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幸せになりたい

先日、高校の同級生から
結婚式の招待LINEが届いた。

"友人"ではなく"同級生"と書いたのは
彼女といろいろあって
ずっと距離をとっているからだ。




高校1年の時、最初の席が近くて仲良くなった。
そのA子、Bちゃんと3人で遊んだり、
そこにC、Dと男子2人を加えた5人で
勉強会を開いたりしていた。

自分に男女グループで過ごす青春が訪れようとは。

そのうち私はCのことを好きになる。
A子やBちゃんにも相談していた。

高校2年生になり、
私はCと同じクラスになれて浮かれていた。

テスト前になると
地元スーパーの2階にあるスペースで
5人の勉強会を開催。
クラスが離れても、部活が違っても
こうして集まれることが嬉しかった。


そんな、ある日。
A子から
「Cに告白して付き合うことになった」と聞かされる。
まさに青天の霹靂だった。


「私がCのこと好きなの知ってるよね?」
「いつから好きだったの?」
「どうして言ってくれなかったの?」


いろんな気持ちが脳内を駆け巡ったが
言葉にすることができず。
その日、A子にどう言ったのか覚えがない。
でも当時、彼女と一緒にいるのが楽しかったので
この友情は手放したくないと思った覚えはある。

その後、
ダメなのは分かっていても気持ちだけ伝えたくて
放課後、Cに告白した。もちろん振られた。

後日ちゃんと話を聞くと、
A子は、実は私より先にCのことが好きだったよう。
知らないうちに2人ででかけたりしていたようだ。
でも、
CはA子のことが
恋愛感情好きなわけではなかった。(らしい)

じゃあなんで付き合ったんだ
とか、
私が先に告白していたら違ったんだろうか
とか、
考えてもしょうがないことをずっと考えていた。



Cと同じクラスになったこと。
最初はあんなに嬉しかったのに、
お付き合いが始まったことを
A子に聞かされた後は
とてもとてもしんどかった。
休み時間になると彼女が彼を訪ねてくるのだ。

「私に気を遣うとかないの?」
「なんで2人が仲良くしてるの見ないといけないの?」


黒い感情が湧きたつ。
それでも本人に言うことはできず、
今まで通り友達として接した。
"許せる自分"でいたかったのかもしれない。



その頃、
所属していた部活動で仕切る立場にいた。
吹奏楽の木管パートのリーダー。
そちらの心労も重なり、
精神的なバランスを崩した。
高校2年の冬のことだ。

頭痛が続き、起き上がることができず
睡眠サイクルが狂い昼夜逆転。
全く学校に行けなくなってしまった。

大量の課題をこなすことで進級はできたものの、
頑張って準備していた定期演奏会には
参加することが叶わなかった。

高3の新学期。
心機一転、私も学校に行くんだ!と意気込んだものの
行けたのは初日だけだった。

(闇に包まれた時期を救ってくれた彼らの話は下記に。)


保健室や部活には少し顔を出せるようになり、
最後の吹奏楽コンクールには
なんとか出場した。

授業にはほとんど参加することができなかったので
卒業は叶わず、
高卒認定資格を取得することになる。



さて、しんどい時期をつくるきっかけとなった
A子とC。その後、卒業前に破局した。(たしか)

A子やBちゃんとは卒業後も友人関係を続けた。
ご飯に行ったり、旅行に行ったり。
前述したが、"許せる優しい私"でいたかったのだろう。

しかし、それにも限界が訪れる。
彼女たちのいろんなところが許せなくなったのだ。

「Cとよりを戻したい」と私に相談するA子。
いろんな条件を羅列して「いい飲食店知らない?」と
聞いてくるBちゃん


私都合よく使われてるだけじゃない?

そう思ったら、プッツリと何かが切れた。

「会っても楽しくない」
「もう会いたくない」


コロナ禍に突入したこともあり
徐々に距離をとった。

それでもたまに来るご飯の誘い。
最初はいろいろ理由を考えて返信していたが
途中からは断り文句を考えるのも面倒で
既読スルーを決めた。

自分の気持ちよりも
相手の気持ちや、
相手からどう見られるかを
考えてしまう私にとって 大きな進歩だった。


こうして
距離をとっているにも関わらず、
Bちゃんから結婚式の招待LINEが届く。
行くかどうか少し悩んだが
ここからまた関係が復活するのは耐えられなかったので
「親戚の結婚式と被った」と大嘘をついて断った。

そこからは連絡が来ることはなくなり
心に平穏が訪れた。




とはいえ、
共通の知り合いはいるのでA子の近況が耳に入る。

「今付き合ってる人と同棲始めるらしいよ」


そう聞いたのは1年半ほど前だったかと思う。
私がうまくいかない婚活に苦しんでいた頃だった。




そして、
先日A子から届いた結婚式の招待LINE。
迷うこともなく、断る一択だった。


LINEを見た瞬間に思ったこと。

「あなたがきっかけで
とっても苦しんで、辛くて、
こんなに人生が狂ったのに
あからさまに避けてるのに
まだ私の気持ち蔑ろにするつもりなんだ」


「おめでとう」とも
「幸せを祈ってる」とも思えなかった。

人の幸せを願えない自分の心。
終わってるなと自分でも思う。
でも、誰か、どうか、許して。


そんな愚痴をこぼした私に、
親友がかけてくれた言葉。

「全世界を代表して私が許す!!!!!!」

なんて力強くて、温かい人なんだろうと。

親友に感謝して
私は欠席の返事をA子に送った。



ああ、幸せになりたい。

結婚だけが幸せじゃないことはわかっている。
それでも私には結婚願望があって、
彼女もそれを望んで手に入れたのだ。

幸せに、なりたい。

幸せは比べるものじゃない。
それでも
彼女より幸せになりたいのだ。

そう思う私を、
まず私が許してあげたい。
まだまだ難しいけれど。

"自分の嫌いなところを受け入れる"
私の永遠の課題だ。


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