「反○○運動」している人たちが見ている景色を一緒に見てみました
中国で「反仏(フランス)騒動」にまぎれ込んでみたら、騒いでいる中国人の気持ちがちょっと分かったよ
という話を書きます。
どんな風に理解されるか分からないのでドキドキしています...
政治的な話とか、思想の話をするつもりはありません!
中国寄りの意見を言うつもりもないです!
逆に反中国の意見を書くつもりもありません!
ただ純粋に、経験したこと、そこで感じたことを書きます。
ボクは2007年から中国の東莞という田舎町で初の海外ひとり暮らしを始めました。
その初日に分かった悲惨な状況についてもnoteに書いてあるので、お時間あれば読んでみてください。
■2008年は北京オリンピックが開催されました
さて、この北京オリンピック開催直前に起きた「チベット騒乱」のことは覚えているでしょうか。
ボクはこの時のことをハッキリと覚えています。
なぜなら、その影響で起きたカルフールでの営業妨害(反仏運動)に「参加しちゃった」という貴重な経験をしたからです。
◆◆◆
その日も歩いてカルフールに向かっていたのですが、途中でいつもと様子が違うことに気づきました。
いつもなら渋滞だらけのお店の周囲の道路が全て封鎖されていた。
しかも、塞いでいるのは装甲車(!?)みたいなゴツゴツした車。
店の前の広場には群衆。
200人くらいの一般人と、同じく200人くらいの警察とか軍隊っぽい人たちでいっぱい。
「何かが起きている!!」ってドキドキ、ワクワクしながら見ていました。
だってね、当時はスマホも無かったし、ネット環境も悪いし、1人で駐在だし、友達いないし。
要するに、休日がめちゃくちゃ暇だったんです。
だから、ボクにとっては久しぶりのイベントて感じでした。
不謹慎だ!と思われる人もいるかも?ですが、この時点では「反仏運動」だなんて全く思いついてないんです...
ドキドキしながら遠くから見ていると、急に歓声が挙がって、群衆が一気に店側に向かって動き出したんです!
ボクのテンションも一気に上がって何も考えずにそこに混じってみました。
楽しかったですよー。
何を言ってるか分からなかったけど、みんな大声で叫びながらもみくちゃ。
学生時代に通ったパンクバンドのライブみたい!
ところが、突然、みんながカルフールに向かって何かを投げ始めたんです。
バナナとかりんごを投げている人もいました(笑)
すると何人かが石を投げ始めた。
当然ガラスが割れ始めた。
その時に「ここにいてはダメだ!」と思って騒ぎの輪から抜けました。
そして、また遠巻きに状況を見守っていたのです。
■騒動のあとの騒動
そうこうしているうちに、警察が騒ぎを収めました。
その直後に店長が出てきて「今日は営業を続けることが難しい」と閉店を告げたのです。
そしたら、ここからもう一回おもしろいことが起きたんです!
さっきまで石を投げていた人たちが、その時と同じくらいのテンションで
「俺たちはどこで買い物したらいいんだ!今日は買い物するためにここに来たんだ!」
と叫び出したのです。
意味が分からん、って思いますよね...?
でもね、参加したボクはちょっとだけ分かります。
ボクも含めて、あの人たちって、いつも通りに買い物に来たらなんか騒いでたから近づいただけなんです。
暇だから混じっただけなんです。
楽しいから騒いでいただけなんです。
ホント不謹慎でごめんなさい。。。
そもそも大声で騒いでる時に「反フランス!」なんてほとんどの人は思ってないんです。
日本人がだんじり祭りを楽しんでいる感じに近いかも知れません。そもそも「何でだんじりを担いでるか」なんてほとんどの人は分かってないんじゃないですか?
あるいはパンクライブでモッシュしている人たちに近いかも知れません。「誰の何という曲か」なんてほとんどの人が分かってないんじゃないですか?(さすがにそれはないか・・・)
ボクもそうだったように、当時の中国の田舎では娯楽が少なくて休日にやることが少なかった。
だから、理由なんてどうでも良かったんです。
例の諸島の騒動の時にもそんな報道されていましたよね。
あの時も多くの日本人は「意味分からん」ってなっていました。
でもね、ボクはやっぱり意味が分かるんです。
決して肯定はしません。
良いことではありません。
でも、あの輪の中に入ってみたら、彼らと同じ目線でしか見えない景色もあるってことが分かったんです。
そして、そんなことをちょっとだけでも知ってもらいたいな、と思いました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?