日本全都道府県に行ってきた(四賀に行ってきた)
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11月1日
あらあら、フラフラと旅をしているうちに、月も変わってしまった…。
今日も松本なので、まずは朝ラン。
目的地といえば、松本城しかないよな…。ここのお城は、本当に素敵なプロポーションだ。
昨日と違ってこの日は曇天だったけど、低い雲が垂れ込める中ですっくと立つ天守閣と、それを静かに映すお堀の佇まいは魅入らせるものがあった。毎日見ても飽きないんじゃないかな、たぶん。
ところで、日本のビジネスホテルは某チェーンを含め、大浴場があるところが多いよね。場所によってはそのお湯が温泉だったりする。
僕が泊まっていた宿もそうだったので、走った後にゆっくりお湯に浸った。
朝ランニングに行って、ホテルに帰ったら即温泉に入れる…これはもう心身共に最高のリカバリーである。
さて、今日の予定。
昨晩、「松本の食いもんうめ~!」みたいなツイートをしていたら、メルボルン在住の友達が、
「松本まだいるの?友達が住んでいるんだけど引き合わせようか?」
とメッセージを送ってくれた。
旅先で友達の友達を紹介してもらえる、というのは醍醐味!ローカルの人に案内してもらえるなんて素晴らしい機会を逃す訳にはいかないので、ぜひぜひ!とお願いし、早速グループチャットを作ってご紹介。
こういうのがあっという間に世界のあちこちを結んで出来てしまうってのは、考えれば考えるほどものすごいことだなあ、と改めて思う。
ということで、この日の10時頃にホテルに迎えに来てくれることになった。
雨が降り出した中、車でわざわざやって来てくれたのは、僕と同じくらいの年代の元気な女性だった。とっても気さくな方だったので、初めて会ったという気がしなかった。
僕の話、松本の話などをしながら、車は松本の市街を抜け、ぐんぐんと山に入っていく。
雨脚もそれなりに強くなってきたので、少し幻想的な雰囲気だ。
着いた先は、 四賀という集落で、本当に山あいの小さな集落なのだが、その昔は善光寺街道沿いの宿場町で、かなり賑わっていたそうだ。
友達の友達であるTさんは、そこで古民家を改修してカフェ・宿泊施設を営みつつ、キッチンカーもやっていたりと、なかなか面白い活動をされている。
雨に濡れそぼる民家、静まった雰囲気が最高だった。里山、という言葉がぴったりの、山に囲まれた盆地で、周りは降りしきる雨の音だけ。
Tさんの家(古民家)を案内してもらった。晩秋の里山にある民家はやはりしんしんと冷え込むが、古い家ならではの温かみも感じられ、こういう家にひっそりと泊まってみるのも命の洗濯になるだろうな、と思った。
ここでコーヒーをごちそうになった後、Tさんに「とてもすてきな喫茶店があるよ~」と言われ、車ですぐの場所にあるのが、この建物!
わ、山あいの辺鄙な場所(失礼)なのにこの重厚な建物は!
先程も触れた通り、この辺りは以前は重要な街道で、この建物はその宿場本陣だったそう。今は宿泊施設になっている。
その離れのややモダンな建物が今では喫茶店になっている。
こちらも和風建築なのだが、窓ガラス、ステンドグラスあたりが大正ロマン…なんともまあ懐古的。
Tさんは勝手知ったる家のごとき足取りで中に入り、食べ物をオーダーした。
たまごサンドがおすすめ、というので頼んで、出てきたのがこれ!迫力…。
これも美味しかったけど、「ここのプリンも美味しいから!」と言われてオーダーしたプリン、見てくださいよ。
銀色のお盆とカップにすっくりと立つ、褐色の色合いが艶めかしいプリン。その上に渦巻く真っ白のクリーム。その更に上に垂直に伸びるチェリー。
これほどまでに完璧なプロポーションのプリンを食べたことはなかったかも…。
いや、食べるのが悪くなるようなそれはそれは素敵なプリンでした。
帰りがけにはこの地区にある化石博物館も案内していただいた。
小ぢんまりとした博物館だったけど、この地で発見されたマッコウクジラの全身骨格化石が展示されていた。
海なし県である長野県の、さらに山あいにあるこの場所から、大きなクジラの全身化石が発掘されたって、とてもロマンチックだなあ…。
いやいや、友達が気を利かせてくれなければこのような目立たない場所に来ることなどはまずありえなかったので(特に僕は車を持ってないので)、貴重な体験に感謝しきりだ。
この晩も晩ごはんを探してうろついたが、お目当ての場所が定休日だったりで、いや困ったなあ…と思ったら例の場所に出たのでとりあえず喉を潤わせる。
ビールでリチャージ完了したので居酒屋に入り、今度は地酒と…信州といえばまずは山のもの…舞茸の天ぷら。
そして〆には信州そば。
今日もよく食べよく飲み、新しい発見や人の出会いもあって充実した一日だった!
(つづく)