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2019年12月の外食web検索マーケット推移

12月は、忘年会関連の検索ワードの推移から見ていきたいと思います。

◎12月Googleトレンドtopic

・12月は、『忘年会』『居酒屋』ワードの検索ボリュームが昨年を上回るが、トレンドとしては今後の伸びはあまり期待できなさそう。
・『コース』ワードは堅調、アルコールを飲まない層が増えてきているので、『飲み放題』も伸びてはいるが、鈍化気味。
 →今後、アルコール抜きの飲み放題も増えていきそうな予感。
・大人数での忘年会の減少に伴い、都心部では
  少人数での飲み会の増加(組人数の減少)
  検索時期の直前化(少人数なので11月にお店を見つけなくても大丈夫
  →結果、12月の検索ボリュームが増える)
 が起きていそう。

1.Googleトレンド推移 ワード:忘年会、宴会、パーティー、飲み放題、コース(2012/1/1~2019/12/31:東京都内:フード、ドリンク)

※下記グラフ中の●は2018年12月 
「忘年会」ワードは、昨年と比較すると若干増えている感じ、その他のワードも微増。飲み放題とコースに関しては、これまでの流れで増えていますが、その他のワードはどちらかというと11月に落ちていた分が12月に加わっている感じです。恐らくお店を探すタイミングが後ろ倒しされたのではないか?と思われます。twitterでも『忘年会スルー』がトレンドワードになったりして、全体的に大人数での宴会が減り、先行してお店を探すことが減っていることも要因だと思われます。

忘年会

2.Googleトレンド推移 ワード:居酒屋、イタリアン、焼肉、バル、寿司(2012/1/1~2019/12/31:東京都内:フード、ドリンク)

【上から新宿、渋谷、池袋、新橋】グラフ中の●は2018年12月

新宿

渋谷

池袋

新橋

 検索ボリュームだけで見ると「居酒屋」は昨年と比較すると伸びています。「寿司」はこれまでの動きに準じた動きで増加or横ばい、その他のワードは、ほぼ昨年と同程度といった感じでした。
 ※渋谷に関してはスクランブルスクウェアが11月にオープンしことによっての影響があるため全体的に上がっています。
 「居酒屋」ワードが自体の検索数は増えたのは間違いないですが、単純なな話ではないような気がします。12月に検索件数が増えている背景としては

 ・忘年会の少人数化により、より開催時期直近での検索に移行してきている。
 ・忘年会をやらない人が増え、少人数での飲み会へ移行してきている。
  (組人数の減少)

が考えられます。それらを考えると実際には、予約時期の後ろ倒し&組人数の減少が起きているので、全体的なパイとしてはそれほど伸びていないかと思います。天皇誕生日(12/23)がなくなったことと企業の最終出社日が27日になっていたりもしていますので、単純に昨年との比較は難しいですが、。。

3.Googleトレンド推移 ワード:居酒屋、ご飯、ランチ、カフェ、レストラン(2012/1/1~2019/12/31:東京都内:フード、ドリンク)

【上から新宿、渋谷、池袋、新橋】グラフ中の●は2018年12月

新宿ランチ

渋谷ランチ

池袋ランチ

渋谷ランチ

※2.と比較できるようにするために居酒屋を入れています。
 全体的に昨年とほぼ同程度のボリュームで推移。若干変化がありそうなのは『カフェ』ワード。これまでの減少トレンドに反して昨年と同じくらいのボリュームになっています。恐らくこちらも少人数での忘年会需要を拾っていると思われます。このあたりもアルコールを飲まなくなってきていることが影響出ていそうです。基本的にはカフェを探しているような若い女性層はgoogleでの検索を行わなくなってきているので、ここで検索ボリュームを増やしているのはそれ以外の層だと思われますので、それらの層のノンアルコール化が進んでいるのかもしれません。

4.その他12月度検索関連TOPIC

 google関連にいろいろと動きありました。

.Google

 ・日本語版にもBERT導入(12月中旬~)
 先月のTOPICでも取り上げていた、英語圏で導入されていたBERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)が日本語版でも適用されるようになりました。
人間の話す言語の「文脈」を分析し、理解するといわれるBERTは、検索エンジン『過去5年で最大の飛躍』とGoogleがいっているほど。ただ、日本語における精度がどれくらいなのか?はわかりません。(言語がガラパゴスで複雑なので…)
 旧態依然とした強化キーワードを羅列するようなSEO対策しかやっていないページは、評価は上がりづらくなるでしょう。一方で強化キーワードの関連ワードでの記事や類似内容のページからのリンクを持たれているページは評価が上がるかもしれません。いづれにしろ 小手先のSEO、MEO対策は意味がなくなっていくと思います。
 検索者の意図にあった内容の充実したものが残っていくでしょう。飲食店においては、自店舗の特徴を明確にし、その内容をしっかりと消費者やGoogleに認識してもらえるようにしておかないとそのワードでの表示が叙々にされなくなる可能性もあります。また、検索をしなくとも日常の中で段々と個人へのパードナライズ化されたおすすめが出るようになってきている事を考えると自店舗の強みがないと表示機会を失うことになりえますので、継続的に情報発信もしていくことは必要です。

 ・商品の画像検索結果に在庫状況表示
 商品の画像検索結果の写真の下に『在庫アリ』と在庫状況を表示するようになりました。今の所、飲食店では直接的に関係ないですが、物販においてはクリック率は変わりそうです。まだ、飲食店の予約状況の表示はされていませんが、いずれ席状況やウェイティング時間の情報などが表示されるようになるかもしれません。
 また、飲食店さがしも画像検索へ移行していく事が予想されます。既に若い子たちのインスタでの検索はまさしくそれです。画像検索でのSEO対策も考えていかなくてはいけないかもしれません。


Screenshot_2020-01-04 シャトームートン - Google 検索

・Googleレンズ
 まだ、日本は未導入ですが、メニューをgoogleレンズで映すとお勧めの料理をハイライトで教えてくれるといった機能をリリースしました。これは、コメントや評価からGoogleがそのお店の売りを把握してきているということなので、しっかりとお店の情報を露出していくこととコメントを記載してもらえるようにしていくことが重要になりそうです。
 
 https://twitter.com/Google/status/1125811318597005312

・Google Map
 Mapアプリから開くとそのエリアでの 情報が色々と掲載されるようになってきています。(下記画面、左から順にmapを上にスクロールした画面です。一番右のみ注目のリストのなかのここ1週間の人気急上昇店をクリックした画面です。)
 ※通常検索から見える画面とMAPアプリから入った画面では表示内容が異なります。

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 ・シーンごとでのスポット紹介(写真:一番左上部)
 (例:カクテルが美味しいお店、居心地の良いレストラン、グループで楽しめるお店、遊園地、史跡、美術館etc.)

 ・イベント予定(写真:一番左下部
  近隣で行われているイベント情報がピックアップされています。

 ・注目のリスト(写真:左から2番目)
  (例:ここ1週間の人気急上昇店、地元に人に人気のスポット、人気の自撮りスポット、地元を 象徴する文化スポット)
   ⇒ここ一週間の人気急上昇店をクリックすると一番右の写真の画面になります。恐らく直近一週間の書き込み数と評価の高い店が上位表示されるかと思います。

 ・今週の人気の飲食店 (写真:右から2番目)
  →今のところまだ、MAPの効果的な使い方が浸透してきていない為、影響度は小さいですが、今後影響してきそうな予感がします。 いいお店を作り、書き込みを増やしていくと共に自店舗の直打ち検索をした際に出てくるその他のページの整合性をとっていく必要があります。(これは、ほとんどの人がMAPでお店を見つけたとしても再度SNSやgoggleで店名直打ちをして他の情報を集め裏付けをとるからです。)

 ・飲食店検索のフィルタ
 飲食店検索のフィルタも以前は距離と評価、営業中だけだったのですが、料理の種類(ジャンル)が加わりました。今のところ18ジャンルにだけですが、今後どうなっていくかは注目です。また、そのうちに利用シーンのカテゴリーなんかも出てくるかもしれません。(下記写真)

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