見出し画像

来訪者が1/2に激減?! コロナ禍・物価高騰を乗り越える、博物館の取り組み

こんにちは! Syncableの並木です。
先日、国立科学博物館さんのクラウドファンディングが大きな話題になりました。貴重な標本・資料たちを守りたいという熱い想い、職員の皆さんが全力を傾けたリターンの品々に、「応援したい」と思った方々は多いのではないでしょうか。

皆さんのお近くにも、博物館、美術館、動物園や水族館などがあると思います。文部科学省の統計によれば、2021年時点で日本には5,771もの博物館・博物館関係施設があるそうです(科学博物館、歴史博物館、美術館、動植物園、水族館などを含む)。

一方でこれらの施設に関して、いま国民1人当たりの年間利用回数は、1.13回。
実はこの数字は、新型コロナウイルス流行前の2018年に計測された2.46回から、半分も減ってしまっているのです。

収入が減ってしまった、全国の文化施設

他にも、コロナ前と比べて利用回数が減ってしまっている施設はたくさんあります。
全国に3,400ほどある図書館の利用回数は、1.43回から1.13回に。特に飛沫感染が懸念された劇場・音楽堂などは、0.18回から0.06回、なんと1/3までに減りました。

チケット代、利用料などが収入の柱になっている施設にとって、明らかにコロナ禍は大きな痛手です。加えて、最近は光熱費や物価が上がっており、施設の維持費も増えてしまっています。


誰もが文化にアクセスできる社会を目指して

一方で本来、文化施設は「お金を稼ぐ」ことをめざすよりも、誰もがアクセスできる場所をつくり「伝える、残す」ことを目的としている、「社会の共有財産」としての面をもっています。

Syncableには、全国の博物館や美術館、図書館などの施設の皆さんにもご登録いただいています。それぞれのご発信からは、「受け継がれてきたものを守りたい」「次の世代に手渡していきたい」という熱い思いがつたわってきます。
運営を支えるためにSyncableをご活用くださっている施設さんを、この場でいくつかご紹介させてください。ぜひ、皆さまにもご共感・サポートいただけたら大変幸いです。

160万円達成!NPO法人石見銀山資料館のクラウドファンディング

島根県大田市大森町にある、「石見銀山資料館」さん。
大森町は、自然と遺跡、そして人々の暮らしが調和している点が評価され、2007年には「石見銀山遺跡とその文化的景観」という名称で世界遺産に登録されています。1976年に立ち上げられた資料館は、50年近くにわたって石見銀山の歴史と魅力を発信し続けている貴重な施設。建物そのものが、120年以上の歴史をもつ歴史的建造物でもあり、加えて誕生から運営まで、市民の意志で続いてきた資料館です。

そんな石見銀山資料館さんにとって、コロナ禍は「開館以来最大の運営危機」だったそう。それでも、「ここでの『学び』に『持続可能な社会』への答えがある」「私たちが館を閉じるわけにはいかない」という思いから、2020年夏にクラウドファンディングを実施されました。

(支援総額は当初の目標100万円を大きくこえています)

クラウドファンディングでは、資料館の運営資金の一部を募りました。メッセージを寄せていたのは、資料館理事長の仲野義文さん。目標額を達成したあと、活動報告に掲載くださった記事が印象的です。

もちろん、クラウドファンドなどは初めての経験。アタックリスト、ステークホルダーピラミッドなど聴き慣れない横文字が並び、時に息子くらいのHさん(注:Syncableスタッフ)にせっつかされることもありました。10日たらずで準備を進め、6月1日の当日を迎えました。

目標金額の100万円は、正直天文学的な数字だと思いました。「40万円くらい集まれば」と、弱気でしたが、わずか12日間という短期間で目標金額100万円を達成いたしました。さらにセカンドゴールの150万円も39日目で到達することができました。本当に感謝しかありません。

私たちは寄付金を支援者の皆様と石見銀山資料館との契約書だと考えています。契約内容はもちろん石見銀山資料館の存続と「学びのバリアフリー」の実現です。契約を履行するためにこれまで以上に頑張ってまいります。

クラウドファンディングは終了していますが、キャンペーンのページはここからご覧いただけます。また、活動へのご支援はこちらのページから参加いただけます。ぜひご覧ください。

241万円のご支援に! 認定NPO法人大阪自然史センターのクラウドファンディング

大阪市立自然史博物館と連携し、自然科学の発展と普及を促すことを目的としたイベントなど、さまざまな取り組みを行っていた大阪自然史センターさん。2020年、コロナ感染拡大を防止するという観点から、拠点の博物館が約2ヶ月間もの休館を余儀なくされてしまいました。
しかしコロナ禍で、予定されていた子ども向けワークショップ等のイベントが軒並みキャンセルとなり、ミュージアムショップも休業。途絶えてしまった収入をカバーするためにさまざまな工夫を重ねながらも、620万円もの資金調達が必要となりました。

大人から子どもまで幅広い方々に、生き物や自然の魅力、楽しさを伝えていく貴重な団体と活動の存続をかけ、資金の一部をまかなうクラウドファンディングを2020年の5月に緊急企画
当初の目標金額であった100万円を超え、241万円の支援を集められていました。

(達成率はなんと242%です!)

プロジェクトの終了後には、スタッフの皆様から支援者の方々に向けた感謝のメッセージが掲載されています。

先の見えない状況にどうしても、この先の不安や葛藤、様々な想いでいっぱいになる日々でした。
ご支援くださった方の中にも、大変な状況の方もいらっしゃったと思います。
そんな中、応援してくださったことを思うと感謝しかありません。

また、ネットショップでは、「緊急!はくラボ応援グッズ」も本当に多くの方に
お買い物でご支援いただきました。
お寄せいただいた応援メッセージにどれだけ勇気づけられ、励まされ、パワーをもらったことでしょう。

こんなにたくさんの心強い応援者がいる!
改めて、みなさんとのつながりを強く感じる期間になりました。
最後まで挑戦でき、応援してくださった人たちのためにも
絶対達成したいと思い、行動を続けることができました。
最後まで応援していただいた皆様、重ねて御礼申し上げます。

サポーターの皆様との絆、思いやりを感じる大阪自然史センターさんのメッセージに、私たちSyncableスタッフも元気をいただき、改めてSyncableという場の可能性に気付かせていただきました。

当時のキャンペーン・ページはこちらです。
また、大阪自然史センターさんには、こちらからご支援いただけます。

SNSで話題になった、ひめゆり平和祈念財団さん

ひめゆり学徒隊の沖縄戦体験を通して、戦争の悲惨さ、命の尊さを伝え、平和への思いを未来につないでいく活動をしている、沖縄県のひめゆり平和祈念財団さん
やはりコロナ禍で大きな影響を受けており、2021年6月には、twitter(現X)で運営の危機について発信されていました。ニュースでも、その苦境が報道されています。

この投稿にはtwitter上で1.6万件のリツイート、1.4万件の「いいね」を集めています。「少しですが…」「気持ちですが…」というコメントとともに、たくさんの方々からの声援、ご寄付が集まっている様子がうかがえました。

※当時、Syncableは海外クレジットカードに対応していなかったのですが、多くのご要望をいただいた結果、2023年から対応できるようになりました。ご不便をおかけしてしまった皆さまに、この場で改めてお詫び申し上げます。貴重なお声を寄せてくださった皆さま、誠にありがとうございました。

他にも、ひめゆり平和祈念財団を支えたい方々によるバースデードネーションも開催されています。


皆様の誕生日や記念日を機に団体への寄付金を募る、バースデードネーション。
ひめゆり平和祈念財団さんのためのバースデードネーションには、一つ一つに平和への祈り、記憶の継承への強い願いが込められていました。

ひめゆり平和祈念財団さんのためのバースデードネーションは、こちらのページから立ち上げることができます。
また、通常のご寄付はこちらから受け付けています。ぜひご覧ください。

さいごに

いかがでしたでしょうか。「次世代に引き継ぐべき遺産を守りたい」という切実な想いで、行動を起こされている博物館・美術館の方々が、Syncableにはたくさんいらっしゃいます。
Syncableのトップページから、ぜひ探してみてください! そして、今日も明日も、来年も、そしてずっと先の未来まで、大切な遺産が受け継がれていくように、ぜひサポートをお願いいたします。
https://syncable.biz/ 

博物館を運営されている皆さまへ

Syncableにご登録いただくと、クレジットカードやAmazon Payなどを利用してのご寄付や会費を募ることができます。また、クラウドファンディングなどのキャンペーンを立ち上げることも可能です。
詳しくはこちらのページをご覧ください。ご不明点などについては、フォームからお問合せいただけます。ファンドレイジングの経験を積んできたスタッフがご相談にのりますので、お気軽にご相談ください。

参考:プレスリリース「初期・月額費用0円の寄付プラットフォームSyncableが博物館/美術館/資料館向けに資金調達の専用窓口を開設」(2023年8月9日)