産まれた直後は誰もが天才。

ちくまプライマリー新書「何のために学ぶのか」を読んで。

●要約・引用
すべての人間は天才的な能力を持って生まれてくる。ほとんどすべての子供が例外なく、素晴らしい記憶力、感覚力を持っている。ところが残念なことに、その赤ん坊を育てる周りの大人たちが「人間を育てる」ことをまるで知らない。だいたいは子供が持ってい生まれた天才的な能力を活かしきれずに枯らせてしまう。

子供のもって生まれる天賦の才能には、消費期間がある。われわれの一緒の間で一番頭のいい時期、人間としての可能性が最も大きい期間は、生まれてから40か月くらいしかない。あとは徐々に力が落ちていく。小学校に通う頃には生まれた時の何分の一かになっている。中学や高校に進むとさらに落ちて、大学に行く頃にはずっと低いレベルにまで落ちてしまう。

産まれたばかりの赤ん坊の能力がいかに高いかを示すいい例が「ことば」。ことばを知って生まれてくる子供はひとりもいない。でも、一般的な育てられ方をしていれば、40か月の間に一応は言葉を理解し、使えるようになる。その間、「ことば」を教える先生がいたのか?実のところ、いないに等しい。それなのに、子供はほとんど例外なく言葉を覚えられる。

我々は頭の中に、自分なりのことばの「文法」をこしらえている。赤ん坊の頃からきちんとことばを教えてくれない大人の中にあって、無意味なことばをたくさん聞きながら、その中から不要なことばを捨て、大事なものだけを拾って、自分自身の力で文法を作り上げる。たいていの子がその力を持っている。死ぬまで持ち続けるけど、それを自覚することはない。

自分たちが生まれた直後に素晴らしい能力、天才を持っていたということ、これをしっかり自覚したい。そして、今からでも遅くはない、できるだけ人間力を復活させるように努めるべき。

●気付き
年を経るごとに情報や知識は増えるが、学ぶ力は生まれた直後からどんどん失われていくとは衝撃的。学校や卒業してから学んできたつもりだったことはいったい何だったんだ・・・。
でも、逆に言えば、生まれた時から誰もが天才を持っていたということは、大きな救いでもある。
誰もが多いな可能性を持って生れて来たのだという前提で、人と接していきたい。

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