが、医療費が高額医療費制度の上限まですぐに達しやすくなります。

・ガンの通院治療
入院も手術もせずにお金がかかるパターンが、通院での抗がん剤治療です。
抗がん剤治療は種類により値段も違うのですが、検査などもするので毎月のように大きな金額がかかります。

別の病気でも通院する場合はありますが、確率の高さが理由で保険料金は高いのでおすすめしません。
他の病気では金銭的ダメージもそこまでないため、貯金で対応しましょう。

ちなみにガン保険では手術と入院も保証するような商品もありますが、わざわざガンにしか効かない範囲の狭い保険は必要ありません。
ガン治療のなかでも問題なのは抗がん剤治療やホルモン療法といった通院でお金がかかるパターンです。

・先進医療を試したい場合
保険適用外の先進医療を受ける場合も、大きな金額がかかります。
治して生きられるかもしれない方法があるのに、お金の問題で試さないというのはやっぱり辛いですよね。
高額医療費制度も活用できないために、自分で保険に入る必要があります。

・身体障がい者になってしまった場合
身体障がい者になってしまった場合は国から障がい者年金が支払われます。
特別重度な場合は生命保険から死亡した場合と同じと認定され、たいてい保険金が支払われます。
よって特別事情がなければ医療保険にたよる必要はありません。

つまり医療にかんするお金を失うリスクは入院時、手術時、抗がん剤治療時、先進医療適応時がリスクとしてあげられます。

医療保険の具体的な設定は?

保障は良いほうがうれしいですが、その分料金は上がります。
保障を必要以上に上げすぎて、もっと違うリスクにも対応できる貯金ができなくなっては意味がありません。

医療保険で対応したいリスクパターンは入院、手術、抗がん剤、先進医療でした。
ではどういったプランを選ぶべきなのか、金額はいくらか、具体的にしていきましょう。

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