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商標登録は自分の財産を「見える化」してくれる。不動産登記に似た制度


商標登録はした方がいいのか?

正直どっちでもいい。

「した方がいいんですか?」と質問する裏側には、「できればやりたくない」、「必要と言うなら仕方ないからやる」という気持ちが透けて見える。

だったらやめときな(笑)

そんな気持ちでやるなら、仮に商標登録に成功して商標権を取れたところで、その権利をろくに活用できない。ただ、登録証を額縁に入れて、自己満足しておしまい。
商標登録しないとしても、商標登録のメリットがなくなり、商標登録をしなかった時のデメリットを全て自己責任で背負うことになるだけ。

ただね。

しっかりネーミングを作り込み、ブランドを育て、信用商売をしたいのであれば、商標登録しておいた方がいいんじゃないの?
価格競争の海に放り込まれたくないなら、やる意味は十分あると思う。

弁理士として商標登録の仕事をしていると、「商標登録って、した方がいいんですか?」という質問をよく受ける。本当によく受ける。
それだけ、商標登録・商標権のことを理解していない人が多いということだ。

商標登録は不動産登記と似ている

商標登録のことがよくわからない人は不動産登記になぞらえてみるといい。実際、似ている制度だから。

不動産登記は家や土地(財産)が誰のものか、持ち主をはっきりさせるための制度だ。自分の財産を法律的な書面で「見える化」してくれる制度、と言い換えてもいい。

かたや、商標登録は商標(事業に用いる商品名やサービス名、そのロゴマークなど)、ひいてはその商標の上に乗っかったビジネス上の信用が誰のものか、持ち主をはっきりさせるための制度だ。
商標は知的財産という名の目に見えない財産。商標登録はそれを「見える化」してくれる。

自分の家に不審者が勝手に上がり込んできて住み始めることはまずないよね。それは目に見えるから。目に見えれば追い出すことができるから。
でも、名前やロゴマークを勝手に使われていても、すぐにはわからない。日本中、どこでも勝手に使えるし、それを見つけるのは難しい。

商標登録は見えにくい財産を「見える化」してくれる

マイホームを買った時、「不動産登記ってした方がいいんですか?」って聞く人はいないじゃない(笑)
それが自分の財産を守るためにやらなければいけない手続きだ、ということをなんとなくは知っているから。

でも、よく考えてみて。

商標登録は目に見えにくい財産、勝手に使われる可能性が高い権利を守るためのもの。不動産登記と同じくらい、いや、不動産登記以上にやっておいた方がよさそうだと思わない?

ビジネスをする上で、商品名やサービス名を使うことについてあまり頓着しない人が多いなと感じる。
あなたのやってることは、住み心地の良さそうな空き地があったからそれが誰のものかも確認せず、勝手にテントを立てて住んでるようなものだよ。
その空き地が既に誰かのものであれば普通に怒られるし、仮に誰のものでもなくたって腕っぷしの強いやつに追い出されるかもしれない。

ブランドを育てて信用商売をするまでには長い時間がかかる。それなのに、そんな不安定な状態でビジネスをやってて心配じゃない?

「うーん。商標登録のことを考えた方がいいかも…。」

そう思った人は…。
ワタシにデンワしてください。ドーゾヨロシク(片言)