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未来夢想 #1

今日は美容室だった。髪を切り、色を抜くいわゆるブリーチの日だ。その昔「脱色」と呼ばれていたのをふと懐かしく思い出す。それも取り締まる高校の先生の顔ごと。

脱色、否ブリーチには時間がかかる。1,2時間は最低でもかかる。なのでその時間は毎度読書の時間にしている。俺の行きつけの美容室には本が新旧織り交ぜて色々あるし。

今回はふと目についた「文藝春秋4月号〜日本の食が危ない!」を読むことにした。歴史ある文芸雑誌の最新号だ。確かうちの親父もよく読んでいたと記憶するが、改めて分厚さを再確認する。この分厚さで1000円程度。紙媒体がなくなる一方の昨今、この文芸雑誌はいつまで持ち堪えられるのだろうと思いながら読み進めた。

「日本の食が危ない!」は素晴らしい特集だった。特に巻頭の鈴木宣弘氏の記事は具体的で、俺もついそう思い込んでいた「日本の農業はこれまで過保護に守られていた」と言うのは大嘘であったことを今更知った。むしろどの欧米諸国よりも「守られていない国」だったことを明るみにしていた。背景は俺も既知の「アメリカからの圧力・要請」によるもの。ここでも日本はアメリカの属国であることを改めて確認する。種子法も種苗方も代わり、この4月からは遺伝子組み換え植物の表記も変わることで、日本の食卓にいわゆるGM作物がますます並ぶことになるようだ。

そして肝心な日本の政治は日に日に酷くなる。醜態を堂々と晒すことでこのまま政治への関心を無くし、諦観を持ってもらい、投票率を下げておこうということなのか?どれだけ物価が高くなっても、少子化が進んでも、まともな対策をせず、逆に海外には何兆円も支援を発表し続ける。これもアメリカの要請によるものなのか。

まんま報道するメディアも酷いし、騒ぐのは一部のSNSやwebニュースだけだし、一億総諦観社会へまっしぐら。海外拠点の日本人は半笑いで日本人なのに日本を馬鹿にしているし。

・・・とネガティブが渦巻く中、先日読んだ内田樹x白井聡「属国民主主義論」を思い出す。そこで内田樹氏は、この、ちゃんと調べると誰もがおかしいと思うであろうことを止められない日本人のことを
「実は日本人は破局を望んでいるのではないか」
と評していて、すごく納得したことを思い出す。

200年続いた江戸時代から明治時代への変わり目の、驚くほどの日本人の変化
太平洋戦争後の鬼畜米英からアメリカ追従への驚くほどの変化
などを例に挙げ、そこに伏流するのは
「もういい加減嫌だ」と言う本音と
「でもそれを自分からは言い出せない」と言う諦観
外的なきっかけさえあればあっさりと、「昨日までの生活は何だったんだ?」と言うほど反転する側面があるんだと。ストレスを溜めることが得意な国民性とでも言えばいいだろうか。かつそのストレスを横に置いておけるセンスとでも言えばいいだろうか。もしこの先政治がガラッと変わる瞬間があったとしても(例えばアメリカ追従から中国追従に戻るとか)、政治家は先の戦争の時と同じように「いや私もこのままじゃ不味いと思ってたんですよ」と言うのだろうし。

そうか、残念ながらこのまましばらくは更に更に堕ちていくんだな。。。そんなことを思いながら仕上がった金髪の髪を靡かせながら裏原宿を散歩する。持つ者は持つ、持たざる者は失う一方の象徴的な場所、、、なようでひょっこり神社などはあったりするから散歩はいい。どんな時代の変遷があっても、守られてきた場所もある、それが日本らしさでもあるよなぁと。根底の、肝となるものだけは守りつつ、ガワは如何様にも変えますよと言うのは、一見、まさに外面的には節操ないように見えて、実は強さでもあるのかもしれない。

俺は目先の大金を勝ち取ることは不得意だけれど、時間はかかったけれど自分が大事にしたいことは見えてきた。拝金主義的アクセス数至上主義な社会には順応できてないから時に苦労はするけれど、消費量さえコントロールすれば生きていくのに苦労しない精神力は獲得できたように思う(努力中だけれど)。ダメなとこはダメなところでちゃんと認めつつ、良いところも探すセンスというか努力というか、そういうことはこれからも大事にしたい。

アメリカ資本主義の息は多分にかかっているものの、明らかに日本的な神社がそこにある。美容と縁結びのご利益のある400年の歴史のある神社だそう。軽くお賽銭を投げ込んで、漠然とお願いした

「よろしくお願いします」



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