伝わらなかった記事のこと


意図が伝わらない記事を書いてしまった

ライター歴、ちょうど4年半。初めて記事におけるトラブルというものを経験しました。

と、いうと心配してくれる方もいるかもしれませんが(もし1人もいなかったらどうしよう)、ちょっとやらかしてしまいました。幸か不幸か、大炎上というほどではなかったのですが……

端的に言えば、この記事が「はてなブックマーク」で色々と物議をかもしてしまいました。

わたしが載せなくても、たぶん気になる方は自分で探しに行くだろうと思うので、あえて自分から載せちゃうけど、はてブではこんな感じです。そこそこ叩かれてるので、人によっては「いい気味だ!ざまぁ!」と思うでしょうし、逆にすごくイヤな気分になる人もいるかもしれません。もし覗く場合は自己責任でお願いしますね。

ただまぁ、現状では一段落した感じなので、あんまし感情的になったり、コメントしたりとかはせず、「ふーん」「草」ぐらいで軽く見てもらえればありがたいです。

なぜこのようなことが起きたのか

ブコメ(はてブのコメント)を分析すると、ネガティブ要素は主に「安全性を軽視している」「SDGsって言えばいいってわけじゃないだろ」「とにかく少年Bがウザい」の3点ではないかと思います。

特に、1点目の「安全性を軽視している」という部分が一番の問題でしょう。「『もったいない』とはなんだ」「安全実験もせずに作られた車なんて、危なくて乗れない」という意見ですね。

そして、「車、もったいなくないの?」がそもそも企画の根幹になっているため、2点目、3点目の問題が出てきたわけですね。もったいない→SDGsはどうなっているんですか?みたいな質問が出る→そういうことを言う少年Bウザいな、と読者が感じる、という流れです。

じゃあ何でそんな記事を書いたんだ、という話なんですが、これに関してはマジで言い訳みたいになってしまうのですが、企画段階で株式会社はてなさんから「『車、もったいなくないの?』という素朴な疑問をフックに、おもしろおかしく、軽い感じで記事を書いてください」というオーダーがあり、その通りに書いたから、です。

わたしは執筆の際、企画段階から関わることが多いんですが、はてなさんはありがたいことに毎回企画を用意してくださる編プロさんです。(なお、トラブル後には「こちらの企画意図に沿った記事を書いていただいたのに、こんなことになってしまってすみません」と、ご丁寧に直接謝罪もいただいています)

たとえば、はてなさんの案件では過去にこのような記事も書いていますが、どちらも企画立案はてなさんで、わたしはオーダー通りに執筆をしています。すばらしい企画をいただいたおかげで、どちらの記事もかなり話題になりました。ありがたいことです。

そんなわけで、今回も企画をいただき、記事を書くことになりました。

当然、企画の時点では、そのような解釈をされるとは一切思っておらず、わたしも「おもしろいですね!やりましょう」と二つ返事でOKをした記憶があります。元々の企画がやや危うい解釈をされる可能性があったこと、そしてわたしもそれに気付けなかったことがまず一番の原因だったと思います。

文章は読み手のもの

と、いうわけで執筆をしたのですが、2点目、3点目の原因は執筆者であるわたしなので、この点については完全に言い訳のしようもございません。申し訳ありませんでした。

もちろん、「軽いタッチで、おもしろい記事を」というオーダーに答えるために書いた文章ではあるんですが、SDGsを茶化したように見える文章を書いてしまったのは、やっぱりよくなかったなぁと反省をしています。

また、「もったいなくないんですか?」を軸にして、話を聞いていくなかで少年Bが事実を知り、反省していく……という構成で記事を組み立てたため、序盤の文章には確かにちょっと「上から目線」っぽく見えてしまう部分もあるかもしれません。

もちろん、なるべく嫌な雰囲気にならないように文章を調整したつもり……だったんですが、そもそも企画の骨子からして違和感を感じる人が読んだら、そりゃイヤな気持ちにもなるよな……という感じです。この点はもうちょっと気を遣っておくべきでした。

これまで一度も炎上せず、4年半ゆるゆると好き勝手に書き続けてきたので、ある種危機管理が足りてなかったり、「こんな感じでいいんだ」と思ってしまっていた部分もあったのかもしれません。そういう意味では、もう一度背筋を伸ばすきっかけになりました。

色々と書きましたが、結局文章は「読み手のもの」だと思っています。書き手の思いはどうだった、ではなくて、読者の感じたことがすべて。だって、我々ライターは「伝えること」が仕事じゃないですか。意図が伝わらなかったということは、ライターの伝える能力が足りてなかった、ということ。

なので、今回のトラブルの最大の原因は、単純にわたしの実力不足です。素直に反省して、今後はもっといい記事を書いていきたいと思います。

当事者として考えたこと

いまはようやく一段落ついたので、事実をまとめつつ、振り返って反省すべきところは反省をしているんですが、やっぱり批判的なコメントが多数来ていた最中はかなり不安でした。

なかには「それちょっと言いすぎやろ」と感じるようなこともあったし、「うーん、それは事実じゃないんだけどなぁ」と思うようなことも多々ありました。でも、事実って外から見てるだけじゃわかりようのないことなので、仕方ないんですよね。

執筆者として名前が出ているのも、この文章を書いたのもわたし。読者は見えてるものでしか判断できません。今回のように「企画意図に沿って記事を書いた結果」にも関わらず、たとえば以前書いた「空気が読めない」というエッセイを持ち出されて批評されることもあるだろうな、と思います。

わたし個人に向けられた言葉や非難については、合っているものも間違っているもの含めて、穏やかなものも攻撃的なものもすべて、「そう感じる記事だったんだな」と受け止めました。

世に出た作品を批評する権利は誰にでもあります。いいものは褒めてくれればいいし、悪いものは貶されてもしょうがない。「絶対に悪い評価をされたくない」のなら、「誰にも見せない」以外の選択肢はありません。都合のいい言葉だけを求めるのは違うし、貶されたくなければ、自分でがんばって「いいと思ってもらえるもの」を作るしかない。わたしはそう思っています。

寄せられたコメントについて思うこと

もちろん、心ないコメントに傷付きもしました。

たとえば「馬鹿丸出し」という意見に対して、星が40個以上ついてるのを見たらさ、そりゃいくら鈍いわたしだってショックなわけですよ。精神的なダメージがまったくないとは言えません。「誹謗中傷だ!」と声を上げることも手段のひとつかもしれません。

でも、少なくとも現状では、わたしはそれを選びたくはないな、と思いました。馬鹿丸出しに見えてしまったならさ、仕方ないんですよ。次はそう言ってるような人にも伝わるような記事を書いてやればいいだけの話じゃないの?とわたしは思うわけです。

もちろん傷付きますよ。でも、過去と他人は変えられないので、だったらそれはそれとして割り切って、想いや気合いを次に回したほうが建設的かもしれないですよね。もちろん、これは人に強制するようなものでもないけど。

それに、インターネット上って、普段人には言えないような素の感情を吐き出せる場だとも思うんですよね。時おり行き過ぎるけど。もちろん、明確にわたし個人を揶揄したり、人格を否定するような言動とはさすがに戦わなきゃいけないなと思うけど、記事を読んで受けた印象まで規制するっていうのは、ある種言論の自由を奪うことにも繋がりかねないので、ちょっと怖いな……と個人的には思っています。

もちろん、感想を書く側にも節度を持ってほしいな、という気持ちはあるんですが……それを強要するわけにもいかないしなぁ、という感じです。

わたしなりの、感想との付き合いかた

でも、ネガティブな感想って、リアルでもけっこうみんな持ちがちじゃないですか?たとえば、友達と芸能人について話して「ないわ~」とか、「性格悪そうじゃん」とか、そういう物言いをしたこと/されたことがない人って、たぶんそうそういないと思うんです。

自分が有名とは思ってないけど、名前を出してコンテンツを作って生活をしてる以上は、そういうマイナス面もある程度、引き受けなきゃいけないところなのかな、とも感じるんですよね。

そもそも、感想はエゴサをして、自分から望んで受け取りに行っているもの。インターネットでは古来より「嫌なら見るな」という言葉がよく使われていますが、そもそも自分で感想を見に行かなきゃ、ネガティブなコメントにも気付かないし、ダメージを負うこともないんですよね……

先ほどの芸能人の例でいうと、「ないわ~」を言われた芸能人が「聞いたぞ!おまえこんなこと言ってたな!!!」って探して文句を言いに来ることってないじゃないですか。インターネットって「探せちゃう」から気になっちゃうだけで。

もちろん、そういうことを言ってきた相手が自分の身近な人であれば、今後の付き合い方を考えなきゃいけないな、とは思うんですが、どこぞの知らん人にひどいことを言われてもな……とわたしは思っています。

もちろん、はじめての経験だったので、思うように行かない部分もありましたが、一応わたしは「心身ともに健康な状態の時にしかエゴサをしない」というマイルールを設定しています。

感想を探しに行くのって、地雷原で宝探しをやるようなもんだと思うんですよね。もちろん、「褒められること」「伝わること」を期待してエゴサをするんですが、その逆で「貶されること」「伝わらないこと」もあるでしょうし、何なら後者の感想のほうが多いことだってあるかもしれません。

だから、少なくとも手足が吹っ飛ばないように、ある程度防具を揃えてから行くべきじゃないかな、と思うわけです。もちろん、防具があったって痛い時は痛いんだけどさ……

反省はしても、後悔はしない

というわけで、ショックは大きいんですが、それ以外は比較的メンタルも保っていたし、あまり感情的になることもなかった気がします。ドキドキはしたけどね。

ありがたいことに、はてなさんもちゃんと自分のことを理解はしてくださっているので、今回のトラブルでお仕事がなくなる……ということがなさそうなのも、個人的には救いだったりします。お仕事は大事なので……

もっとこうしていればよかったな、という反省はたくさんあるし、そういう受け取られかたをしてしまったか……という悲しさもあるんですが、ライターは書いたもので評価される仕事なので、次回もっといい記事を作っていくしかないですね。

くよくよしてようが、落ち込んでようが、怒ってようが絶対明日は来るわけで、だったら楽しく待ってたほうが精神衛生上いいですよね。

後悔したところで、過去がやり直せるわけじゃないし、記事も大幅に修正を入れていただいたので、あとはもう次がんばるしかないわけです。いい記事書くぞ~!!!


#エッセイ #日記 #コミュニケーション #人間関係 #思考 #価値観

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