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カウントダウン

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大園桃子さんの卒業発表から卒業&引退までのカウントダウンです
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2021年8月の記事一覧

晩夏(5日)

周期的に繰り返される振動と心地いい音と風の中で
青空を 見上げる僕は
意味なんか知らないのに 窓の方に手を伸ばす
行き先なんて どこでもよかった
結局 この手は空には届かないんだから

夏が舞う そんな匂いと
幸せをさがす君の瞳
涙が照らす その横顔を
僕は切り取って胸にしまっていた

足早に季節は過ぎて
夢のような 時は途絶えた
あなたのいない坂道の途中で
僕は あなたの笑顔を待っていた

共に

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縁(6日)

今僕が ここで言葉を考えてる
どうして僕は君に出会ったのだろう
真相はどこにもなくて あるのは事実だけ
僕ができるのはそれを解釈することだけだって

だから、思うようにしたんです
今僕がここにいて こうやって考えてるのは
今まで出会ってきた人たちと「縁」を結んで
君に会いに行くためだったんだと
確かに これで失ってきたものも沢山あるけど
それ以上に 今の僕になくてはならないものを
沢山連れてきてく

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告白(7日)

あなたがこれからどうなろうと
僕はあなたのことをずっと愛してる

理由(8日)

君がいなくなっても僕は全然寂しくないよ
たしかに僕がこれから触れられるのは
君の残した欠片たちだけだ

でもこの世界には確かに君は存在していて
同じ空の下で君は生きているはずだから

そのどうしようもなく小さくて確かな事実があれば
僕はこの先ずっと生きていける

伝えたいこと(9日)

入道雲が成長する夏空を
僕は1人見上げてた 空を見て考えてた
『時を越えて君を愛せるか 本当に君を守れるか』

いちばん大切なことは 特別なことではなく
ありふれた日々の中で 君を
今の気持ちのままで 見つめていること
そんな君のために 僕は今何ができるか

君にまだ 言葉にして 伝えてないことがあるんだ
だから今から君に届けるよ

僕はずっと出会った日から 君が大好きだった

『幸せに気づけるよ

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坂道(10日)

気づいた時には僕はこの坂道を登っていた
何年も、何年も 前にいる君たちを追いかけて
その長く大きい一本の坂の中には
今までたくさんの別れ道があった
離れていく人たちの背中に何度も手を振ったなぁ
まさか君の背中にも振るとは思わなかったよ

ふと振り返ってみると 今自分のいる高さに驚いた
10年の歴史の積み重ねを実感した
だからもう大丈夫なんだろう

もし先にいる君が振り向かなくても
僕はその微笑みを

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願い(11日)

僕の願いの中心には
いつだって君がいる

形見(12日)

君とのサヨナラの後に僕は
君の影の残り香を
君の声の欠片を
君の笑顔の陽炎を 必死に探した

別れがこんなに辛いのなら
会わなければよかったとも勿論思った
そしたら僕はもっと早く何も知らずに死ねたのにって

一度知ったこの温かい気持ちは
君がいないと 僕には荷が重くて大変なんだ
だから僕を支える君の形見を僕は探した

ありがちな幸せ(13日)

『誰かにとって「たかがそれくらい」のありふれた歓びを 嬉しいと感じた瞬間に 思い浮かんだのは誰?』

僕にとってそれは君でした
きっと毎日の生活の中に君がいてくれるなら
毎朝目を開けた時から 毎晩明かりを消す時まで
僕は幸せだと感じるんだ

僕には君がいる たったそれだけで
ありふれた歓びを愛おしいと感じるんだ

明日も(14日)

君にいいことがあるように

君を想って毎日書いた日記 薄くて強い覚え書き
ずいぶん日々は変わったけど
変わらない想いが愛おしい

毎日のサヨナラを繰り返してやっと見えた本当の痛みは
出会った頃より悲しくて寂しくて大切で

朝には無くなってしまっても 
匂いが消えてなくなっても
忘れなければ いつでもまた会える

だから僕は
『行ってらっしゃい』と一緒に
小さく『またね』と手を振る

きっと叶わない

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泡沫(15日)

僕は今うまく笑えているかな 
鏡の前でたしかめるけど なんて情けない顔してんだよ
笑うどころか あやうく涙しそうで うつむくんだ

夢も理想も現実も
どれも僕には冷たくて重くて

そんな日々だけど 
君のその笑顔は 僕を温めた 
身体の芯から優しく包むように

やりきれない夜だけ君を思い出してもいいかい?
僕の手垢だらけの この記憶だけど
どこからともなくあの 人懐っこい声が聞こえるん

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無理な願い(16日)

君にもう一度出会える奇跡を
ここにお願いしようなんて考えたけど
それはきっと無理だろう

だって僕はもうすでに君のことを見つけた時に
奇跡を使い果たしてしまったんだから

坂道の途中で君は僕にぶつかった
それが君の運の尽き そして僕の運の全てだったんだ

反芻(17日)

君のいた毎日を
君がくれた沢山の思い出を
僕は何度も何度も飽きることなく
思い出してる

憧憬(18日)

自分を自分で保つことが難しい世界で
君はいつだって君のままで笑ってた

君は本当にすごい人だ
僕とは正反対の人間

きっと僕は本当は君になりたかったんだ

人を想える 人に想われる
人を愛せる 人に愛される
そんな人間に

どうすれば君のようになれるだろうか
そんなこと聞いても君は困ってしまうんだろうな

だから少しだけ君のマネをしてみるよ
そしていつか 僕も誰かにそう思ってもらえた時

君に会い

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