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10. 物差し

物差しという物がある。物差しと言えば小学校の算数の授業から大人の方まで様々な用途で使われる。筆者も物差しは小学校の頃などよく使っていた記憶がある。しかし、物差しというのはどうやら物理的な物差しだけではなく精神的な物差しというのも存在するようだ。

将棋界で有名な羽生善治さんがいる。羽生さんは何十年も将棋を指しておられるが、どうしてそんなに長く続けられるのか、迷いなどないのだろうか?そのような質問をされた時次のように答えられていた。

「僕は何か新しいことを取り組む時はいつも物差しを基準にしていつも考えている。物差しとは自分が結果を出すまでの期間を表し、例えば新しいピアノの楽譜を練習することになった。もしここで一度もピアノが弾けたことがない方であれば「いつになったら弾けるようになるんだろう?」と不安になるでしょう。ですがもしそれが「1年で一曲まともに弾けるようになった過去がある」とすれば新しい曲に挑戦することになったとしても「自分だとこれは1年くらいかかるかな?」とある程度予測することが出来るわけです。そしていざやるからには1年は覚悟して取り組む。そこに迷いは無いんですよ。」

と答えられた。なるほど、確かにその通りである。

羽生さんは新しいことを取り組む時このような目に見えない物差しを使われておられたが、これは応用することも何かと出来そうである。

例えば同じように自分が何か新しく、大学受験のために英語を学ぶことになったとしよう。その時一体どれくらいの期間がかかるかと考えた時「自分だとネイティブスピーカーレベルになるには3年は必要かな?」と分かったとする。しかし自分はいますでに7浪している身だ。ここで3年消費してしまうのはさすがに人生が勿体ない気がするので英語を必要とする大学受験は諦めて、別な専門学校に行ってみようと自分には向いているか向いていないかの選択も素早く行えるというわけである。

現代はものすごく情報に満ち溢れている。テレビにニュースだったりネットや動画に広告などありとあらゆる場所に情報が存在しているのが現代だ。その全ての情報を活用するというのは、限りなくゼロに近い。とすれば、どうやら我々には情報を必要としない、情報を捨てる力というものが新たに必要になってくるようである。例えば「今日着る服は何にしようか?」と考えるのは情報がいつも必要になってくるし、常にたくさんのゲームを持っているようでは費やす時間も膨大になってくるのではないだろうか?

いずずれにせよ、この物差しで見る力というのは何かと便利なものであると思われるのでこれを読んでる皆さんも是非活用してみると良いかと思われる。



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