体験的手記

なつかしいなぁ〜〜〜〜

15年前の道場

空手師範 癌になる

 副題 「死ぬこと以外はかすり傷 生きているだけで丸儲け」

癌サバイバー 国際武術総合空手道連盟 
      松栄塾 師範 重松 栄一

### プロローグ

あなたは、自分が死ぬことを想像したことが、ありますか ?
人は死んでしまったら、全てが無になるのでしょうか?
死んだ先には、次なる生があるのでしょうか?
自分はこの数ヶ月、毎日そのことを、考えていました。 これから書く様々な出来ことは、生と死の狭間にあった 一人の男の物語です。

### 「発見」

還暦を迎え益々絶好調で稽古をしていました。
じぶんは空手の師範を生業とする還暦の親父です。
江戸川区の西葛西という場所で二十数年松栄塾という空手道場を経 営し、累計、千人以上の人たちに空手を指導してきました。
四十歳で当時勤めていた会社を退職し、空手道場経営を仕事にしました。
その年、目標でありました、極真会の関東大会でマスターズ優勝を勝ちと
り、2005年には、ハワイで行われたIKF世界空手道選手権大会で も優勝することができました。
門下生一人一人も多くの大会で活躍し、息子の敦史はNKBバンタム級タイトルマッチまで勝ちとりましたが不慮の事故(一過性くも膜下出血)でチャンピオンには成れませんでした。
自分が経営する松栄塾からは一流のスポーツ選手、美術家、ヒップホップ演者、モデルなど輩出しました。
9年前には、息子さんが門下生であった元WBF世界クルーザ ー級チャンピオンの西島洋介さんのトレーナーとして野獣ボブ・サップを一ラウンドノックアウト勝ちとなる成果も出せました。

2021年はコロナのおかげで会員も激減しましたが、一時協力金 でなんとか経営を凌いで、持ちこたえました。
小さな子供達に空手を教えことだけが、自分のの生き甲斐だし、道場経営してもう二十年、晴れて還暦にもなり、生涯の目標である達人 になることを夢見て稽古に励んでいました。

だいぶ暖かくなり、もうすぐ初夏かと思う季節、便に異常に気づきました。

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