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すいっちの読書日記

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ビジネス書・小説・エッセイなどを読んで、僕自身が感じたことや僕の経験とリンクした部分を伝える記事をまとめています。数個のポイントに絞って書くように心がけているので気軽に読んでくだ…
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#読書感想文

「哲学的な何か、あと数学とか」を読んだ感想(みたいなもの)[後編]

こちらは、「哲学的な何か、あと数学とか」を読んだ感想(みたいなもの)の”後編”です。 前編はこちら 前編と同様に、飲茶著「哲学的な何か、あと数学とか」を読んで思ったことをまとめていこうと思う。 異なる分野は相乗効果で発展電磁気学の成立 本書の中でも書いてあるのだが、電磁気学は「異なる分野の学問をひとつの学問に統合しようとする流れ」で生まれたものだ。 「電気、磁気、光」はそれぞれ全く別の現象だと思われていたものだが、それぞれに相互関係があると分かった。 そこで、これらは

「哲学的な何か、あと数学とか」を読んだ感想(のようなもの)[前編]

哲学の入門書とかを読むのが好きだ。 哲学の原書は難しすぎて挫折してしまう。だから、現代の人によって分かりやすく書き下された入門書で幅広くさらっていくくらいが丁度いい。 今回紹介したい本もその一つだ。 飲茶著「哲学的な何か、あと数学とか」 本のタイトルからすると、哲学の話が主で、数学の話がサブで書いてある印象を受ける。 しかし、内容は「フェルマーの最終定理」という未解決問題に取り組んだ数学者たちの軌跡を描いたものである。 ただ数学的な知識が無くても読み進めることができる

「哲学の先生と人生の話をしよう」で気になったフレーズ④

國分功一郎著「哲学の先生と人生の話をしよう」は読者からの悩みに哲学者の視点から相談に乗っていくオムニバス形式の本だ。 全4回にわたり気になったフレーズを紹介してきた。今回は最終回。 前回の記事はこちらから 前回の記事を読まなくても今回の記事は理解できますが、読んでいただけるとこの本の概要が掴みやすくなると思います。 本の内容から派生して僕自身が考えたことを書いているので、是非読んでくれると嬉しいです。 気になったフレーズp.191 断固反対して気持ちよくなるのでも

「哲学の先生と人生の話をしよう」で気になったフレーズ③

國分功一郎著「哲学の先生と人生の話をしよう」は読者からの悩みに哲学者の視点から相談に乗っていくオムニバス形式の本だ。 長くなりすぎたので全4回に分けて書きました。今回は第3回。 前回の記事はこちらから 前回の記事を読まなくても今回の記事は理解できますが、読んでいただけるとこの本の概要が掴みやすくなると思います。 本の内容から派生して僕自身が考えたことを書いているので、是非読んでくれると嬉しいです。 気になったフレーズp.164 つまり、この二択の中間のことを全く考

「哲学の先生と人生の話をしよう」で気になったフレーズ②

國分功一郎著「哲学の先生と人生の話をしよう」は読者からの悩みに哲学者の視点から相談に乗っていくオムニバス形式の本だ。 長くなりすぎたので全4回に分けて書きました。今回は第2回。 前回の記事はこちらから 前回の記事を読まなくても今回の記事は理解できますが、読んでいただけるとこの本の概要が掴みやすくなると思います。 本の内容から派生して僕自身が考えたことを書いているので、是非読んでくれると嬉しいです。 気になったフレーズp.131 そういう「いばっている」人間は何らか

「哲学の先生と人生の話をしよう」で気になったフレーズ①

國分功一郎著「哲学の先生と人生の話をしよう」は読者からの悩みに哲学者の視点から相談に乗っていくオムニバス形式の本だ。 著者が読者からの相談に答えていく中で、僕が個人的に感銘を受けたり、考えたりした事柄を書き綴っていこうと思う。 この本自体は、哲学者からの視点での人生相談の回答でありながらも、全然堅苦しくなくて読みやすい。 僕みたいに、人生に悩んでいる人はこの本を読んで欲しい。 哲学に触れるはじめの一歩にもなるはず。このnoteも、本の内容から派生して僕自身が考えたこと

【自意識過剰で悩む人必見】若林正恭著「社会人大学人見知り学部 卒業見込み」に見い出した苦悩と希望

こんにちは、すいっちです。 「人見知りだから社会で生きていくのがつらい…」 「自意識過剰で周りの目が気になって生きづらい…」 と悩んでいませんか? そんなあなたに読んで欲しい本があります。 それが、オードリー若林さんが書いた「完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込」というエッセイです。 ■このnoteの概要この本はエッセイと言いつつも、自己啓発や仕事術などの側面も持っていると僕は思っているのですが、 今回は人見知りや自意識過剰の人が読むと、心が軽くなるという面

小さな気づきが転がっているかも【全方位読書案内】

最近、読書を習慣にすることを心掛けている。 そこで、ただやみくもに本を読むよりも、ある程度指針があったほうがいいなと思い、まず「読書案内系」の本を数冊読むことにした。 その中の一冊、齋藤孝 著「『何から読めばいいか』がわかる全方位読書案内」という僕の願いをまるまる叶えてくれる本に出会った。 齋藤孝さんといえば、フジテレビの番組「全力!脱力タイムズ」でもお馴染みの教育学者である。 ただ、結論から言うとこの本を読んで一番心に残ったのは「この本を読もう!」ではない別の気づき

【書評】悲観する力 ―"悲観"はむしろ長所―

まず、逆説的なタイトルに惹かれた。 「悲観する力」まるで悲観することが良いことのように書いてあるではないか。読んでみたら実際にそのような内容が書かれていた。 僕の「すぐ悲観する」という性格はマイナスではなく今を生き抜くためにプラスに成り代わる性質だったのだ。 悲観は悪いことではない。むしろ、必要なことだ。 目の前の問題を見ないふりして、最悪の事態に陥るのが一番の問題である。 問題が起きないように最善を尽くすのはもちろんだが、万が一問題が起きてしまった時の対処も考えて

お笑い好きの僕が独断で選んだ芸人のエッセイおすすめ7選

芸人が書くエッセイが好きだ。 書店とかに並んでるのを見るとつい気になって買ってしまったり… お笑いナタリーで芸人が書くエッセイの新刊が出るという記事を見ると、なんとなく発売日までソワソワしてしまう。 テレビやライブで活躍する芸人たちの内面や違った一面に近づける感覚があって、その苦悩や思慮の深さにグッと来てしまう。 芸人が普段見せない「人間」としての側面を垣間見ることができるから、僕はエッセイに心惹かれるんだと思う。 そんな芸人エッセイ好きの僕が今まで読んできた中で、特

”会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方”がタイトル通りすぎた

僕は簿記3級を取得したのですが、 そのきっかけになったのが 「会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方」でした。 クイズ形式で会計を学んでいくことで、 楽しみながら知識を身に付けられます。 この本のメリットを紹介します! ✅分かりやすく記憶に残りやすいなぜなら、実際に自分でクイズの答えを考えるからです。 本に出てくる登場人物と一緒に「会計クイズ」を考える実践型の形式なので、思考をめぐらせた分記憶に残りやすいです。 しかも、初心者でも分

学校に行きたくない君(と僕)へ

僕は定期的に学校に行きたくなくなる。思い返せば、小学校の時から行きたくないという思いはあったと思う。特段いじめられているわけでもないし、勉強ができないわけでもなかった。嫌な奴もいたけど、優しい奴もたくさんいた。 それでも、行きたくないときは行きたくないのだ。これだけ恵まれてて行きたくないっておかしいよなあと思いながら、そんなこと思ってないふりして生きてきた。それがまた揺らぐきっかけがあったので、この本を手に取った。 僕は理系の研究室に所属しているのだが、研究室内の機械の工

自己啓発の終着点

今までいろんな自己啓発本を読んできた。ただ結局言ってることは皆同じ、「行動しろ」の一言に集約される。 行動するためにどうしたらいいか?ということを具体的な方法だったりとか、メンタルだとか、違ったアプローチで説明しているに過ぎない。 (どうやってこの俺に行動させてくれるんだい?という視点で見るのも面白い) まあそんなこんなで、数多くの自己啓発本を読んできたのだが、結局たどり着くのは中学時代に読んだ若林さんのエッセイ「社会人大学人見知り学部 卒業見込」の一節だ。 性格とは形状

「推し、燃ゆ」を読んで

芥川賞を受賞した宇佐見りんさんの「推し、燃ゆ」を読んだ。 普段、このご時世なので出かけることも少ないのだが、今日はたまたま出かける用事があった。そこでたまたま本屋に立ち寄り、たまたまこの本を見かけ(と言っても芥川賞受賞作だからめちゃくちゃ目につくとこにあったけど)、オードリー若林さんがインスタのストーリーに「推し、燃ゆ」の単行本の表紙を撮った写真を上げていたことを思い出した。 興味をもった僕は、特集コーナーのPOPに目をやると、著者が21歳だと知り、ショックを受けた。21