疲れた時に読みたい『星の王子さま』
疲れた時に読みたい『星の王子さま』の名言集
文学名言
※『星の王子さま』(サンテグジュペリ/著 池澤夏樹/訳 集英社文庫)の名言紹介
こんにちは、『尾崎コスモス』です。
サンテグジュペリの『星の王子さま』は世界中で長く愛されている作品です。
「肝心なことは目では見えない」
作品を読んだことがない人でも、一度は聞いたことのある名言ではないでしょうか。
でも、『星の王子さま』の名言はこれだけではありませんよ。
ほかにも素敵な名言がたくさん散りばめられていて、読むたびに温かい気持ちになります。
今回は『星の王子さま』の中から、日々の生活でちょっと疲れた時に心に効く名言を7つ紹介します。
星の王子さま (集英社文庫) https://amzn.asia/d/9tctGZn
名言①
「ほら、淋しいときほど夕日を見たいって思うものだから」
「ほら、淋さびしいときほど夕日を見たいって思うものだから」
『星の王子さま』(サンテグジュペリ/著 池澤夏樹/訳 集英社文庫)より引用
王子さまは夕日を見るのが好き。
王子さまの住む星は小さいので、ちょっと歩くだけでぐるりと一周することができます。
つまり、いつでも見たいときに夕日が見られるということ。
多いときには、1日に44回も夕日を見た、と無邪気に言います。
でも、そのときの王子さまはどんなにさびしかったのだろう……。
本当にさびしいときは、ただ純粋にさびしい気分に浸りたくなる。
夕日をじっと眺める時間というのも必要なのかもしれませんね。
名言②
「きみがバラのために費やした時間の分だけ、バラはきみにとって大事なんだ」
「きみがバラのために費やした時間の分だけ、バラはきみにとって大事なんだ」
『星の王子さま』(サンテグジュペリ/著 池澤夏樹/訳 集英社文庫)より引用
キツネが王子さまに言った台詞です。
王子さまは自分の星にいた頃、1本のバラと一緒に生活していました。
バラのために、一生懸命に世話を焼きます。
しかし、わがままで見栄っ張りなバラは、いろいろと王子さまを困らせる……。
王子さまが自分の星を出て、地球に降り立ったのは、バラとの関係がこじれたからでした。
そしてキツネとの出会いによって、王子さまは、バラが自分にとってかけがえのない存在だと気づくのです。
キツネは王子さまに大切なことを教えます。
「肝心なことは目では見えない」
という有名な一節も、キツネの言葉です。
今を生きているとつい忘れがちですが、時間は無限ではありません。
だから費やした分の時間にはかけがえのない価値があります。
名言③
「星がきれいなのは、見えないけれどどこかに花が1本あるからなんだ……」
「星がきれいなのは、見えないけれどどこかに花が1本あるからなんだ……」
『星の王子さま』(サンテグジュペリ/著 池澤夏樹/訳 集英社文庫)より引用
夜の沙漠で、王子さまがぽつりと、「ぼく」に言った台詞。
夜空の星々を見上げながら、王子さまは、自分の星に残してきた1本のバラのことを考えていたのでしょう。
王子さまは、きれいなバラの花のことを愛しています。
あの星々のどこかに、1本のバラがあると想像するだけで、すべての星がきれいに瞬く。
遠くにあるほどきれいに感じる。
それが目に見えなければ、なおのこと。
名言④
この眠る王子さまがぼくの心をこんなに揺すぶるのは、彼が1本の花に忠実だからだ。寝ているときでも、バラの姿が、まるでランプの炎のように、彼を照らしている……
この眠る王子さまがぼくの心をこんなに揺すぶるのは、彼が1本の花に忠実だからだ。寝ているときでも、バラの姿が、まるでランプの炎のように、彼を照らしている……
『星の王子さま』(サンテグジュペリ/著 池澤夏樹/訳 集英社文庫)より引用
夜の沙漠。
眠ってしまった王子さまを抱きかかえながら、「ぼく」は水を求めて歩き続けます。
そして、「ぼく」は王子さまについて考えます。
王子さまは、自分の星に残してきた1本のバラをとても大切にしている。
だから王子さまを見ていると、バラの姿が浮かび上がってきます。
「ぼく」はそのバラのことをよく知りません。
でも、そのバラのおかげで、王子さまがもっと特別な存在に感じられてくる。
目に見えるだけが、その人の魅力ではありません。
その人が大切にしている家族、友だち、恋人、もの。
さまざまな愛情が「ランプの炎のように」、その人を照らし、かけがえのない存在にしています。
名言⑤
この水は身体を養うだけのただの水とは違う。星空の下を歩くことと、滑車のきしみと、ぼくの腕の力仕事から生まれたものだ。だから何か贈り物のように心に利くのだ。
この水は身体を養うだけのただの水とは違う。星空の下を歩くことと、滑車のきしみと、ぼくの腕の力仕事から生まれたものだ。だから何か贈り物のように心に利くのだ。
『星の王子さま』(サンテグジュペリ/著 池澤夏樹/訳 集英社文庫)より引用
沙漠のなかで見つけた井戸。
「ぼく」は井戸から水を汲み上げて、王子さまに一口飲ませます。
受け取った水を、うれしそうに飲む王子さま。
この水は、ただの水ではありません。
「ぼく」から王子さまへの贈り物。
そう考えて、「ぼく」の心は躍ります。
大切な人の思いが込められたものは、一見ただの水でも、心の栄養になります。
受け取るほうも、渡すほうも。
名言⑥
「みんなが探しているものはたった1本のバラやほんの少しの水の中に見つかるのに……」
「みんなが探しているものはたった1本のバラやほんの少しの水の中に見つかるのに……」
『星の王子さま』(サンテグジュペリ/著 池澤夏樹/訳 集英社文庫)より引用
王子さまは地球に来てから、いろいろなことを経験しました。
王子さまは言います。
地球の人たちは、自分の探しているものを見つけられずにいる、と。
「みんな」が探しているもの。
王子さまはそれを、「1本のバラ」と「ほんの少しの水」から見つけたのでした。
気がつくと、何でもたくさん所有しているのが人間です。
でも、ほんとうに大切なものは、手に収まるくらいのものに宿っているのかもしれません。
名言⑦
ぼくの星はたくさんの星の中に混じっている。だから、きみはどの星のことも好きになる……ぜんぶの星がきみの友だちになる。
ぼくの星はたくさんの星の中に混じっている。だから、きみはどの星のことも好きになる……ぜんぶの星がきみの友だちになる。
『星の王子さま』(サンテグジュペリ/著 池澤夏樹/訳 集英社文庫)より引用
王子さまは自分の星へ帰らないといけない。
別れの前に、王子さまは「ぼく」に言いました。
夜、星空を見上げてほしい、と。
でも王子さまの星は、とても遠くて、小さいので、見分けるのがむずかしい……。
だから王子さまは、さびしくならないように、全部の星を「ぼく」の友だちにしてくれたのです。
「ぼく」が王子さまと一緒に過ごした時間は、ほんの短い間でした。
けれど、離れ離れになっても、2人の絆は形を変えていつまでも続きます。
まとめ
『星の王子さま』の言葉は、詩のように奥が深く、何度読み返しても色あせることがありません。
ちょっと疲れた時、ふと読み返してみると、いろいろな名言が心にしみます。
どの言葉が刺さるかは、十人十色。
愛読者それぞれが、そのとき自分に合った名言を見つけられるのが、『星の王子さま』の魅力です。
あなたもぜひ『星の王子さま』のなかから、自分だけの名言集を編んでみてくださいね。
星の王子さま (集英社文庫) https://amzn.asia/d/9tctGZn
とっても嬉しいです!! いただいたサポートはクリエイターとしての活動に使わせていただきます! ありがとうございます!