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アシメ男子と、つゆだく兄弟の合流。

ご無沙汰してしまいました。久々の通勤(と言っても1週間でたった2日)と、久々のパーソナルトレーニングで、ものすごく体力が奪われた30歳です。2か月の引きこもり生活。こんなにもスタミナが落ちたのかと、衝撃が隠せません。

もう一つ衝撃なのは、トレーニングに行ったら、自粛前と変わらないトレーニングメニュー、負荷を思いのほかこなせ、トレーナーさんからは筋力は衰えていないとお墨付きをいただいたのに、体重が2キロも増えたこと。つまり、この2キロはただの脂肪。つらい…。

さて、そんな30歳の悩みはさておき、少し間が空いてしまいましたが、今日はドレミの卒業後にやってきた新たな保護猫、ベータとミイとの暮らしのお話。実はこのベータも、ミイ、クロ、ドレミと同じ多頭飼育崩壊の現場からやってきた子です。この現場からは12頭のうち4頭が我が家で過ごしています。それだけに、思い入れの強い一族。ミイ以外にも、すでに虹のふもとへ行った子が私の知る限りで2頭。団体にまだ残っていて、預かりさんのお家にいる子が1頭。そのほかの卒業生たちが、元気に楽しく里親さんのお家で暮らしているのを見ると、とても幸せなきもちになります。(ありがたいことに、ほとんどの卒業生の里親さんが、SNS等でみんなの元気な様子を発信してくれているので、密かにのぞかせていただいています。こういうの、ボランティアとしては、とてもうれしいのです!ありがとうございます。)

そして、このベータが合流して2週間ちょっとが経った頃、さらなる猫たちが合流してきます…。今日はそのあたりのお話も少し。

うにょうにょ。胴長アシメ男子合流。

ドレミがトライアルに出発して、およそ3週間が経ったころの2016年5月末、我が家に新たに猫がやってきます。ミイたちと同じ現場出身のベータです。ベータはミイたちが保護された翌日、1日遅れでドレミと一緒に団体に保護され、保護されてからは団体のシェルターで過ごしておりました。

またもや、子猫シーズンが到来し、また、同年4月に起きた熊本の震災の影響で、熊本からたくさんの子猫たちがシェルターにやってきて、シェルターがてんやわんやしている状況の時でした。普段、私の活動する団体は東京都の愛護センターからしか受け入れはしていません。保護したい子はたくさんですが、団体のキャパシティの問題もあります。無理に受け入れて団体が崩壊しては元も子もなくなってしまいます。ただ、東北の震災や熊本の震災など、非常事態の時は例外的に受け入れを行うことがありました。そんなこんなで、熊本の愛護センターが溢れかえってしまっていたので、たくさんの乳飲み子が、私の団体にもやってきたのです。

この時、ドレミはまだ正式譲渡となっておりませんでしたが、里親さんからもトライアル中に定期的に様子をご連絡いただき、これはもう出戻ることはないし、無事に正式譲渡になりそう、ということで、長らくシェルターにいたベータを我が家に迎えることにしました。

我が家にやってきたベータ。シェルターではちょくちょく会っていましたが、改めて見ると、にょろにょろ長い。胴が長いのです。そして、動きもなんだかうにょうにょ、にょろにょろしている。なんか、イタチみたい…それが改めてベータをじっくり見た最初の感想でした(笑)。

この多頭一族、ちょこちょこ、お洒落な独特の柄の子たちがいました。ある子は大きい黒い点が口元にあったので「ホクロ」と名付けられたのですが、ベータはアシメの前髪が特徴的な、ちょっと見た目がビジュアル系っぽい(個人の感想です)男子でした。この見た目が追々、素敵な出会いをもたらします。

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(我が家に来た当日のベータ。おっかなびっくりで目が真ん丸。)

小学生?中学生?不器用、甘えん坊男子本領発揮。

ベータが来て数日は、ミイが「お前はだれだ!」と言わんばかりに追い掛け回し、取っ組みあいを仕掛け、ベータがケージに避難するということが目立ちました。ドレミには負けていたミイ、年下男子のベータには強気です。ミイと比べ、2まわりくらい体格のいいベータが、おずおずとケージに戻る様子は、さながら、年の離れた思春期のお姉ちゃんに怒られて、しょんぼりしている小学生男子のよう。

しばらくは、ベータはケージメイン、ミイは部屋を自由に過ごすという、少し距離を置いた生活をしていると、徐々にミイもベータの存在を受け入れ、ベータも穏やかに過ごせるようになりました。(つくづく、新しい子を迎えるとき、ケージはとても重要な役割を果たすなと思った出来事でした。)

すると、だんだんとベータ本来の甘えん坊な性格が出てきます。その甘え方の不器用なこと!近づきたいのに、私の近くにミイがいると、少し離れたところで突然、ドテン!と、ひっくり返ってお腹を出して、なでられ待ち。お腹をなでると、ぐにゃぐにゃ、うねうね。ミイが私から離れているときは、のそのそ近づいてきて、大きな体で体当たり、わりと強めな勢いで私の手や、頬、足に頭をゴツン。(これがちょっと勢いがありすぎて、体格のいいベータにやられると地味に痛い。)抱き上げて膝に乗せると、そのまま、ゴロゴロゴロ。なんだか、素直になれないけど、スイッチが入ると、とってもまとわりついて甘えてくる、中1男子のようでした。

ミイとの関係性にも、だんだんと変化が。最初のころはミイに追い掛け回され、おずおず逃げていたベータが、今度はミイを追いかけまわし、取っ組み合いを仕掛けるように。ところが、体格差も全く気にせず、姉の意地か負けずに応戦するミイ。クロともドレミともまた違う、まるで姉弟のような2人の関係性に、4歳離れた弟がいる私としては、なんだか自分たち姉弟を見ている気分になるのでした。(私たちがそんな微笑ましい、姉弟仲だったかは微妙ですが。)

潤いたっぷり。つゆだく3兄弟参上!

そんなこんなでベータが来て、2週間が経ったころ、まさかの新たな猫たち(!)が合流します。なぜこの子らが我が家に来たのか、迎えようと思ったのかは、ちょっと記憶にありません(笑)。今思えば、正直自分のキャパシティを甘く見ていたなぁと思います。

我が家にやってきたのは離乳してすぐの、子猫3兄弟。団体に保護されたのはまだまだ離乳前の2016年4月下旬。おそらく2週齢くらいで団体にやってきた、はちわれ、くろ、さびの男子2人、女子1人のメンバーです。保護された当初、猫風邪(おそらくヘルペスかな?)で、目も鼻もぐじょぐじょ。目にいたっては、徐々に目が開いてくるころであるにも関わらず、目やにでガビガビに瞼がはり付いてしまい、うっすらあいている目も明らかに瞬膜が眼球にはり付いている状態。当時の代表のSNSを見ると、体つきはしっかりしているものの、目や鼻は決して状態がいい子たちではありませんでした。そこから約1ヶ月半の間は、代表とクリニックの先生、看護師さんが哺乳と点眼、点鼻を3時間おきに行い、少しずつ改善し、離乳もしたタイミングで我が家に3人はやってきました。

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(来た当日の3人。「theやんちゃ」なはちわれ、「theおばか」なくろ、「theおくびょう」なさび。)

まだ、ワクチンをしていない3人は、ミイとベータのいるリビングではなく、寝室にいてもらうことになります。代表や先生、看護師さんの献身的な点鼻、点眼のかいもあって、保護当時よりは目や鼻の状態も改善しましたが、それでもやはり鼻水や目やには、全くの健康体の子に比べると出てくる3人。くろとさびの子は眼球に瞬膜もはりついてしまっていました。そのため、我が家にきてからも定期的な点鼻、点眼は欠かせません。鼻水を吹きかけられることもしばしば…。

ところが、そんな自分たちのつゆだく状態はまったく気にしない3人。遊び盛りのちびっこです。1日中ケージの中でどったんばったん大騒ぎ!時間を気にせずのあまりの騒ぎっぷりに、ちょっと人間の気が滅入るほど…。夜中に仕事から帰ってきて、ケージの中と3人がうんちまみれだった時は、半ベソをかきながらケージの掃除をし、3人を夜な夜なお風呂に入れたのでした。

一方、リビングの大人たちはというと、ベータはまったく子猫のことを気にもせず。むしろ寝室に新参者がいることなんて、気づいていないとでもいうふうに、まったく関心を持つことはありませんでした。その点、我が家の長女、ミイはというと、子猫を預かる時は毎度のことですが、寝室が気になる、気になる!扉の下の隙間から覗いてみたり、隙間に手をつっこんでみたり、何とかそこにいる新参者を確認しようと、毎日必死の行動をとるのでした。(我が家の寝室の扉は引き戸なのですが、追々ミイは引き戸の開け方を覚えます。このころは、そういえばまだ開けられなかったのかとしみじみ。)

名づけチャンス再び!あの時のリベンジは果たして…

さて、我が家にやってきたつゆだく3兄弟。この時はきちんとした名前はまだありませんでした。(代表が便宜的に3兄弟を「3目」と呼んでいました…センス…。)というわけで、再び訪れた名づけのチャンス。思い起こされるミイとクロの名づけの瞬間…(ミイとクロが来た時のお話参照。)今度こそ、団体のHPに並んでも違和感のない名前をつけるぞ!そう謎に意気込んだ結果、つけた名前がこちら。

チーム名:ひとみ兄弟

名前:はちわれ⇒ぐり、くろ⇒つぶ、さび⇒うる

はい。リベンジは果たせませんでした。

「普通」にちょっぴり毛が生えた名前。やっぱり代表のセンスは天性のものと確信。並ぼうとすることは諦めました。

一応名前の由来をお話すると、チーム名は代表が呼んでいた「3目」をちょっとなじみやすくダウングレード。「ぐり」は兄弟で断トツで目の状態が良く、むしろぐりぐりと大きな目だったから。「つぶ」は目の状態が一番悪く、瞬膜が両目とも眼球にしっかりはりついてしまい、つぶらな瞳だったから。「うる」は、兄弟で一番臆病で、目もいつも涙目でうるうるしていたから。というわけで、特徴的な目から名前を付けたのでした。

ドレミの正式譲渡と、ベータの運命の出会い。

そんなこんなで、我が家がさらににぎやかになったころ、ドレミが正式譲渡の手続きで譲渡会に訪れるということで、ミイとベータを連れて参加した6月末の譲渡会。

里親さんとともにやってきたドレミは、とても幸せにあふれていました。里親さんご夫婦がとてもうれしそうに、愛情たっぷりにドレミの近況を話してくださるようすや、家族写真を撮る様子を見て、とてもあたたかい気持ちになったのを覚えています。

団体では、正式譲渡の際に、保護っこたちを引き出した愛護センターに提出するための家族写真を、必ず撮影します。私はその撮影の様子を見る瞬間が一番好きです。いつもと変わらず、すんなり抱っこされて、粛々と撮影を終える子。キャリーから出るのもおっかなびっくりで、思いっきり里親さんに爪を立ててしがみつきながら、なんとか撮影を終える子。出るのはすんなりでも、なかなかカメラのほうを向いてくれなくて、スタッフみんなで猫じゃらしやおもちゃで気を引いて、やっとこさ撮影を終える子。わんちゃんであれば、里親さん家族に囲まれて、なんとなく誇らしげに胸を張って写真に写る子。撮影の瞬間の様子は本当にさまざまですが、なんだかその様子を見ていると、本当に家族になったんだなぁとほっこりした気持ちになるのです。そして、その瞬間に立ち会えるのは、譲渡会スタッフをやっている醍醐味だなぁと思っています。

ドレミの幸せを見届けたこの日、ベータにも運命の出会いが訪れます。小学生の娘さんがいる4人家族のご家庭から、ベータにお申込みが入ったのです。一目ぼれをしてくださったのは、ご家族のお父さん。譲渡会会場で、ずっとベータのケージの前にいる方たちがいるなと話しかけると、ベータを迎えたいとのこと。猫を飼われるのは確か初めてというご家族でした。

お父さんがベータの模様や風貌をとても気に入られたとのことで、迎えるならこの子がいいと、あまりその場でたくさんお話をした印象はないのですが、その点については、すごくはっきりとおっしゃられていたのを覚えています。そのあと、お母さんと娘さんたちといろいろお話をし、猫を初めて飼われるのであれば、人馴れしている落ち着いた成猫がおすすめで、そういった点でもベータはとてもおすすめであることなどをお伝えし、申込用紙をかいていただけることになったのです。

ドレミの正式譲渡の日に、ベータにもお申込みが入るとは…。またもや、預かりとして、うれし、寂しい日々の始まりでした。(一方、ミイは変わらずお申込み無しで、我が家での日々継続。老猫はやはりなかなか里親さんが見つかりづらいですね。)

長くなってしまったので、今日はここまで。次回はベータのトライアルと子猫たちのその後の様子をお話します。ベータが我が家で過ごしたのは、たった3週間ほど。あっという間に卒業をするわけですが、そのあとはめっきり我が家のメンバーは固定化されていきます…。預かりとしては何とも悩ましい現実…。

最後に我が家にいた頃のベータの写真を数枚。

胴の長めなべーちゃん。むっちり。

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やっぱり長い。そして足の使い方器用ね。

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我が家を通過した猫で唯一、ケリケリで遊んだ子。

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しっぽはしっかり太め。なんかやっぱりイタチっぽい。

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甘えん坊で本当はくっつきたがりのべーちゃん。ミイのいない隙に。

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では、また次回!明日更新できるかな…?気長に見守っていただければと思います。

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