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自虐系ネーミング?「デコポン」

小さな会社のビジネスプロデューサー・弁理士のヤマダです。

日々報道されるニュースの中から皆さんのビジネスに役立つネタ、知的財産に興味を持ってもらえそうなネタを紹介します。

今日のネタは、「デコポン」です。

■ 3月1日は「デコポンの日」!

今日はこのニュース記事を取り上げました。

実は同じ「不知火」と「デコポン」


このニュースでは、3月1日が「デコポンの日」であることを伝えています。デコポンが初めて出荷された3月1日を記念して、日本記念日協会が登録したものです。

■「デコポン」について

元々、「デコポン」は「清見」と「ポンカン」を交配させた「不知火」という品種です。

「不知火」のうち、糖度13度以上、酸度1度以下の条件を満たし、所定の農業団体から出荷されているものだけが「デコポン」を名乗ることができます。

■ 果物のネーミングについて

日本の果物は美味しいですよね。品種改良も施されて、続々と新しい品種が生まれています。

昔は果物の名前といえば、「不知火」や「とちおとめ」のような品種名を指すことが多かったんですが、最近では品種名とは別に商品名(商標)を付けることが多くなってきました。

例えば、いちごの「福岡S6号」という品種には 「あまおう」という名前が付いています。「かい」「るい」「おきい」「まい」の頭文字をとって「あまおう」です。「甘いイチゴの王様になれるように」という意味も込められています。

「あまおう」等の商品名はいわば果物の愛称のようなものです。

「『福岡S6号』ください!」だと、なんだ堅苦しいじゃないですか(笑)

「あまおう」という名前を付けることで、商品名を覚えやすくなったり、商品に親しみを持ってもらったりすることができるわけです。

■「デコポン」というネーミングについて

「デコポン」は開発当初、へたの部分のでっぱりが不格好で、量産にも適さず、商品価値の低い柑橘でした。

しかし、この不格好なでっぱりという欠点を、むしろ外見上の特徴にして覚えてもらおう、セールスポイントにしてしまおうという逆転の発想から「デコポン」というネーミングが生まれたわけです。

「デコポン」って、響きが可愛らしいですよね。このネーミングによって、あの不格好で見栄えが悪いと思っていた出っ張りが愛おしく見えてくるから不思議です。

欠点も考え方次第で、セールスポイント・アピールポイント・ウリになるわけです。一種の自虐系ネーミングと言えるかもしれません。


なお、「デコポン」、「DEKOPON」は、第31類「果実」等について商標登録がされています(商標登録2495156「デコポン」商標登録2495157「DEKOPON」)。

■ まとめ

今日のまとめです。

●「デコポン」は品種名ではなく、商品名
●「デコポン」というネーミングはへたの部分のでっぱりに由来している
● 商品の欠点もネーミング次第でセールスポイントになる


「デコポン」というネーミングは商品の欠点をカバーし、むしろチャームポイントに変えてしまいました。ネーミングにはこんな力もあるんです。

皆さんも自分の商品の弱みをウリにする自虐系ネーミング、考えてみてください!

銚子電鉄の「まずい棒」なんてお菓子もありましたよね(笑)

ネーミングのコツ|自虐で同情を誘った銚子電鉄「まずい棒」


では今日はこの辺で。


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