シュウイチロー

日常を思うままに綴る。現在は小説に挑戦中。

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最近の記事

天使に恋した夏

夏の恋は幻なんて言葉があったり、ひと夏の恋なんてものは、ドラマや映画や歌の中にしかない世界だと思っていた。だが僕の元にも舞い降りたのだ。僕を虜にしておいて、夏の終わりと共に去っていった天使に僕は出会ったのであった。 [出会いの始まりは] その天使と出会ったのは当時勤めていた会社の職場である。職場で天使に出会うことってある?と誰しもお思いになるだろうが、僕は天使だと思っている。 僕は35歳の寒さが厳しい冬の時期にとある会社に転職した。そこは電機部品の製造工場で僕はラインの

    • あいつは可愛い年下の男

      「あいつはあいつはかわいい~年下の男の子~♪」 幼少の頃、母親が頻繁にカセットテープから流していた歌で、私もよく口ずさんでいたが、最近またこの歌を口ずさむのがクセになっている。 私の名前はユカ。38歳の一人暮らしの独身女。お一人様が増加傾向である昨今であっても、シングルを貫くのは結構しんどい。 実家に帰れば「あなたはいつまでひとりでいるつもりなの?」と親には煽られる。訪ねてきた親戚たちは私の顔を見る度に「誰かいい人いないの?」という言葉が挨拶代わりのようなものだ。 別

      • プラトニックな恋をしよう

        僕の名前は陽一。48歳のサラリーマン。同い年の妻と中学2年生と小学6年生の娘を持つ二児の父親である。 妻との関係は冷えきっている。しかしながら別れるわけにはいかない。二人の娘が自立するまでは。僕と妻を繋ぎ止めているものはただそれだけである。 そして娘たちには幼少期には慕われていたものの、微妙な年頃となった現在は殆ど口をきいてくれなくなった。これが娘を持つ父親の宿命だろうか。 今の僕の役割はひたすら働いてその報酬を家庭に供給する。僕は年老いるまでこれを毎日繰り返すのだ。僕

        • バックトゥザフューチャーのマーティと僕の共通点は

          映画「バックトゥザフューチャー」をご存知でしょうか?時は80年台後半であったと記憶しているが大ヒットした三部作のSF映画であった。主人公のマーティは年が離れた友人であるドクが発明したタイムマシンに乗って過去や未来で大騒動に巻き込まれていく様をスリリングにまたコミカルに展開されるストーリーに、当時中高生だった僕はこの作品にどっぷり引き込まれていったのである。 さて、映画の詳しいストーリーについてはぜひ見て頂きたいということは言わずもがなですが、僕はこの映画の中で幾度と出てくる

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          変化するって怖いよね

          生き残れるのは変化に対応できる人なんて話をよく耳にします。耳にすればまあその通りだなと思う。最先端のテクノロジー、新しい世代の価値観などをどんどん取り入れて進化していこうと頭では思うのだが実際のところは理想通りに変わっていけているだろうか? 現状維持、従来の習慣を維持していきたいと無意識的に感じてしまうのが人間、そして日本人は特にその傾向が強いのではないかと思う。最近の出来事として象徴的なのはコロナ禍のマスクの論議なんかはそうですね。屋外でマスクを外して良いと言われても周囲の

          変化するって怖いよね

          改めて自己紹介です

          はじめまして、シュウイチローです。 noteを読んで頂きましてありがとうございます。 Twitterで発信をはじめてから、徐々にではありますがフォロー頂ける方も増えてきました。そしてnoteも始めましたので、私、シュウイチローは何者であるのか、発信の目的は何なのかを知って頂くことでより多くの方に興味を持って頂けたら幸いと考え、改めて自己紹介をしたいと思います。 私、シュウイチローは40代のごく普通の会社員である。Twitterで主にはメンタル系の発信を行っております。メン

          改めて自己紹介です

          卒業って?

          卒業ってなんだろうなっていうことを時々ぼんやりと考える。 当たり前に過ごしていた日常が突如として終わる。当たり前に顔を合わせていたクラスメートとは卒業を境に袂を分かち、それぞれのそれからの世界へ巣立っていく。もちろん会おうと思えば物理的にいつでも会うことは可能だし、この学校で知り合った友達は永遠に付き合える仲間たちだと本気で思っていたこともあった。だが永遠の友というのはやはり幻想。卒業後に気の合う友人と再会して語り合うことは定期的にはあったのだが年を経る毎に話が合わなくなっ

          ウサギになれなかった亀

          小学校の先生が卒業の時に僕に残した言葉。 「歩みの遅い亀でもウサギには勝てるのです」 正確には卒業後に僕宛てに届けられたハガキに先生が添えてくれたメッセージであったと記憶している。 僕は走っても遅かったし、話し掛けられても受け答えが遅い。工作や絵描きをしても、給食を食べてもいつも最後に取り残されていた。確かに歩みの遅い亀ですよね。 そんな僕でも唯一人並み以上にできたものはある。それは主要科目の勉強である。体や手先を使わずにコツコツと積み重ねる作業が僕はどうやら得意らしい。

          ウサギになれなかった亀

          いつかの忘れ物を探しに

          僕はよく若き日の自分に会いにいく。 のび太君の如く僕の引き出しにはタイムマシンがある。ドラえもんと違うのは過去限定で且つ僕が生まれた後の時代にしか戻れないタイムマシン。そして会うことができる相手も自分だけ。 後悔先に立たずとの諺があります。 また、過去に戻ってもう一度やり直してみたいなんていう空想は誰もが一度は想い描くことがあるのだろうが当然の事ながら叶うはずもない夢物語だ。 僕はわかっていながらも長年もの間、あの時ああすればこうなっていたとう過ぎ去った過去に対してのシ

          いつかの忘れ物を探しに