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vol.1 はじめに&『お酒造りの基礎知識』について

1.はじめに

 かつてバーテンダーをやっていまして、その頃は700種類のカクテルを覚え、知らないカクテルはないというのが自慢でやっていましたが、今となってはそのうちのいくつを覚えているのやら...
 しかしながら、その分の人生経験を積み、レシピ以外の事も色々と知ることもできましたので、それらも交えながら、簡単なお酒の蘊蓄を皆さんに共有し、少しでもバーやお酒に興味を持ってもらえればと思います。

 今でも飲食に関わる仕事はしていますので、この日本ならではのバー文化を後世に伝えていかれればと思います。ちょっと面白そうだなと思って頂けたら、是非近隣のバーに足を運んでもらえればと思っています。

 今ではお酒の本もたくさん出ていて、また、ネット上で簡単に調べられるようになりましたが、私が読んでもイマイチ理解できないものが多く、興味を持っても途中であきらめてしまっている人も多いと思います。正直お酒の種類や銘柄は毎年色々な物が出てきている為、それらを全部覚えるのは不可能に近いです。
 なので、まずはお酒のつくり方をしる事が大切です。ウイスキーなり、ビールなり、ワインなり、それぞれのカテゴリーでの大まかな製法は一緒です。その中で、原材料や添加するもの、行う工程のタイミングの違いで最終的な仕上がりが変わってきます。ですから、銘柄で味を一つ一つ覚えていくよりも製法による味の違いを覚えた方が応用がききます。

 という事で、最初のうちはベースとなるお酒の造り方について記載していきたいと思います。分かりやすく説明するために厳密さを欠くことがありますが、そこはご容赦下さい。上級者の方は、専門書を読んでいただければと思います。

 また、個人的にはカクテル作るのが好きだったので、その辺りの事も書いていきたいと思います。

2.「お酒」について

 お酒をWikipediaで調べると『酒(さけ)は、エタノール(アルコールの一種)が含まれた飲料の総称』、簡単に言うとアルコールの入っている飲み物の事です。では、アルコールはどうやって作るのでしょうか?
 お酒の事を理解するためにはまずは、この基本を知らないといけないのでここを簡単に説明していきます。

3.『アルコール発酵』について

 『アルコール発酵』とはあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、同じくWikipediaで調べると「アルコール発酵 (アルコールはっこう、ethanol fermentation) は、グルコース、フルクトース、ショ糖などの糖を分解して、エタノールと二酸化炭素を生成し、エネルギーを得る代謝プロセスであり、酸素を必要としない嫌気的反応である。酵母は酸素がないところで、糖を用いてアルコール発酵する代表的な生物である。」と難しくてよく分からないですが、簡単にいうと酵母がブドウ糖を食べてアルコールと二酸化炭素を出す現象の事です。もうこれに関してはそういうものだと思いましょう。
 酵母っていう生き物がいて、そいつにブドウ糖を食べさせるとアルコール二酸化炭素が出てくるといったイメージを持ってください。(下記の図のイメージ)あと、酵母は口が小さいといったイメージも持ってもらえればと思います。

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4.お酒の原材料ってなにがある?(でんぷんとブドウ糖について)

 皆さんがよく飲んでいるお酒の原材料を知っていますか?
下記に記載してみました。
 ・ワイン → 葡萄
 ・ビール → 大麦、小麦、コーンetc.
 ・日本酒 → 米
 ・ウイスキー → 大麦、小麦、コーン、穀物類
 ・ラム → さとうきび
 ・テキーラ → リュウゼツラン
これらの原材料をざっくり分類すると炭水化物です。さらに分けると
 ・葡萄、さとうきび →ブドウ糖
 ・その他穀物類 →でんぷん
と分けることができます。ちょっと難しく感じますが、小学生の頃の理科の実験を思い出してください。
 炊いたご飯を口の中で何回も噛んでいると甘くなるといった事をやったのを覚えていないでしょうか?噛む前の砕いたお米にヨウ素液を垂らすと紫色になりますが、噛んだ後のお米にヨウ素液を垂らしても色が変わらないといった実験をやったと思います。
 この実験の前提としてヨウ素液はでんぷんと反応すると紫になる。というのがあります。すなわち、お米=でんぷん が口の中で噛むことで唾液の酵素と混ざり、でんぷんではない何かになっているという実験でした。仕組みはともかく、噛んでいると甘くなるという事で、でんぷんが酵素で分解されブドウ糖になるという事ですね。
 ここで覚えて欲しいのは、でんぷんを分解するとブドウ糖になるという事と酵母は口が小さいのででんぷんは食べられないというイメージです。(下図参照)

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5.まとめ

 ・お酒とはアルコールの入った飲み物

 ・アルコールを作るためにはアルコール発酵が必要

 ・アルコール発酵は、酵母がブドウ糖を食べてアルコールと二酸化炭素を出す活動

 ・でんぷんは酵素で分解してブドウ糖にしないとアルコール発酵は起きない。

※よってお酒を造るためにはブドウ糖と酵母が必要なことが分かったと思います。

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