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人間力を高める読書法

『人間力を高める読書法』
武田鉄矢著 プレジデント社

この本で紹介する本は全てボディビル的な本じゃありません

一言で言えばメソッドを伝える本じゃないんです

メソッドばっかりで人生を過ごしていくとむなしいよ


武田鉄矢の読書歴

私の読書歴の始まりは、司馬遼太郎さんの『竜馬がゆく』です。
十八歳。高校3年の夏。

非常にダイナミックなタイトルが目について、本屋の書棚のその本を手にとったのが“何もかもの始まり”です。
『この本は俺のために書かれたじゃないか!?』
と自惚れた。
でもそう思った時、一冊の本というのは最高の極意を伝える秘伝となるんじゃないかな。
本というのは、誰かが何か言いたいことがあったり、何かを発見したことを書くんですけど、その本の中から、さらに読者が独自に発見したことがその人の人生を揺るがすようになっていく。
そういう気づきがある本って素晴らしい。
売れているかどうかなんて本当に関係ない。

いい本は著者を描く

司馬遼太郎は坂本龍馬のことを描いたけど、逆に言うと坂本龍馬が司馬遼太郎という人を描いた。本というものは、人の人生を描いてくれるものだと言えるんだ。

武田鉄矢今朝の三枚おろし

※この本の下書きになったラジオ番組。
このラジオ番組内で、週一冊、本部を紹介するのが基本。
番組内で週一冊を紹介するのが基本だし、ざっと読んだだけではとても話が持たないんです。
そこで得意だったフリートークで番組が始まった頃はやっていた。
そしたらリスナーからお手紙が来た。
「嘘ばっかり言うな」と。
それからは正確に喋るために、読み方が変わった。

メソッドばっかりで人生を過ごしているとむなしい

この本で紹介する本は全てボディビル的な本じゃありません。
一言で言えばメソッドを伝える本じゃないんです特に昨今は資格ブームだったり『10日で〜できる』とか『お金持ちになる100の方法』などメソッドをうたった本が書店に溢れかえっております。
でもさ、そういう本って、メソッドはあっても知識はないんだよ。
メソッドばっかりで人生を過ごしていくと虚しいよ。
「100のハウツーの内、70まで実現したからもうすぐお金持ちになれる」って考える人生なんて、俺は何か違うと思うんだよね。

知識も同じである

知識も同じなんだよ。
役に立てようと思って得た知識って、その目的の役にしか立たない。
でも、役には立たないけど、直感が働いてなんとなく本屋の店から手に取った本から得た言葉に、10年後にピンチを救われる事ってあると思うんだ。
だから実用性ばかりを本に求めないで、広い分野の本を読んでおくことは、無駄であることどころか、人生を豊かにすることなんだと俺は思うんだよ。
もし読者の方の一人でも
『この本は私のために書かれた本だ』
と感じてくれる人がいたなら、わたくし武田鉄矢は最高に幸せでございます。

この本は私のために書かれた本だ!


まさに私の読書法、読書の価値観や考え方と一致する本だった。
司馬遼太郎の『竜馬がゆく』に出会った。その時が何もかもの始まり。
そう、冒頭に書かれているが、まさに、人生とはこういうものだと思う。
一冊の本に出会うというのは、こういうことなのだ。
本というのは、著者が言いたいことがあって書いていることがほとんどではあるが、その『著者の目的とは全く違う捉え方をする』というのも本の魅力である、というのはまさに武田鉄矢さんが仰っている事そのものである。
私も『メソッド』ばかりの人生というのはつまらないと思った。
私はプレゼンテーションというものを発信していた時期があったが、私も人にメソッドを伝えることに対して、疑問を抱いていた。
メソッドというのはどこまでいっても、小手先にしかならないと感じていたからである。
もっと本質的なものを伝える人にならなければ、人々は私の話なんて聞いてくれないと思っていた。
だからこそこの本には本当に共感し、心から『この本は私のために書かれた本だ』と思える。
『私のために書かれた本だ』と言えるような本にようやく出会えた。そう思っています。

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