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わからず屋。

私は何にもわかっちゃいない。

「風邪をひいたみたい、頭が痛いから先に寝るね。おやすみなさい。また週末に。」

そうメールをもらったものだから、週末まで待っていた。元気になっただろうか。風邪は治っただろうか。熱はないだろうか。

「おはよう。具合はどう?」


私はとんとわからなかった。
「週末まで何の連絡もないなんて悲しい」
との返信に、途方に暮れる。


不調な時に心配のひとつもしないのね。
連絡くらいくれてもいいのに。
仕事と家族で息付く暇もないのね。
の、わりにはインスタのイイネはするのね。
なるべく不調を伝えないように我慢してたのに。


わからず屋な私。
メールをすればよかったのだろう。
イイネしなければよかったのだろう。
息付く暇くらい少しはあったろうに。
不調な時くらい優しくすればよかったのだ。

「ごめんなさい」

特別を特別にしておくには、わかりやすくしておかなければならない。
私が「特別だ」と言い張ったとて、傍から見れば同じ花なのだ。ちがうのに。

マルで囲って、
札を立てて、
まわりから遠ざけて、
「特別」を目立たせないと
それはただの花なのだ。

そうでしょう?


ちがうのにな。
大切で「特別」なのに。

どうして。

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