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手造りカヌーで3年かけて航海

医師、大学教授という複数の顔を持つ探検家が、人類が世界に拡散していった道のりを辿り、次に日本列島に人類が移動したと思われるルートを旅したという話が新聞に掲載されていた。

色んな学術的な観点から選んだ航路は3つ。シベリアから北海道に至るルート、ヒマラヤから朝鮮半島を経て九州に至るルート、インドネシアから沖縄に至るルートだ。沖縄に至るルートでは、海岸で砂鉄を集め鍛治職人の協力を得て斧やナタを作り、200人の学生たちと54mの大木を切り、一からカヌーを手造りしたというから根気のいる作業だ。そのカヌーに学生2人と現地の漁師が乗り、星と島影を頼りに航海し2回の中断を挟んで3年目でゴールしたという。なんだか、ワクワクする話だ。

大学教授でもあるその探検家は、『答えは一つではなく、安易に答えを教えない』という方針なのだとか。一からやると時間もお金もかかるが、徹底的に調べるし色んなことに気づけるから、と言いこれからの時代は、試験で知識を問われることより、問題解決能力が大切になっていくと思う。とも書かれていた。

近年では、ネットの普及により多くの情報が溢れ、検索すれば大体のことは何でも簡単に調べられる時代だ。そのおかげで、知りたい情報を素早く手に入れられる有り難さがある。一方で、じっくり吟味し自分で考えて行動する人が少なくなったようにも感じる。なぜそうしないの?と聞くと、ネットで調べてもヒットしないし、分からないから出来ないと言う。すぐに情報が得られないこと、すぐには分からないこと、時間がかかるものなどに対して、時間を費やすこと、ネットに頼らず人に聞いたり、自分で調べて解決しようとする人が少ないように思う。また、誰かに聞いてもヒントしか教えてもらえないと、行動どころか質問すらしなくなる。その理由は、答えを教えてくれないなら聞くだけ時間の無駄なんだそうだ。知っているならそれを教えてくれればいいじゃないか、と。

知識を得ることも大切だが、行動した経験や体験の中にこそ、たくさんの宝物が詰まっている、という考えはもう古いのだろうか。

<コラム>「挑戦」か、それとも「冒険」か、


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