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アラフォー公務員の傷病休暇体験④~自立支援医療(精神通院医療)の申請~

自立支援医療(精神通院医療)

 メンタルクリニックに通いだした際、クリニックから自立支援医療(以下、支援)のことを教わり、説明の紙をもらいました。
 とはいえ、この段階では頭がモヤモヤに覆われ、書類なんか見たくもない状態だったので「自己負担が1割になる」「ただし、所得制限がある」という2点だけを覚え、どうせ自分の場合は所得制限超えてるから関係ないだろうなと無視していました。

 休暇から1週間ほど経過し、気分も落ち着いてきたので次の受診までに改めて支援を確認するかと東京都のホームページを確認してみると「区市町村民税(所得割)が年23万5千円以上の「世帯」の方は、原則として対象外」とあり、これなら自分も対象になるのではないかと近所のコンビニで課税証明書を発行したところちゃんと対象の範囲内でした。(特別区民税・都民税(住民税)納税通知書が手元にあれば課税証明書で確認する必要はないのだけど、僕の場合は会社の机の中に入れっぱなしだったのでこの確認方法になりました。)
 収入ではなく税の方で示されているため分かりづらい部分もあるけど、公務員であれば係長クラスまでは対象範囲内に収まるものと思われます。

 申請は区の担当窓口ということで、申請に当たって必要なものを電話で確認すると、まずは制度説明と申請用紙の交付を行うため時間に余裕をもって窓口へお越しくださいとのこと。

申請しよう

 大田区の場合、窓口は区役所とは別の地域庁舎に入っている地域福祉課らしい。ホームページにご丁寧に地図まで載せてもらっているが、まぁ理解力が低下している状態なので、間違えて別庁舎(消費生活センター)に行ってしまう。

大田区HPから引用

 口頭での説明が難しいと思ったので、受付の方にスマホの画面を見せて「この手続きを行いたいのですが、どちらの窓口に行けばよろしいでしょうか?」と尋ねたところ、「こちらは消費者生活センターです」という返答。
 
僕「えっと、ここではないということですね」
受付「はい。こちらは消費者生活センターですので…」
僕「では、この申請はどちらですればよろしいですか?(この建物ではない?)」
受付「こちらは消費者生活センターですので、この受付はしておりません」僕「…。この建物ではないということですか?」
受付「(スマホを確認して)あぁ、この申請ですとあちらになります(指さす)」
僕「あ、あの窓口ということですか。ありがとうございます。(歩き出す)」
受付「違う違う!ここ消費者生活センターだから!この建物出てあちらってこと!」
僕「え、あぁ…。」

 だいぶメンタルには応えたものの、深呼吸してもう一度地図を確認したところ、やっと目的地を把握し、次はスムーズに窓口に行ければいいなとトボトボ歩き出す。

 目的地に着くと、今度は入り口には警備員さんのみで受付担当がいないタイプの庁舎だった。まぁ、壁に各階の案内はあるし安心だねと確認すると、各階で多種多様な自立支援の受付をしていることに愕然とする。分からない…。

 頭が真っ白になりつつなんとか案内を見つつ、「なんだ1階のこの自動ドアの向こうが受付じゃないか」と自動ドアが開くと、一瞬でここじゃないと判断できるオフィスに突撃。受付窓口らしきものもなく、絶対違うなーと思ってたら、一直線に僕の元に向かって女性が歩み寄ってきた。

女性「何の御用ですか!」
僕「!?…えっと、(スマホを見せて)この申請をしたいのですが、こちらではなかったでしょうか」
女性「精神通院?精神通院はここじゃないよ!」
僕「あ、すみません」
(女性帰ろうとする)
僕「すみません!それでは、この庁舎のどこが窓口でしょうか?」
女性「(めんどくさそうに)案内板見ました???」
僕「すみません。見たのですが、各階に自立支援だらけで…」
女性「〇階!〇階に行って!」
僕「あ、ありがとうございます…」

 とりあえず、なんとか階を教わることは出来た。この時点でだいぶボロボロだが、窓口が分かって安心感の方がちょっとだけ上回っている。

 該当の窓口に行き受付を済ませ、番号札をもらう。何個かある窓口では、ご老人と職員が揉めていた。揉めている内容は、どちらも申請者の代理で来た親御さんが子供から提出するだけと渡された書類に不備や不足があるというもの。この場合、親御さんの方は後日不足分を持ってくるのも面倒だし、自分の子が間違えているはずはないという気持ちもあったりでけっこう面倒だったりする。また、そこにマイナンバーの類なんかも絡んでくるから余計にややこしい。大変だなと思いながら待っていると自分の番号が呼ばれた。

 窓口に行くと、体格が良く愛想が無い男性が「こちらが申請書類、こちらが説明資料です。書類が整ったら提出に来てください」と用紙だけを渡して終わらそうとしてくる。
 一応、まだ他の窓口では書類の不備や不足書類で揉めていることもあり、そんなに難しい申請なのかと「ちょ、ちょっと待ってください!えっと、一応書類の説明お願いしてもいいですか!?」と男性を呼び止める。

男性「えぇ?説明なら渡した書類に書いてありますよ?」
僕「いや、えっと、その…。あぁ、お医者さんが記入する欄もあるんですねぇ…」
男性「えぇ、ですからちゃんと読んでいただければ分かりますので」
僕「あ、はい…」

 とりあえず申請用紙は手に入った。冷静になって書類を確認したら、とりあえずマイナンバーを記入して、医師の記載する欄さえ埋まっていれば最悪その場で書き足せるような簡単なものだった。窓口で揉めてたのは別の申請とかなのかな?それとも…?

書類が整いました

 後日、書類を整えて申請に行くと、今度はThis is 公務員という男性が対応してくれた。僕が公務員ということを確認したところで、なんだか同業者としてお互い頑張りましょうみたいな和やかな空気になった。支援の申請は無事に受理され、申し訳なさそうに受給者証は発行まで最短でも一月はかかると言われたが、その間でも支援は受けられるとのことでホッとした。ちなみに、あれから2か月が経過したがいまだに受給者証は届いていない。

 支援が無事に受理されたことで、これでメンタルに関する自己負担は診察、薬ともに1割負担となった。また、それに加えて「所得、疾患等に応じて月額の自己負担上限額」というのもあり、僕の場合は月1万円が上限額となった。

 申請に当って、区役所でちょっとアレな対応をされた点もありましたが、そこは同じ公務員。多分、対応してくれたのは正職員ではなく臨時や障害者雇用の方なんだろうなと理解します。(その人たちが適切な応対が出来ないという意味ではない)
 ただ、やっぱりメンタルの不調を訴えている人は、思考がうまく働かなかったり、言葉がうまく出てこなかったりということもあるので、もう少し優しくしてほしいなとは感じました。

 僕は大丈夫だったけど、僕よりももっと重い症状の人だと、窓口まで行くことを途中で諦めたり、それによって更に落ち込んで悪化したりということも考えられます。支援を必要としている人が適切な支援を受けられることが、その制度が設けられた意義でもあると思いますので。

 自分のこれからの仕事面でも、これは心に留めておこうと思います。

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