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エコアクション21とSDGs

最近、SDGsが企業間でも話題にされることが多く、認知度の上昇を肌で感じられるようになってきた。長野県では、長野県SDGs推進企業登録制度をつくり1年間で約500社が登録されている。県は積極的に研修とかワークショップを開催し支援している。

しかし、中小企業においては具体的には何をすればよいかわからない、一応登録してみたが手が付かない、何も行動していないという場面によく出会う。

エコアクション21の環境経営から入るとわかり易い

エコアクション21(EA21)というのは、PDCA構造を持つ環境省のEMSの登録制度である。EA21の導入(しくみづくり)から入るとわかり易い。まず、経営における課題とチャンス(ISOで言えば、リスクと機会)を拾い出し、環境経営方針を作成する。

方針を実現するために環境経営目標を拾い出し、目標達成の環境経営計画を作成する。そして目標達成のためにPDCAサイクルを回し、目標を達成しているかどうかパフォーマンス評価をするしくみである。

環境保全からSDGsへ

地球の平均気温は、約100年前から急激に上昇している。その温度上昇の要因は、人的起源によるCO2排出量によるもので、気温上昇とCO2排出量は比例している。

このまま何もしなければ、IPCCの最悪シナリオでは、2100年には4.8℃気温するという。現在は0.85℃の上昇で、気候変動非常事態宣言を発動している。

PDCAサイクルを持つEA21は、低炭素社会、循環型社会、自然共生社会より構成される「持続可能な社会」を目指している。エネルギーの使用量削減、CO2削減、廃棄物削減、排水削減、化学物質削減を数値化し環境保全を進めるしくみである。

2015年のSDGs発表を受け、2017年にガイドラインを改定し、企業の社会的責任を含む環境経営へと世界的課題を解決しながら企業価値の向上を目指すしくみへと変身している。

複数の視点で課題解決

SDGsは、環境保護、経済開発、社会的包摂の視点から2030年までに達成すべき、17のゴールと169のターゲットを示している。5つの主要原則(普遍性、包摂性、参画性、統合性、透明性と説明責任)に基づき、各自が達成すべき「あるべき姿」を考え、日常行動を変革することを求めている。

ビジネスにおけるリスクとチャンス

企業は、SDGsに取組まないリスクとSDGsに取組むチャンスを考えるとSDGsで何をすべきか見えてくる。環境課題、社会課題を配慮しない経済活動は、社会的責任を果たせない、大企業はほとんど採用し、若者の認知度も高いので、若者に選んでもらえない企業になるかもしれない。

各事業者は、SDGsを社会的責任を証明するチャンスと捉え経営戦略の中に取組んでほしい。

課題(リスク)とチャンス(機会)から経営計画(戦略)を考える

SDGsは、経営戦略をアピールする道具として役立つ。経営理念から自社内外の強み、弱みを整理し、クロス分析で戦略を決める。戦略からSDGsとひも付けし、戦略の図式化をする道具として、SDGsを使う。

戦略の見える化(図式化)

戦略の図式化は、環境が不安定では、経済活動は成り立たない。環境課題に対して何ができるのかを考え、経済活動を通して、しっかり利益を出し、経営改善のための投資をすることである。

図式化し、社会的包摂性の視点から見ると社会的課題が同時達成できることに気が付く。その事例を示した。

 4コマレジメ「EA21環境経営とSDGs」参照


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