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座談会「子育て中の働き方、どうしてる?」

ケース担当できる?福祉職の子育て中の働き方

子育て中に、ケースワークなど担当がある仕事をしながら働くのは難しい、という声をよく耳にします。特に子どもが乳幼児期に多い悩みでしょうか。

仕事+家庭という単純な時間的忙しさに加えて、職場に同じ立場の人がいなかったり、相談できる人がいないことで、心身共に疲弊してしまうことも…。

そこで今回、みんなどうしてる?を話せる場を作ることになり、5人のソーシャルワーカーでざっくばらんな悩みや工夫のシェアをしました。

参加したソーシャルワーカー

今回お話したのは、男性1名、女性4名、0歳~12歳の子どもを育てているソーシャルワーカーです。

・3人きょうだいを育てながら、夫婦で話し合い、働き方の工夫をしてきた
・家族の仕事の都合で転居しながらキャリアを試行錯誤してきた
・不妊治療をする中で働き方を悩みキャリアチェンジしてきた
・子育てしながらの働き方を職場に理解されずに転職した

…などなど、多様な背景がそれぞれにありましたが、いくつかの要素ではお互いに共通点もあり、話の尽きない1時間でした。

主に、「暮らしでの工夫」「仕事で悩むこと、思うこと」の2つのテーマで話が進みました。

暮らしの工夫

まずは1人ずつ自己紹介。みなさん、どうですか?とゆるく「暮らし」の話からスタートしました。出てくる出てくる、日々の工夫!

●正社員になる前に宅配弁当を調整し、食洗器や洗濯機など家電などに投資しました
●家電関連は全部導入。ご飯作りと買い物に行くことはなるべくしないことに
●全自動洗濯乾燥機を購入
●現在賃貸に住んでいるが、家賃が少し高くても周辺環境が良い所を選びました
●時間指定ができる宅配を活用しています
●宅配や生協なども目的別に活用しています
●服をパターン化して、選ぶ手間を減らした

家庭と仕事を限られた時間内で行うために、日々さまざまな工夫をされていました。全員がうなずく場面も多く(笑)、皆さんの1つ1つの暮らしの工夫が垣間見れました。

全自動洗濯乾燥機、食器洗い乾燥機、ルンバは共働きには必須(!?)のアイテムかもしれません。

一方、「料理はしたい。でも洗濯は機械におまかせ」など、自分の好みや得意・苦手に合わせた工夫もされていました。これも人によって優先順位が違うけど、QOLを上げる大事な選択だと感じました。

仕事で悩んだこと、思うこと

仕事での悩みでは、主に「仕事と子育ての両立」と、「職場や社会の環境」という2つの大テーマでお話しました。

仕事と子育ての両立

●育休から復職後の数年は、状況把握で精一杯。
自分の働き方を考えられるようになったのは3年ぐらいたってから

●子どもが3歳になるまではパニックだった。イライラもしていて周りにも当たっていた。その時に働き方を考えて、結果辞めることにした

職場や社会の環境

●保育園に預けるためにフルタイムで働く必要がある。目一杯働くことがデフォルトになっているのが辛い
●会議が業務時間外に設定されており、子育て中は参加するのが難しかった。参加ができないと、周りの同僚に迷惑かけてしまうのが心苦しかった
●ケースが担当制で悩んだ。辞めずらい環境。辞めたら他の人に迷惑かけてしまう
●仕事でミスが続いたときに、上司が声をかけてくれて相談することができたが、自分からは相談しづらかった

こういった状況の中、それぞれに想ってきたことや工夫してきたことも話に上がりました。

●職場の環境としては子育てに理解はあったが、純粋に自分自身の気持ちが苦しくなり、子どもにも職場にも申し訳ない気持ちに
●仕事では時間制限や子どものことで休むこともあり、本来の力が発揮できていないフラストレーションがあった
●フラストレーションをへらすために、何を大切にしたいかで考え方を切り替えた。私の場合は子どもと家族を大切にしたいと思った

などなど、職場の環境、自分自身の気持ち、働きかたなど、誰もが悩みながら働いていました。

話してみて、みんなの感想

●福祉業界はいい仕事なのに、働きづらいなと思ったり。今はやりたい業務(相談業務)ができていない環境だが、これからどうしていきたいか、改めて考えたいと思った。色んな環境なかたがいて、またお話ししたいなと思いました。
●まだ子どもが1歳でこれからのことを考えている。聞きながら、自分のなかの優先順位を改めて思い返すことができました。
●働き方は今後もずっと変わってくると思う。その時その時で何を大切にしたいかを考えるのが大切だなと思いました。この場でも、職場でも、お家でもまずは話してみるのが大切。色んな働き方の選択肢をもてる社会にしていきたいなと思いました。
●ソーシャルワーカー同士の横の繋がりがなかったので、繋がれてよかったです。いい仕事だけど続けられないのは社会課題だと思う。また相談しづらいからこそ、自らも声がけしていくのが大事だなと思いました。
●今も子育てのことと夫の転勤に関してはずっと悩んでいる。何を大切にしたいかで、今後のキャリアを考えていきたいなと思いました。

子育て中のソーシャルワーカー同士だからこそ話せる、共感できることも多かったです。

働き方に悩んだ結果、「この職場じゃ難しいから転職をした」という選択をした人も多かったです。現実に難しいことも多いですが、こうして「話してみる」「聞いてみる」だけでも、心が少し晴れて支え合える機会になるんだな、と感じました。

今度は、子育てを経験したからこそ分かったことや、見えたことなども聞いてみたいな、と思います。

また、今回は「子育て中の支援者」というテーマでしたが、乳幼児の子育て期にはこういった辛さが浮き彫りになりやすいだけで、介護やご自身の病気などで、試行錯誤しながら働いている人も多いはず。誰もが働きやすい環境、文化を作っていきたいですね。

▽ この記事を書いた人 ▽
・森 和美
精神保健福祉士/公認心理師
大学で心理学を学び、社会人になってから養成校で精神保健福祉士取得。
就労継続支援B型/就労移行支援での支援、福祉系企業の人事を経てフリーソーシャルワーカーに。6歳児の子育て中。

・大瀧 聡美

社会福祉士/精神保健福祉士/保育士
大学で社会福祉士を取得し、その後精神保健福祉士・保育士を取得。営業職、病院でのソーシャルワーカーを経て福祉系企業のサービス開発に携わる。5歳児・0歳児の子育て中。


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