TOEICはなぜ必要か
就職の際,TOEICのスコアが必要となる企業は多いです。また,必須でなくても,もっていたほうが有利な企業が多いのも事実です。また,企業によっては入社後もTOEICの受験を求め,昇進や昇級にかかわるなんてことも耳にします。では,
なぜTOEICなのでしょうか。英語を使う企業であればわかりますが,英語を使って仕事を行わない企業でもなぜTOEICが必要なのでしょうか。
今この立場になって,改めてTOEICの問題を解いてみると,企業側がTOEICを重視する理由がなんとなくわかります。TOEICで問われるのは英語力だけではないからです。
まず,TOEICは "Test of English for International Communication" の略です。TOEICはそもそも,
コミュニケーション能力
を幅広く問う試験なのです。だから,リスニングパートでは,PART 2で,発話に対する応答を選ぶ形式の問題が出題されます。遠回しな言い方で返答するような問題も多く出題されます(「変化球問題」なんて言ったりします)。リーディングパートでは,PART 7で,メールのやり取りやチャットのやり取りなども出題されます。これもコミュニケーションの場面のひとつです。
また,TOEICでは,
情報処理能力
が求められます。リーディングパートではとにかく問題量が多く,終わらせるにはかなりの処理能力が求められます。PART 5で文法問題が出題されますが,選択肢から瞬時に問われるポイントを察知して解かなければ,後ろの問題に時間を残すことができません。
PART 7では,複数のパッセージを読み,情報を照らし合わせて解答を導かなければならないものや,単一のパッセージでも複数箇所を照らし合わせないと解答を出せないものも出題されます。リスニングパートのPART 3,PART 4では,先に設問・選択肢・グラフなどを読み,必要な情報を確認して,聞き取ることが求められます。そのため,リスニングでも実は常に読んでいます。
つまり,TOEICでは,120分の試験の間に,相当量の英文を読んだり,聞いたりして,常にさまざまな処理を行っています。
よって,英語力はもちろんですが,TOEICという試験は仕事をする上で必要な力を測ることができるといえます。だから,英語が必要だろうがなかろうが,企業はTOEICのスコアを求めるのでしょう。
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