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いってらっしゃいにも色々ある。「Have a lovely day at the office,dear」

翻訳や字幕翻訳をお仕事とされている方って、どれだけ言葉の引き出しがあるんでしょう。若者が良い時も悪い時も「やばい」と使うのとは、比べ物にならないくらいの言葉の引き出しがあるのだろうなと想像します。

そんな、翻訳で面白い表現がないかなと思って調べてみました。
すると、面白い卒業論文を発見しました。
表紙とURLを見て、中学生か高校生の論文であることがわかりましたが、こんな形で卒業研究をカリキュラムに入れている学校があるとは驚きました。

論文としての表現は、学生レベルであることは否めないですが、賢明に調べながらまとめたことがよくわかる内容でした。彼が面白いと思った言葉の中で、私も面白いなと思った言葉を引用します。

まず一つ目は皆さんのお母さんがお父さんによく言っている言葉です。これはハリーの叔母であるペチュニアがその夫のバーノンにかけた言葉です。
ペチュニア Have a lovely day at the office,dear.僕のこの文の訳は「会社でいい日を過ごせますように。」です。この文の映画の訳は
ペチュニア「いってらっしゃい、あなた。」
この文を読んで、「なるほど。」と思いました。Have a lovely day /at the office,/dear.クラスタリングをすると「すばらしい一日を/会社で/あなた。」になるので「会社でいい日を過ごせますように。」と訳しました。でも普通、そんなふうに言わずに「いってらっしゃい」といいます。だから
分かりやすい方を使ったのでしょう。

Have a good day!なんて言葉はよく聞きますよね。該当表現はその応用編ですが、いってらっしゃいという表現を"at the office"などの副詞句から思いつくのは、素敵ですね。

逆に、日本人同士で「いってらっしゃい」の代わりに「仕事、エンジョイしてね」とか「今日のオフィスライフ、楽しんでね」とか、そういう言い方にも変えて見送ることもできるんだなと。

個人的には、論文の著者の一言目が好きでした。

まず一つ目は皆さんのお母さんがお父さんによく言っている言葉です。

こんな表現を入れられるなんて、きっと素敵な中学生or高校生ですよね。

気になる言葉、魅力的な言葉を集める共同マガジン「コトバツムギ」を始めました。共同運営者は以前ライティングスクールで一緒に学んだもりやみほさん。私は、月~土までのうち、火・木・土を担当しています。

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