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介護教育にもリベラル・アーツを!

 この記事は面白かったです。特にリベラル・アーツ(liberal arts)についてのお話は刺激的でした。

 リベラル・アーツとはウキペディアで調べると次のように解説されています。

リベラル・アーツは「実用的な目的から離れた純粋な教養」や「一般教養」とも、または人文学・芸術・自然科学・社会科学などの分野の基礎知識を横断的に学ぶプログラムともされる

Wikioedia

 斎藤幸平(哲学者)さんは、リベラル・アーツの重要性や古典を読んで知的謙虚さを身に付けることが大切だと説いています。

「私がアメリカのリベラルアーツで学び、日本での教育実践においても重視しているのは、古典と向き合うことで学べるクリティカル・シンキングやロジカル・シンキングです。」
「古典を読むことによって、単なるマニュアル思考には収まらないスケールの知の体系に出合えることです。カントやヘーゲルを読むとなると、それを10分でまとめることは不可能です。そこに直面したときのスケールの大きさというのは何か途轍もないものがあって、そのようなものに触れることで、逆に、目先の効率性やマニュアル思考を相対化し、より大きな視点から社会や世界について捉えられるようになります。

100年企業戦略 ONLINE「なぜ古典を読むべきなのか」

 文中の『目先の効率性やマニュアル思考を相対化し、より大きな視点から社会や世界について捉えられるようになります。』を介護の世界に翻訳すると次のようになるのではないでしょうか。

⇒『目先の効率性やマニュアル思考を相対化し、より大きな視点から介護や介護事業、介護事業経営について捉えられるようになります。』

 私は介護職員を養成する介護専門学校などでも、ある程度リベラル・アーツの要素を取り入れて欲しい思います。

 確かに、介護領域の専門性も必要でしょうが、その介護領域は衣食住、心と身体、過去・現在・未来、文化・芸術・娯楽等々、人間の生そのものに関わるわけですので、非常に広い、極端に広いのです。
 介護労働は生活全般、人の営み全般にわたる総合的な労働・お仕事です。
 ですから、一見、無関係と思われても、一端、実用性を離れて、専門性に閉じこもらないで、広い視野に立つことできるような学びが必要だと思うのです。

 介護職を目指す人たちが、倫理学、哲学、美学、歴史学、社会学、心理学、人類学などから、幅広く学べるようになれば良いと思います。
 「空談」しかできないような介護者ばかりでは、薄っぺらな介護にしかならないように思うのです。


 「空談」については、以下のnoteをご参照願います。


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