見出し画像

彼の事を本当に好きになったら幸せになった。


顔を合わせる事が多かった。だからいろんな話をして沢山の時間を共有した。

その頃には直感でこの人となら上手くお付き合い出来ると思ったし、好きになるのに時間はかからなかった。

何人かで集まって行っていた食事もあるタイミングで2人になって、一緒に出掛けたし、付き合ってもないのにカップルかのように2人でディズニーに行った。

京都へ行ってはじめて人力車に乗った。お兄さんに馴れ初めを聞かれたとき、付き合ってないからなと困惑していたら私たちの関係性(バイト先の先輩後輩)を説明し出して余計に困惑した。どちらから告白したんですかの質問でようやく状況を理解した彼は恥ずかしそうに笑っていて、つられて私も笑いながら付き合えたらいいのにな、なんて思っていた。

この日の帰りに告白されて、見事付き合うことになった。

お互い好き同士で付き合えるなんて、こんな幸せな事ない。


好きをお互いに積もらせながら2人の思い出をどんどん作っていく。

勿論幸せだった。彼からの愛情も感じていたし、私も彼の事が大好きだった。こんなにも幸せでいいのかと不安になるほどに。

だが、ある日を境に愛が執着に変わってしまった。時間があれば常に一緒にいたいし、帰るのが寂しくてすぐ泣くし、それが会う度毎回なもんだから、相手からしたら迷惑でしかない。

なんでこうしてくれないの?相手に気を遣えたらそんな事しないよね?どうして大切にしてくれないの?

なんて、自分の価値観で全てを見て、何も悪くない相手を責めていた。

そんな自分が嫌で嫌で堪らなくて、少しずつ変わっていこうと努力するようになる。

何か思った時は冷静に相手と話し合って、相手の考えに触れる。いつも自分が深読みしすぎなんだと理解して、お互いに心地いい距離感を考える。けどやっぱり会う時間は作りたいから適度にわがままを伝えて甘える。

嫌だったことは相手を傷つけないように言葉を選びながらきちんと伝える。

そうして2人の関係性を構築していき、やっと、彼の事を好きになれたなと思った。

今までが好きじゃなかったとかそういう事ではなく。

彼の事を理解して、自分の事も理解して、お互いのためを思って行動ができるようになって。ありのままの相手を受け入れられるようになった。執着心などもなくなり、お互いが自然体でいられるようになったからもっと幸せを感じられるようになった。

今までずっと好きでこの気持ちに偽りはないけど、本当に彼の事を好きになれた瞬間だなと思った。お互いを尊重した上で、一緒にいる時は楽しい。ちゃんと相手を受け入れられるようになったなと。


執着心が沸いていた頃はやはり辛い事が多かった。今思えば悩むような事でもないのに悩んで1人で泣いていたり、勝手に物事を膨らませて苛立っていたり。

今では自然体でいられる。だからこそ一緒にいるときも楽しいし、笑顔でいられる。


好きの気持ちが爆発して相手しか見れなくなる事があるし、そうなってしまうのも物凄く理解できる。けれど、自分の事も大切にして、相手にも思いやりの気持ちを忘れずにいたら幸せになれるよなあと。

自分のことばかり考えているうちは、それはまだ好きじゃなくてただの執着。だから私は彼の事をやっと本当の意味で好きになれなんだなあと嬉しくなった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?