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広告収入・スポンサー頼みのビジネスから応援されるビジネスへ

皆さんこんばんは。小さな会社のビジネスプロデューサー・弁理士のヤマダP(@sweetsbenrishi)です。

「ニュースからの学び」

ヤマダが気になったニュースや記事を取り上げ、そこからの学びをシェアします。

今日取り上げるのは、「年俸120円Jリーガー」として活躍されていた安彦考真さんのコラムです。

誤解を恐れず伝える 日本サッカー界は衰退していく

▶広告収入・スポンサー頼みのビジネスの崩壊

この記事には、元・Jリーガーである安彦さんから見た、Jリーグにおけるクラブ経営の危うさが綴られています。

以下、一部を引用します。

僕の率直な感想を誤解を恐れず伝えておこうと思う。これからの日本サッカー界は衰退していく。(中略)

コロナで見て見ぬふりをしてきた現実が360度どこを見ても見えるようになってしまった。クラブ経営は厳しくなり、お願い営業ばかりのスポンサー集めは限界を迎えた。(中略)

どうしてもスポンサーに頼らなければならないサッカー界だが、このコロナでスポンサーをつなぎ留めるすべがなくなった。苦しいのはサッカー界だけではない。そんな中で「お願い」では引き留めることはできない

例えば、ユニフォーム胸部分のスポンサーロゴ。

試合がテレビで放映されれば必ず映されるあの場所に、企業は広告宣伝価値を感じ、その対価としてスポンサー料をクラブに支払っていました。

しかし、今、Jリーグの試合の地上波放送は少なく、その露出機会は激減しています。以前のような広告宣伝効果を期待することはできません。そうすると、出資する企業側のメリットは、「Jリーグクラブをサポートしている企業」という看板だけ。そこにメリットを感じる企業は多くはないでしょう。

こんな状況下では、クラブサイドはただただ頭を下げて採算度外視で資金を提供してくれる優良企業を見つけ、スポンサードをお願いするしかない。これが、安彦さんの言うところの「お願い営業ばかりのスポンサー集め」です。

でも、そうそう都合の良いスポンサーが見つかるものではありません。J1の上位クラブならまだしも、J1とJ2を行き来するエレベータークラブ、J2、J3のクラブとカテゴリーが下がるにつれ、露出度・認知度、ひいては広告宣伝効果も下がるわけですから、資金集めは厳しさを増していきます。

広告収入・スポンサー頼みのビジネスは崩壊寸前のところまで来ているのかもしれません。

▶脱広告収入・脱スポンサーのビジネスは、あの「バルセロナ」でも難しい

では、広告収入やスポンサーに頼らないビジネスモデルは成立するのでしょうか?

Jリーグクラブの広告収入以外の収入源としては、例えば、クラブ会員の会費、チケット料収入、グッズ販売の収益、テレビ放映権料等があります。

実際、これらの収入だけで運営を行おうとしていたクラブが「FCバルセロナ」です。あのメッシを擁し、「レアル・マドリード」と並ぶスペイン・リーガ・エスパニョーラの強豪クラブです。

FCバルセロナは1899年のクラブ創設以来、107年もの間、ユニフォームにスポンサーロゴを付けないことをクラブのポリシーとしていました。

しかし、広告収入なしのモデルでは年々高騰するクラブ運営費を賄うことは難しかった。そこで、2011-2012シーズンからユニフォームにカタール財団のスポンサーロゴを導入し、広告収入を得るに至ったのです。

2020年現在、FCバルセロナは日本の「楽天」とスポンサー契約を結び、ユニフォームの胸には「Rakuten」のスポンサーロゴが付されています。

世界有数のクラブであるバルサですら、脱広告収入・脱スポンサーのビジネスを実現するのは容易ではなかったということです。

▶広告収入・スポンサー頼みのビジネスはGAFAMでも…

広告収入・スポンサー頼みという問題は何もサッカークラブだけの問題ではありません。他のビジネスを営む企業にも同様の問題は存在します。

テレビ、新聞、雑誌等のマスコミしかり。

世界を席巻するGAFAMですらそうです。

この記事のデータによれば、Googleの親会社であるAlphabetは収益の85%、Facebookに至っては収益の98.5%を広告収入に頼っていることが分かります。

iPhone、オンラインストアやサブスクリプション、WindowsやOfficeといった収益の柱があるApple、Amazon、Microsoftと比較すると、GoogleやFacebookの収益構造はいびつで脆弱と言えます。

堀江さんもGoogleやFacebookのビジネスを「広告一本足打法」と揶揄していました。

GoogleやFacebookのような巨大企業でも、Jリーグにおけるクラブ経営と同じ問題を抱えているということです。

▶広告収入・スポンサー頼みのビジネスから応援されるビジネスへ

色々と事例を挙げてきましたが、これらはビジネスのあり方という問題に帰結するのではないでしょうか?

広告宣伝をするというサービスの提供に対し、それに見合った対価を支払う。

商品やサービスとお金の等価交換。

当たり前のように見えるこの図式が崩れつつあるように思います。

このようなビジネスは、いずれコモディティ化(同質化)します。独自の存在価値を失い、価格競争に陥り、淘汰されることになるわけです。

そうならないためには、商品やサービス自体の価値を超えた「選ばれる理由」が必要になってきます。見込み客の理性ではなく、感情を動かす要素です。

この人(会社)がスキだ
この人(会社)を応援したい

そんな人達(ファンや信者)をどれだけ集められるか?
そういう人達を集めるだけの魅力がその事業にあるか?

応援してくれる人たちの数や熱量が事業のスケールに合っていなければ、ビジネスとして成立しなくなる。そんな時代がすぐそこまで来ているように感じます。


クラウドファンディングの仕組みも手がかりになります。

最近、私もコンビニ社労士・安 紗弥香さんのクラウドファンディングの支援者となりました。

安さんへの支援総額は1,311,000円。目標の50万円に対し、達成率262%と大成功に終わりました。

支援者はリターン(返礼品)なんて期待していないんですよ。ただただ、安さんを応援したいという思いで支援をしています。彼女には応援してくれるファンが付いているということです。

別にクラファンをやれということではないです。応援してくれる人がいるかどうかの話をしています。

さぁ、あなたのビジネスにはどれだけ応援してくれるファンや信者がいますか?

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では今日はこの辺で。

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