中村朱夏

1991年生まれ。男性。詩書きです。14歳のときから詩を書いてます。LGBTQ+のGで…

中村朱夏

1991年生まれ。男性。詩書きです。14歳のときから詩を書いてます。LGBTQ+のGです。 自分の思ったこと、感じたことその他もろもろを、詩にして綴っていきます。 ※特筆ない限り私の記事はすべて詩です。詩以外のものは【】内にジャンルを記載します。

最近の記事

【童話】奇跡の泉(二、三 1,176字)

↑前半はこちら。     二  それからトムはおじいさんと仲良くなって、色々な話をしました。おじいさんは二年まえに目の病気で失明して、それ以来流浪の民となったと言って、自らを嘲笑うように悲しく笑いました。そこでトムはきのう見た夢の話をすると、  「その泉が本当にあるかのう。目が良くなれば、又仕事が出来るのだが」おじいさんはすぐには信じられぬようですが、トムはこの弱りきった友だちを救いたい気持で一杯でした。  「ぼくと一緒に、確かめに行きましょう。夢で見たのとそっくりの森が

    • 【童話】奇跡の泉(一、1,120文字)

          一  それは、或る日の夜のことでした。トムという少年はいつものように夜おそくまで靴づくりを手伝って、家にかえり風呂に入ると、髪をドライヤーで乾かしベッドに入って寝ました。疲れているのですぐに眠りに落ちましたが、その日はとても不思議な夢を見ました。  トムは街外れの森をひとり彷徨っていました。あまりに霧が深いので、トムは道に迷ってしまいました。おまけにとても寒いので、体はがたがたふるえて次第に歩く速度も遅くなりました。  すると森の木々の隙間から、眩しい光が溢れ出てい

      • 童話をひとつ書きました😊 分量が多いので、ゆっくりアップしていきます。

        • 或る雨の日に

          雨の日の湿気を帯びた空気 それを 私は愛する 傘の中で何度か深呼吸をして 美味しい空気を肺いっぱいに溜める 忙しい日々の中で忘れていた 季節が また一つ移ろい 夏の足音がかすかにし始めたことを 私は不意に気が付いた これから何が私を待ち受けているだろう そう思うと不安にもなるが どうにか私はやって行くだろう 今までもそうだったように 陽が沈む━━明るさが厚い雲から うっすらと透けて見える 私はもう一度傘の中で深呼吸をする 美味しい空気を肺いっぱいに溜める (2024.

        【童話】奇跡の泉(二、三 1,176字)

          燃える血

          めらめらと 旺んに燃える 私の胸の内の燃える血よ 幾度となく詩を書き綴っても 収まるどころか ますます旺んに燃える めらめらと 旺んに燃える 私の胸の内の燃える血よ 私が詩作という行為を続ける間 燃える血は 今まさに沸騰しそうだ 熱意の薪によって更に熱く 烈しく燃える私の燃える血よ 収まることを知らないわが若き血よ いつまでも燃え続けていてくれ めらめらと 旺んに燃える 私の胸の内の燃える血よ (2024.4.23)

          燃える血

          憂鬱な日々

          幾多もの一日をやり過ごしてきた 明日は元気に過ごせるはず そう明日に希望を託しては いつも容易く裏切られている 明日を迎えることが怖くなり ふさぎ込むことしかできないでいる こんな今を変えようとして 足掻くたびに疲れ切ってしまう 幾多もの一日をやり過ごしてきた そのなかで色褪せ 消えてしまった希望を 今さらどうしようとも思わない 全身を押しつぶすような気だるさのなかで 私はすべてを諦めてしまいたいような 不吉で 不快な気持ちに取り憑かれてしまった (2024.4.22

          憂鬱な日々

          或る日の夕刻

          陽が沈みゆく 溢れんばかりの光を放ちながら 一日は終わりへと近づいてゆく このひと時を私は噛みしめる たえず 生まれてくる 「明日」という未知の日に しばしば私は戸惑い 眩暈を起こしそうになる 「明日」という未知の日に 託せる希望は少なすぎ 抱ける夢は不明瞭すぎる それでも前を向いて 私は進んでみようと思うのだ 沈みゆく あの太陽のように (2024.4.21)

          或る日の夕刻

          春の散歩

          春の日の日差しはキラキラしていて、 それが私の心にも入ってきて、 俄かに明るく光りだすのを感じる。 春の日の日差しのように、キラキラと。 今日は、心も光って軽やかだ。 私は鞄をぶら下げて散歩に出かけた。 桜はもう散って、代わりに躑躅や 矢車菊が心地良さそうに咲いていた。 春の日の日差しはキラキラしていて、 春の日の風はどこか甘酸っぱくて、 私の足取りは一層軽やかに 桜の花葩が白く染めた路をゆく。 (2024.4.20)

          春の散歩

          昨日書いた詩です。 『愛は黒色』という言葉が頭に浮かんで、詩にしてみました。

          昨日書いた詩です。 『愛は黒色』という言葉が頭に浮かんで、詩にしてみました。

          衝動のソネット

          疲れ果て それでも何か 書こうとする心がある 書けなくなることを怖れてはいない ただ 今日書きたい詩がたくさんある 詩が一篇成るごとに 私の心は有頂天になったようになる 流れている川をせき止めるのが 容易なことではないように 私のインスピレーションの川は絶え間なく流れ 書かずにはいられない衝動が 春の嵐のように吹き荒れる 疲れ果て それでも何か 私は書くことを望む 今日書きたい詩を生命のかぎりに (2024.4.12)

          衝動のソネット

          うつ状態が深刻で、しばらく何も書けそうにありません… 過去作がたくさんあるので、体調が少し良いときに選んで投稿します。

          うつ状態が深刻で、しばらく何も書けそうにありません… 過去作がたくさんあるので、体調が少し良いときに選んで投稿します。

          Sonnet Insomnia

          うんざりする程長い 眠られぬ夜 シガレットに火をつけて たったひとりゆえの心細さを 詩に昇華しようとしている 寂しさが頭をもたげ 私の心のなかでくすぶり始める いとしき人にさりげなくラインを送る いつか気づいてくれることを願いながら 私はペンを走らせる 書き続けること━━それは私の祈りだ そして私に生きる理由と喜びをくれる うんざりする程長い 眠られぬ夜 またひとつ近所の家の明かりが消える せめてその人の眠りの心地よくあらんことを… (2024.4.12)

          Sonnet Insomnia

          感傷的散歩

          冷たい雨が 花々の 花びらを濡らす━━涙のように 私は傘の中で さまざまな 悔恨を胸に抱きながら歩く そこかしこで 涙するように 濡れている花の悲歎 泣けていたなら きっと楽だった 私はその時歩くことしか知らなかった 感傷のさなか 歩くことは 苦痛の味を和らげてくれる それゆえ私は歩きつづける 美しい月が 艶やかに空に光るまで 冷たい雨が 花々の 花びらを濡らす━━涙のように 悔恨の火は狂ったように燃え 私の胸の中を焦がしてゆく (2024.4.5)

          感傷的散歩

          競争

          生きることは競争なのだと 何処かで 誰かが言っていたっけ もし それがそうなら 生きるということは余りにむなしい 私は競争からは降りることにした 私には ただ詩がある 書くべき詩があるから 競争に明け暮れる時間が惜しい さあ 私は詩を書こう━━ 軟弱者だと誰かが言おうと 構うものか 私は詩人としての自尊心を捨てない 私はあらゆる競争を拒否しよう そして書きたいままに詩を書き 表現することの美学を証明しよう (2024.4.2) いろんな考え方がありますよね。 僕はこ

          花見

          今年も桜が咲いた 人びとは目を奪われている スマホのカメラで撮る人もいれば 花見酒を楽しむ人もいる 今年も桜が咲いた 人びとは皆楽しそうにしている 私も遠目でそれを見ながら 何だか楽しい気分で過ごしている  桜は人を楽しませるために花ひらき やがては美しい散り様を 人びとに見せながら散ってゆく━━ ああ 今年も桜が咲いた 私もまたその美しさに目を奪われている そして楽しく 幸福な気持になっている (2024.4.2)

          周璇(しゅう・せん)という中国の歌手で女優だった人のことをふと思い出して、彼女の曲を聴いています。 とても素朴で、美しい歌声。 皆さんにもぜひ聴いてほしいな、と思いました😊 https://youtu.be/hxu8Kxuf-Sg?si=lKS3qbrqVdNBISBN

          周璇(しゅう・せん)という中国の歌手で女優だった人のことをふと思い出して、彼女の曲を聴いています。 とても素朴で、美しい歌声。 皆さんにもぜひ聴いてほしいな、と思いました😊 https://youtu.be/hxu8Kxuf-Sg?si=lKS3qbrqVdNBISBN