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娘と母と容姿と音楽と愛

何かとすぐに喧嘩になるし、その度「ああ、憎たらしい」と思うのに
それをあっさりなかったことのように甘えてくる娘、
そして、それをかわいいと思う私
の繰り返しだ。

当たり前だけど、もう語彙も豊富で感性も育ってきている高校生の娘が

「こどもの自分が言うのはおかしいかもしれないけれど、お母さんって・・・」って

容姿を良く言ってくれて
「へーそうー」と変な声を出してしまう。

私自身、母はもう高齢者に属する年齢になっているが、未だにこの人は美人だなと思う。
赤ちゃんの頃から一番見ている顏に子どもとして愛着があり、母が美しく見えるっていうのはあるかもだが、

この前、母が私に「毎日大変でしょう。お仕事がんばってね」的に
疲れているだろう私のために、高麗人参でしょうか、値段も高いだろう、元気が出るだろうエキスをプレゼントしてくれて、実家の玄関先で笑顔で手を振る母に、ではではまた~って去りながら
胸が”ほわん”ってしていた。

「鬼滅の刃」のアニメで、イノシシの被り物をした男の子が、出会う人たちに優しくされるたびに、その言語化できない気持ち(愛)を 暖かい色のぽわんとした丸っこい形がふわりと飛んでいくイメージで表現されていたような気がするのだが、

そんな感じで、私は母から渡された高麗人参のエキスと笑顔に ほわん ってハートマークみたいなものを飛ばしてしまった。
「うわ、愛されてる。今、私って親にめちゃ愛されてる・・・もう中年なのに」

私とは何もかもが正反対で、合わないと思っていた母
母は孫のねっちを、、なんて言うか、、、信じている。
私と違って、運動もできて、音楽もできて、器用になんでも上手くできて
おじいちゃんやおばあちゃんのことも大好きなねっちが、
この先も幸せになれる子だと信じている。

ねっちから見たら、
”お母さんはおばあちゃんの要素を濃く受け継いでいる”らしく、
「うそ~全然違うやん。」って言いつつ、
自分が高齢者になった時には、中年の娘に「うわ、、愛されてる!!」って思わせるような言動ができる人になっていたいと思う。

 
 今日、遅い夕食のためにばたばたと3人でトマトパスタ他を急いで作り、
その間、それほど音楽に詳しくない息子がSpotifyで、幼い頃に私にめちゃめちゃ影響を受けてきただろう音楽(椎名林檎とかSuchmosとか)を流していたときに、その時の彼の選曲から、娘が

お母さんの好きな音楽はかっこいいいよね 的なことを言って
「おー」とまた変な声を出してしまう。

嬉しかったなぁ。
この全肯定された感じ。

お母さんが”やっている”音楽 じゃなくて、”好きな音楽”が っていう(^-^;

例えば、私が”今は”K-popをよく聴いてます。
セブチのライブ行ってきました!
だと
「seventeen? 知らないけれど、あ、、韓国のアイドルですか、そいうの好きなんですね」って思われがちで
そこで終わらせないために、その音楽的な素晴らしさを語り、できるなら彼らのパフォーマンスの一つでも見せてその実力を知らしめたいものだが、
なにせみんな、音楽に興味がそんなにないんだよな。
更に、アイドルじゃなくても、韓国には他にも素晴らしいアーティストたちがいるんですよ ってお伝えしたいのだが(今日はCrushを聴きまくっているところだ。めちゃめちゃいい)

伝わんないんだよな。
節操なく聴くってことや、好きがいっぱいあるってことや。

ライブ旅行に行く前に、高速バスを待っている間、
娘ねっちがリュックにひつじのショーンのティミーのキーホルダーをつけてくれと言う。
お兄ちゃんに頼んだけどリングが固くてできなかったと。

キーホルダーをつけると
「親ってすごいな」とねっちが言う。
「全然すごくないよ」
「親 って、何でもできるよな」

ああ、、そうだったと思う。
私の親のことを私もねっちみたいに思っていた。

私の母は、私の前で歌ったり踊ったりしない。
もし母が私みたいにしていたら、、、面白いとか思えないかも(^-^;

ねっちがいちいち、私が歌ったり踊ったり、また他人に話しかけることすら
「やめて」と制してくるのも、自分の母が恥ずかしいからで、その気持ちも分からなくもなくなってきた。

私の母が強めのあの彼女で
また
私の娘がまた強めのあの彼女で
私は私とはタイプの違うその”強め”な二人の間に存在していて、
どっちからの愛をもらっているところ、みたいだ。

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