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ネーミングはミステリアスに

弁理士/ネーミングアドバイザーのヤマダです。

ネーミングは分かりやすい方が良い。それも一理あります。

でも、私は「ミステリアスなネーミング」を付けた方が認知度を上げる効果が高いと考えています。

■ 多くの人がネーミングで失敗する理由

多くの人がネーミングで失敗するのは、分かり易くしようとして商品内容を説明するにすぎないネーミングにしてしまうからです。

ネーミングの役割は商品内容を正確に伝えることではありません。
そのネーミングを見聞きした人の注意関心を惹き付けることです。

説明って面白くないじゃないですか。
誰も好んで聞きたいとは思わない(苦笑)
だから、説明的な名称では関心をもってもらえないんですよ。

例えば、「鼻セレブ」が売れなかった頃の商品名は「モイスチャーティシュ」。まさに説明的な名称です。

この2つを比べれば、どちらが魅力的なネーミングかは一目瞭然ですよね。

ネーミングでは、商品の内容を理解してもらうよりも、「何これ?」と、目を留めてもらうこと、立ち止まってもらうことの方が大事なんです。

わからない部分、謎めいた部分、ミステリアスな部分があった方が人の興味を惹けるということです。

■ エヴァンゲリオン・庵野監督のネーミングテクニック

この手法をうまく取り入れているのが、エヴァンゲリオンの庵野監督です。
例えば、最新作の「シン・エヴァンゲリオン」。

これを「新・エヴァンゲリオン」と書いてしまうと、「新しい」、「最新作の」程度の意味合いになり、極めて凡庸で、面白みのないネーミングとなってしまいます。

「シン」と表現することで、「新」、「神」、「真」等、多様な解釈が生まれ、見た人の想像力を掻き立てることができるわけです。


他にも、TV版第24話のタイトル「最後のシ者」。

「シ者」としたことで、「死者」、「使者」、そして、この回のキーパーソン「渚(カヲル)」の3つの意味を含めることに成功しています。
こういう遊び心がファンの間で話題となり、熱狂を生むんですよね。

漢字は表意文字です。
示す意味内容は限定的になります。
正確に内容を伝えるのには有効ですが、面白みはなくなります。

一方、カタカナは表音文字です。
文字自体に意味内容はありません。

表意文字の漢字を表音文字のカタカナに変える。
これによって、ネーミングに多様な意味内容を含めることができるわけです。

■ まとめ

今日のまとめです。

たとえ良い商品であっても、ただ置いてあるだけでは気にも留めてもらえず、商品の前を人が通り過ぎていくだけです。

ミステリアスな商品名を付けることで、商品の存在に気づかせ、 「この名前はどういう意味だろう?」と考えさせてみてはいかがですか?
一定の時間、相手の注意力を商品に向かせることができるので、商品のことを覚えてもらえると思いますよ。


人でも、通り一遍の自己紹介をしている人のことはすぐに記憶から消え去ってしまいますよね。
口数が少なく、どこかミステリアスな雰囲気の人の方が気になる。
気になるから覚えてもらえるんですよ。

ということで、ネーミングもミステリアスにいきましょう!


では今日はこの辺で。


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