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フェーズ別「人事のポイント」と組織デザイン(インプット備忘録11−2)

こんにちは。とあるベンチャー企業でひとり人事をしている朱夏です。

今日は、前回の記事の続き。
1月から受講を始めたCANTERAアカデミーさんの「人事戦略講座」の内容を、自分の振り返りの意味も込めて書いていきます。

今回は、事業や組織の成長フェーズに合わせた組織デザインについてのお話を振り返りたいと思います。

前回の記事はこちら↓

◆前回の要約
戦略人事とは、企業の経営戦略の目的達成を目指して「人」の運用をやりくりしてなんとかする役割のこと。経営リソースの中で最も不確実性が高く取り扱いの難易度が高い「人」をどのように活用していくのか、中長期の経営戦略から紐付けて考え打ち手を出していくことが求められている。

◾️事業ステージ毎の人事施策と課題

組織を良くするための人事施策!と言っても、闇雲にやればいい訳ではありませんし、「何から手をつければいいのか…」と途方に暮れてしまいがちです。

そこで検討すべき1つの観点として、「事業ステージ」ごとに起きる組織の課題から紐解いていくというものがあります。

例えば発足したてのスタートアップなら、上場を1つのゴールとして置いたときにざっくり4つのステージに分けられます。各フェーズで起きうる課題は以下の通り。

・シード
 定型化や組織化よりも熱量やスピードで事業を軌道に乗せていくことが優先。
 全員がプレーヤーで突撃していく、最も密度が濃いフェーズ。
 ここでは、事業を軌道に乗せるための資金調達が1番のリソース課題。

・アーリー
 引き続き組織化よりも熱量とスピード重視な一方で、仮説検証によるマネタイズの仕組み化(要は再現性を持たせる)が優先。
 スタートアップ時はとにかく事業優先で全員が現場に突っ込んでいたため、報酬設計などがバラバラであることが目立ち始め、創業メンバーから不満が起きたりするのもこのフェーズ。

・ミドル
 事業が軌道に乗り、ある程度の仕組み化も進んでくるため、組織規模も大きくなってくるフェーズ。「事業を軌道に乗せる」から「いかにうまく回していくか」というオペレーション戦略に寄っていく。
 お金的にも余裕が出てくるため、とにかく人を増やそうと無計画な採用に走って生産性の低い余剰人材が出てきてしまったりするのがこのフェーズ。

・レイター
 事業が軌道に乗っているところから、さらに社会の変化に合わせて進化していく事が優先。
 ここまでで組織やオペレーションが固まってきているので、それをとっぱらった変革、つまりイノベーションを起こしていけるような組織づくりが課題になり、さらに、上場に向けて労務管理や規定を整備し始めようと慌て出すのがこのフェーズ

弊社は未上場ですが、私が入社した時が「ミドル」、そこから5年経って、現在は「ミドル〜レイターの入り口」まで来ているのかな、と思いました。
というか、その2つのフェーズの課題がまさに私がひとり人事としてぶつかりまくった問題たちだったっていう(・н・;)

これとは別に、もう少し細かく分けた成長フェーズ毎の人事のポイントというのも教わりました。
めちゃ細かいので割愛しますが、設立14期目、従業員数40数名の弊社に当てはめると、次のようなポイントがあります。

【組織運営】
短期・執行視点から中長期・戦略による運営へのシフト
暗黙知を言語化し、カルチャー浸透と制度による運営へのシフト
 ↓
【人事のポイント】
✔︎ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)に則った仕組み化、標準化を進めつつも、手段が目的にならない対策が必要
✔︎制度を整えるには、まだ全社巻き込み型で行っていく
✔︎「考えない社員」が増加していくので、自律と規律を持たせ続ける取り組みが必要
✔︎ミドルマネジャーが急務
✔︎CXOの必要性が高まっていく

この5年間で増えたり減ったりしてきた各種の仕組みや制度をもう一度MVVに沿って見直し、合っていないものは潔く切り捨て、逆にメンバーの声を拾って新しいものを作ったりしていくことが必要だなぁと、改めて思いました。

私は入社して丸6年なのですが、社歴は古い方から数えて3番目なので完全な「古株」ポジションなんですね。
だから、どちらかというと「あの制度にはこう言う意味があってね…」と言うのを語る側ですし、逆に言うと「昔とは異なる解釈をされているなぁ」と思うこともしばしばあるのです。

ここで、「古い人/新しい人」と勝手に壁を作ってはいけないですし、そもそも同じ理念に共感してこの会社に来たことは共通点なので、表面に囚われないで対話していく事が必要だと感じました。

それと、もう一つ頭を悩ませているのが「ミドルマネジメント」の不在…!
社内メンバー育成でなんとかしたいのが本音ですが、組織の成長フェーズを噛み合わないのなら外から採用してくることもしないといけません汗

◾️経営戦略と組織デザインの関連性

組織というのは「事業戦略を実行する」ために存在します。
形的には、ピラミッド型やヒエラルキー型など色々ありますが
(こういうやつ↓↓)

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どれが絶対にいいとか悪いとかはありません。
例えば、製造系の事業であれば指示系統が明確で迅速な判断が必要なピラミッド型組織の方が有効なこともありますし、着想やイノベーションがより求められる無形商材系の事業であれば、権限が委譲されるマトリクス型組織の方が有効だったりします。

大切なのは、組織の特性を総合的に分析して、戦略を実現できる組織を作ることです。
総合的な分析には、マッキンゼーが提唱した7Sなんかが参考になります。

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◾️組織の条件とは?

そもそも、「組織」というのは「集団」や「団体」と何が違うのでしょうか。
1番大きな違いは、所属する人たちに「役割」と「目的」があるかどうかです。
役割も目的も持たない人の集まりはただの集団ですし、目的があっても役割がなければそれは「団体」です。

組織は、そこに所属する人たちが目的を持って集まり、その目的のためにひとり一人に役割がある状態となって初めて成立します。

組織の条件について、過去多くの方が語っていますが、個人的に一番しっくりきたのは堺屋太一さんが著書「組織の盛衰」で仰っていた中の以下2つです。
・共通の目的と共通の意志
・倫理と美意識の共通性

「共通の目的と共通の意志」は上で述べた通りですが、なんとなくそれだけでは足りないというか、ちょっとドライな感じがするなと思ってまして。
日々の活動の中で「何を良し(あるいは悪し)とするか」、「どんな行いがカッコいいとされているのか」「判断において何を優先するのか」といった思考活動の中にも、組織が組織たる要素はあるのではないかと思います(私は自分の言葉ではよく「美学」と言っています)。
その意味で「倫理と美意識」というのはなるほどな(゚Д゚)と腹落ちしました。

皆さんの所属する組織には、そういった共通の倫理や美意識、ありますか?


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前後編にわたって戦略人事の大枠を振り返ってきました。
相変わらず「途方もない……!」というのが正直な感想ではありつつも、日頃自分自身が問題意識として持っていたものをたくさん言語化してもらった感じがします。

あとは行動に移すだけ!なのですが、どうしても日頃の業務遂行に流されてしまうのが悔しい…(´ `*)
今年は流される自分にちょっとでも「待った!」をかけられるようにしたいです。

それでは今日はこの辺で( ˘ω˘)

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